【初心者向け】統括情報表の見方とは?積算ソフト設定で確認すべき6つのポイント

【統括情報表の見方】総まとめ|積算ソフトで間違えると危険な6つの設定

積算担当の皆様、お疲れ様です!公共工事の金抜設計書には「統括情報表」という条件一覧が必ず付いています。ここには前払率や工期など、積算ソフトの設定に直結する項目がまとめられていますが、この設定を1つでも間違えると、工事価格が発注者の予定価格とずれてしまいます。今回は統括情報表の中でも特に見落としやすい6つの設定項目を、総まとめとしてご紹介します!

この記事はこんな方におすすめです

「建築・電気・機械設備の公共積算で、積算ソフトの設定方法がわからない」「統括情報表の何を見ればいいのかわからない」「間違えるとまずい最低限の設定だけ押さえたい」という方に向けて書いています。

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まず結論

  • 最も影響が大きいのは「前払率」
  • 福島県では「監理事務所を設けない」が基本
  • 週休2日補正は設定ミスが多い
  • 複合工事の工期Tは自己判断しない

1前払率

結論

前払率が35%以下になると、一般管理費等率に補正係数が適用されます。

詳しい影響

前払金の支出割合が35%以下の場合、一般管理費等率に以下の係数が乗じられます。

前払金支出割合補正係数
0%〜5%以下1.05
5%超〜15%以下1.04
15%超〜25%以下1.03
25%超〜35%以下1.01
35%超(例:40%)補正なし(1.00)

設定ひとつで一般管理費等が最大5%変わるため、工事価格への影響は無視できません。

注意点

この補正は「前払金の保証がある工事」であることが適用条件です。保証がない工事は対象外のため、前払率の数字だけでなく契約条件とセットで確認しましょう。

2契約保証(金銭的・役務的)

結論

保証の方法によって、工事原価に乗じる契約保証費率が変わります。

詳しい影響

工事原価×契約保証費率で算出した金額が、一般管理費等に加算されます。

保証方法特徴
金銭的保証0.04%最も一般的な形態
役務的保証0.09%リスク大・率も高め
上記以外(軽微な契約等)補正なし0円計上

工事原価1億円の場合、金銭的保証(0.04%)なら4万円、役務的保証(0.09%)なら9万円。工事規模が大きくなるほど差額も大きくなります(2億円規模で約10万円差)。

3監理事務所を設けない設定

結論

監理事務所を設けない場合、共通仮設費率に減額補正(係数0.887〜0.988)が入り、純工事費→現場管理費→一般管理費等へと連鎖して工事価格が下がります。

詳しい影響
直接工事費監理事務所あり監理事務所なし差額
2,000万円約2,630万円約2,623万円約▲7万円
3,000万円約3,910万円約3,900万円約▲10万円
4,000万円約5,180万円約5,166万円約▲14万円

国交省の算定例では、補正係数0.933を掛けたことで共通仮設費率が4.12%→3.84%へ0.28ポイント低下し、最終的な工事価格では約53万円の差として現れたケースもあります。

福島県での実態

福島県の公共建築工事では、監理事務所を設けない条件が設定されている案件を多く見かけます。実際の案件ごとに条件は異なるため、必ず統括情報表の記載内容を確認しましょう。設定を見落とすと金額がずれるため、最終チェックで必ず確認するようにしましょう。

4労務費の比率:普通

結論

金抜設計書に「労務費の比率:普通」と書いてあれば、何も気にしなくてOKです。共通費の計算は通常どおり行われます。

詳しい影響
金抜設計書の表示共通費の計算受注者の対応
労務費の比率:普通通常の率で計算何もしなくてOK
労務費の比率:著しく少ない補正された低い率で計算発注者が積算時に設定済み・対応不要

