共通費とは?直接工事費との違いを解説

積算書を開くと「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費等」という項目が並んでいます。これらをまとめて共通費と呼びます。この記事では、共通費とは何か・直接工事費と何が違うのかを、工事価格の全体像から順にわかりやすく解説します。

共通費とは

共通費とは、工事全体を進めるために必要な費用の総称です。直接工事費のように図面から数量を拾って算出する費用ではなく、現場運営や会社経営に必要な費用として、積算基準に基づき主に率を用いて算定します。

公共営繕工事では「共通費積算基準」にもとづいて計算します。福島県は国土交通省の基準を準用しており、令和7年改定版が現行の基準です。

直接工事費との違い

直接工事費と共通費は、積算方法・対象・位置付けのすべてが異なります

項目 直接工事費 共通費
対象 施工そのものに必要な費用 工事全体を支えるための費用
積算方法 数量×単価で積み上げる 積算基準の率で算定する
位置付け 積算の出発点となる金額 直接工事費を基礎に計算される金額
ひとことで言うと
直接工事費 「つくるためのお金」——材料・労務・機械の費用
共通費 「工事を運営するためのお金」——現場管理・会社経費の費用

直接工事費の内訳は材料費・労務費・機械経費の3つです。積算ソフトで各材料・労務の数量に単価を掛けて集計した金額が直接工事費になります。この数字が共通費計算の出発点になるため、直接工事費の精度が共通費の精度に直結します

工事価格は4層構造になっている

共通費と直接工事費の関係を整理すると、下から積み上げる4層構造になります。先に全体像をつかんでおくと、次の「3つの区分」が理解しやすくなります。

工事価格の4層構造 工事価格は直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の4層から構成される 工事価格 消費税等相当額を除いた発注金額のベース 一般管理費等 会社管理費・利益相当分 / 工事原価 × 率 工事原価 現場管理費 現場監督・安全管理・保険 / 純工事費 × 率 純工事費 共通仮設費 足場・仮設電気・現場事務所 / 直接工事費 × 率 直接工事費 P 材料費・労務費・機械経費 / 設計図書から積み上げる 積算の 起点 工事 価格

「純工事費」は直接工事費と共通仮設費を合計したものです。現場管理費の算定基礎になるため、積算基準では区別して呼ばれています。外側の箱が内側を包む構造になっており、内側の金額が外側の算定基礎になっています。

共通費の3つの区分

共通費は次の3種類に分かれています。それぞれ算定の基礎となる金額が異なります。

共通仮設費

複数の工種・職種が共通して使う仮設備の費用です。各工種に個別に分けられない性格のものが対象です。

共通仮設費に含まれる主なもの
仮設建物(現場事務所・倉庫)/共通の足場・仮囲い/仮設電気・給排水/安全衛生管理費(共通分)/試験・検査費(共通分)など

現場管理費

現場の運営・監理のために必要な費用です。

現場管理費に含まれる主なもの
現場代理人・主任技術者の人件費(一部)/労働保険・社会保険の事業主負担分/各種工事保険料/近隣対策費など

一般管理費等

施工会社の本社・支社レベルの管理費と適正利潤の相当分です。工事原価に主に率を用いて算定します。新営・改修で式は変わりません。

複合工事(例:建築改修+電気改修)の場合は「主たる工事の式」を工事原価の合計に1回だけ適用します。

まとめ
  • 共通費とは、工事全体を支えるための費用の総称。直接工事費と並ぶ工事価格の重要な構成要素
  • 直接工事費は「数量×単価で積み上げる」、共通費は「積算基準の率で算定する」という点が最大の違い
  • 共通費は「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費等」の3種類に分かれる
  • 工事価格は直接工事費を起点とした4層構造。内側の金額が外側の算定基礎になる

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