令和8年積算改定|建築工事と電気設備工事を一括発注した場合の一般管理費等の計算方法
建築工事と電気設備工事をまとめて発注するとき、一般管理費等の率はどちらの工種を基準に計算すればよいのでしょうか。令和8年の積算基準改定で、この計算方法とあわせてGp(一般管理費等率)の算定式そのものも変わりました。
この記事では、複数工事種別を一括発注した場合の一般管理費等の算定方法を、改定前後の違いと数値例で整理します。
※本記事の一括発注時の取扱いは、公共建築工事積算基準等資料(令和8年改定)新旧対照表 第3編共通費第1章3項に基づいて整理しています。
令和8年改定で何が変わったか
令和8年改定では、複数の工事種別を一括発注する場合の一般管理費等の算定方法について、次の2つの変更が同時に行われました。
変更点1:合算方式から一本化方式へ
工事原価×一般管理費等率
を算出し合計する
主たる工事の
一般管理費等率を適用する
「主たる工事」とは、公共建築工事積算基準等資料において発注時の工事種別と定義されています。一括発注する工事のうち、通常は工事原価が最も大きい工事種別が該当します。
変更点2:一般管理費等率(Gp)の算定式が工種共通に
令和8年改定では、一般管理費等率(Gp)の算定式自体が、建築工事・電気設備工事・機械設備工事・昇降機設備工事で共通化されました。改定前は工種ごとに別々の算定式でしたが、改定後は工種を問わず同じ算定式(Gp=32.597-3.591×log₁₀(Cp))を使用します。
「主たる工事のGpを適用する」という手続き自体は改定後も続きますが、Gpの算定式が工種共通になったため、主たる工事が建築でも電気設備でも機械設備でも、同じ合計工事原価であればGpの値は同じになります。「建築用Gp」「電気用Gp」という別々の率がまだ存在するわけではない点に注意してください。
改定後の計算手順
Gp=32.597-3.591×log₁₀(Cp))に当てはめる一般管理費等 = 合計工事原価 × Gp(合計工事原価を金額帯としたGp算定式による率)
※ Gp算定式は建築・電気設備・機械設備・昇降機設備で共通。工事原価3百万円以下は一律20.11%、30億円超は一律9.34%
一般管理費等とは異なり、共通仮設費・現場管理費は改定後も工事種別ごとに算定してから合計します(一本化されるのは一般管理費等のみ)。共通費全体を単純に同じ計算方法で処理しないよう注意してください。
数値例で確認する
建築工事と電気設備工事を一括発注した場合の例です。
| 工事種別 | 工事原価 | 主たる工事 |
|---|---|---|
| 建築工事 | 2,000万円 | 主たる工事 |
| 電気設備工事 | 800万円 | — |
| 合計 | 2,800万円 | — |
仮にこの案件で電気設備工事の工事原価が建築工事を上回り、電気設備工事が主たる工事になったとしても、Gp算定式は工種共通のため合計工事原価2,800万円に対するGpの値は変わりません。改定前のように「建築用の算定式」「電気用の算定式」を使い分ける必要はなくなりました。
よくある質問
令和8年改定後は、一般管理費等率(Gp)の算定式が建築工事・電気設備工事・機械設備工事・昇降機設備工事で共通化されています。そのため「建築用Gp」「電気用Gp」という区分けはなく、全工種の工事原価を合計した額を、共通のGp算定式に当てはめて計算します。
あります。公共建築工事積算基準等資料では、一括発注時の共通仮設費率・現場管理費率・一般管理費等率の算定方法を定める条文の中で、主たる工事を「発注時の工事種別」と位置づけています。一般管理費等の率自体は工種共通になりましたが、共通仮設費・現場管理費は引き続き工事種別ごとに算定するため、主たる工事の判定という枠組み自体は維持されています。
令和8年4月1日以降に入札手続きを開始する官庁営繕工事から適用されます。福島県での適用時期は、技術管理課の「公表図書について」ページで起工日基準の個別確認が必要です。
まとめ
算定方法:改定前は工種ごとに計算して合算、改定後は合計工事原価に主たる工事のGpを適用
Gp算定式:令和8年改定で建築・電気設備・機械設備・昇降機設備が共通化。工種によって値が変わることはない
共通仮設費・現場管理費:一般管理費等とは異なり、引き続き工種ごとに算定して合計
複合発注の積算では、まず主たる工事を特定したうえで合計工事原価を出し、共通のGp算定式に当てはめる、という流れを押さえておけば計算間違いを防げます。