「著しく少ない」と判定されるのは、直接工事費に占める労務費の割合がおおむね10%以下の工事(基準は都道府県による)。大型の空調機器や受変電設備など、機器本体の価格が大半を占める設備工事で起こりやすい表示です。いずれの表示であっても、その内容はすでに金抜設計書の金額に織り込まれているため、受注者側で計算し直す必要はありません。

5週休2日補正

結論

建築・電気・機械設備工事の週休2日補正は、「4週8休(月単位)」と「完全週休2日」で補正がかかる費目が異なります。月単位は労務費のみ、完全週休2日は労務費に加えて現場管理費にも補正がかかります(共通仮設費率への補正はいずれもありません)。

詳しい影響
区分労務費現場管理費
4週8休(月単位・第Ⅳ・Ⅴ編)1.02補正なし
完全週休2日(第Ⅵ編)1.021.01

完全週休2日促進工事の現場管理費補正(1.01)は、令和7年10月15日改定で新設された比較的新しい規定です。それ以前(令和7年1月20日〜10月14日起工)は完全週休2日でも労務費1.04のみの補正で、現場管理費の補正はありませんでした。共通仮設費率については、月単位・完全週休2日のいずれの区分でも補正の記載がありません。

よくある間違い

「月単位の週休2日」なのに「完全週休2日」の基準(現場管理費補正あり)を適用してしまう、あるいは逆に「完全週休2日」なのに現場管理費への補正を忘れてしまうケースがあります。統括情報表・特記仕様書でどちらの区分の工事かを確認し、起工日が令和7年10月15日以降かどうかも合わせて確認しましょう。

※本項の数値は福島県土木部「週休2日等工事試行要領 第Ⅳ編〜第Ⅵ編(建築関係工事編)」(令和7年10月15日改定版)に基づきます。起工日により適用される版が異なるため、実際の積算にあたっては最新の試行要領をご確認ください。

6⑥工期(T)

結論

基本は統括情報表の工期をそのまま全工種に入力するだけでOKですが、複合工事では工種ごとに異なる工期Tが設定される場合があり、その場合は発注者への確認が必須です。

詳しい影響

統括情報表の工期(か月)は、共通仮設費率・現場管理費率を算定する変数「T」として算定式に代入されます。工期が長いほど共通費率は上がるため、工期の入力を誤ると共通費が数十万〜数百万円単位でずれます。

工種工期T入力方法
建築4.0か月(例)統括情報表の値をそのまま
電気設備4.0か月(例)同上
機械設備4.0か月(例)同上
自己判断は絶対にNG

電気設備や機械設備が建築工事の後半に短期集中で入る工事などでは、設備工種のTが建築より短く設定されることがあります。工種ごとの工期Tは発注者が設計段階で決定しているため、金抜設計書を見ただけでは判断できません。複合工事や短期間で完了しそうな工種がある場合は、入札前の質疑で「金抜設計書の共通費計算における各工種の工期Tを教えてください」と必ず確認しましょう。

6項目はいずれも統括情報表を見るだけで確認できる項目です。積算ソフトの操作を覚える前に、まずは統括情報表で条件を正しく把握する習慣を付けることが、予定価格との差異を防ぐ近道といえるでしょう。

まとめ:統括情報表チェックリスト

  • 前払率:35%以下なら一般管理費等率に補正係数(最大1.05)
  • 契約保証:金銭的保証0.04%/役務的保証0.09%を工事原価に乗じる
  • 監理事務所:設けない場合は共通仮設費率に減額補正(福島県では設けないのが基本)
  • 労務費の比率:「普通」なら対応不要、「著しく少ない」も設計書側で処理済み
  • 週休2日補正:建築・電気・機械は月単位(4週8休)なら労務費のみ、完全週休2日なら労務費+現場管理費(1.01)が補正対象(令和7年10月15日改定)
  • 工期(T):基本はそのまま全工種に入力、複合工事は工種ごとの差異を発注者に確認

6項目とも「知らないと損をする」設定ばかりです。積算ソフトへの入力前に、統括情報表を上から順にチェックする習慣をつけておきましょう!

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