純工事費とは?公共建築工事積算における役割をわかりやすく解説

公共建築工事の積算において、「純工事費」は積算の階段を上る際に出会う最初の中間合計金額です。直接工事費と共通仮設費を合算したもので、次のステップである「現場管理費」を算出するための重要な「物差し」となります。

純工事費の定義

純工事費とは、「建物そのものを作る費用」と「現場を維持するための準備費用」を合わせた金額のことです。積算の構成図で見ると、土台となる直接工事費のすぐ上に位置する、最初の大きな区切りとなります。

純工事費の構成

直接工事費 ― 建物本体を作るための材料費・職人の手間代
共通仮設費 ― 現場事務所・仮囲い・工事用電気代など、現場全体の準備・維持費
① + ② = 純工事費(Np)
(参考)純工事費 + 現場管理費 = 工事原価

積算の実務では、この純工事費を記号で「Np」と表記します。

なぜ「純工事費」を算出するのか

現場管理費の算定ベース

純工事費を出す最大の目的は、「現場管理費」を計算するためです。現場監督の給与や法定福利費などの「現場管理費」は、純工事費に一定の率(現場管理費率)を掛けて算出されます。

純工事費(Np) × 現場管理費率(Jo)
= 現場管理費
純工事費が正しく計算されていないと、その後の現場管理費・工事原価・一般管理費等がすべて連鎖してずれてしまいます。

積算上の重要な注意点

  • 処分費(産廃)の除外 ― 現場管理費率(Jo)を乗じる際、ベースとなる純工事費(Np)から「処分費(産業廃棄物処理費)」を差し引かなければなりません。ゴミの処理費用には現場管理の手間が比例しないという考えに基づいています。
  • 金額の単位 ― 現場管理費の算定式に代入する際は、円単位ではなく「千円単位」に直して計算します。

まとめ

  1. 純工事費 = 直接工事費 + 共通仮設費(記号:Np)
  2. 現場管理費を算出するための基準(分母)になる
  3. 率を掛ける際は処分費を除外し、千円単位で代入する
純工事費に現場管理費をプラスすると「工事原価」になり、そこに一般管理費等を加えることで最終的な「工事価格」が完成します。