【令和8年改定】単位施工単価とは?電気設備(絶縁ケーブル)の4区分を積算担当者向けに解説
積算担当の皆様、お疲れ様です!
令和8年3月11日、国土交通省より公共建築工事積算基準類の改定が発表され、電気設備工事の絶縁ケーブルに「単位施工単価」が新たに導入されました。
今回は「単位施工単価って結局何?」「電気設備では何区分あるの?」という疑問に、公式発表資料をもとにお答えしていきます。
①単位施工単価とは何か
単位施工単価とは、複合単価の手法(単価×歩掛り)と市場取引の調査結果を組み合わせて算定される、新しい方式の積算単価のことです。従来の市場単価は労務費・材料費・機械器具費・下請経費等が一式になっていましたが、単位施工単価では労務費等の内訳が把握可能になる点が最大の特徴です。
結論
単位施工単価は「ベース単価」と「シフト単価」の2種類で構成されています。ベース単価は歩掛り調査に基づいて算定される代表的な規格・仕様の単価、シフト単価は元請・下請間の取引調査結果をもとにベース単価を調整して算定される、その他の規格・仕様の単価です。
算定のしくみ(STEP)
STEP1|ベース単価は4つの費用を積み上げて算定
労務費
公共工事設計
労務単価×労務歩掛
材料費
材料単価×材料歩掛
機械器具費
機械損料×運転日数
下請経費等
(労務+材料+機械器具)
×率
STEP2|シフト単価はベース単価を取引調査結果で調整
シフト単価 = ベース単価 ×
シフト単価の細目工種の
取引調査結果に基づく単位施工当たりの価格
ベース単価の細目工種の
取引調査結果に基づく単位施工当たりの価格
シフト単価は「物価資料」の掲載価格によることが基本とされています。
②電気設備(絶縁ケーブル)では何区分ある?
今回の改定で単位施工単価の対象に追加されたのは「絶縁ケーブル」です。対象は600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシーズケーブル平形(EM-EEF)の二重天井内・二重床内・ピット内及びトラフ内配線で、規格・仕様は以下の4区分です。
結論:絶縁ケーブルの単位施工単価は4区分
ベース単価が1区分、シフト単価が3区分の合計4区分です。
| 種別 | 規格・仕様 | 単位 |
|---|---|---|
| シフト単価 | 1.6mm-2C | m |
| シフト単価 | 2.0mm-2C | m |
| シフト単価 | 1.6mm-3C | m |
| ベース単価 | 2.0mm-3C | m |
4区分のうち、実際に歩掛り調査で算定されているのは「2.0mm-3C」のベース単価のみで、残り3区分のシフト単価はこのベース単価を取引調査結果で調整して算出される構造になっています。
③ベース単価(2.0mm-3C)の歩掛りの中身
公表されているベース単価の歩掛りは以下の通りです。
| 細目 | 摘要 | 単位 | 所要量 | 率を乗ずる区分 |
|---|---|---|---|---|
| 600V絶縁ケーブル(材料) | 2.0mm-3C | m | 1.15 | 労以外 |
| 雑材料 | 1式(材料価格×0.03) | - | - | 労以外 |
| 電工 | - | 人 | 0.017 | 労 |
| 諸経費 | - | 式 | 1 | - |
④なぜ導入されたのか
背景には、第三次・担い手3法に基づき中央建設業審議会が令和7年12月に勧告した「労務費に関する基準」があります。公共工事の発注者には、市場単価(労務費・材料費・機械器具費・下請経費等が一式となった単価)についても内訳把握が求められており、その対応として単位施工単価が導入されました。目的は公共工事設計労務単価水準の労務費(賃金の原資)が確保されていることを、発注者の積算において明確にすることです。
なお、今回の改定では専門工事業者等の諸経費率も見直されており(労務費42〜52%、材料費・消耗材料費等9〜13%)、単位施工単価も複合単価の方法を使用して算定していることから、この諸経費率見直しの内容が反映される、と公式資料に注記されています。
⑤積算担当者が押さえておきたいポイント
実務知識に基づく補足(公式資料には記載なし)
単位施工単価は複合単価とシフト単価の算定ロジックが積算ソフトごとの実装に依存する部分があるため、ソフトメーカーによる単価反映のタイミングや計算精度に差が出る可能性が考えられます。
導入されたばかりの絶縁ケーブルの単位施工単価については、自社が使用している積算ソフトでの反映状況・計算結果を実際の設計書ベースで検証することが重要だと考えられます。
まとめ
- 単位施工単価は「ベース単価」(歩掛り調査で算定)と「シフト単価」(取引調査でベース単価を調整)の2種類で構成される
- 電気設備の絶縁ケーブルでは、ベース単価1区分・シフト単価3区分の合計4区分が導入された
- 導入の目的は、労務費に関する基準に基づき公共工事設計労務単価水準の労務費確保を積算上で明確にすること
- 本改定は令和8年4月以降に入札手続きを開始する官庁営繕工事に適用される
今回の改定内容を押さえて、令和8年4月以降の積算業務に備えていきましょう!

