福島県共通費計算ツールを無料公開/営繕(建築・電気・機械設備対応)完全版
実務ハックシリーズ #1
共通費の計算ツールを無料公開
SEKISAN-PRO 運営チーム
こんな方に読んでほしい記事です
- ✓共通費の計算式がよくわからない、毎回基準書を引っ張り出している
- ✓建築・電気・機械の複合工事で、工種ごとの共通費をどう計算すればいいか迷う
- ✓令和7年度基準で共通費を正しく計算したい
1
共通費とは何か(3種類をざっくり整理)
公共建築工事の積算では、工事費は「直接工事費」だけでは完結しません。現場を動かすために必要な費用として、共通費が別途算定されます。共通費は3種類に分かれます。
| 費目 | 何をカバーするか | 算定の基礎 |
|---|---|---|
| 共通仮設費 | 現場事務所・仮囲い・安全設備など | 直接工事費 P × Kr率 |
| 現場管理費 | 現場代理人の人件費・保険・労務管理など | 純工事費 Np × Jo率 |
| 一般管理費等 | 本社経費・利益相当分など | 工事原価 Cp × Gp率 |
ポイント:共通費は「率」で算定するため、直接工事費の大きさと工期Tによって毎回変わります。同じ規模の工事でも工期が変われば共通費も変わります。
2
手計算が大変な理由
共通費の計算式は、一見シンプルに見えて実はかなり複雑です。現場で詰まりやすいポイントを整理します。
詰まり①
対数(ln)を使う算定式
Kr・Joの算定式は Exp(a − b×lnP + c×lnT) という形。電卓で手計算するには手間がかかります。
Kr・Joの算定式は Exp(a − b×lnP + c×lnT) という形。電卓で手計算するには手間がかかります。
詰まり②
処分費・スクラップの扱い
処分費は共通仮設費率・現場管理費率の算定基礎から除外します。ただしスクラップ有価物は一般管理費等率の算定基礎からは除外しません。工種ごとに正しく引き算する必要があります。
処分費は共通仮設費率・現場管理費率の算定基礎から除外します。ただしスクラップ有価物は一般管理費等率の算定基礎からは除外しません。工種ごとに正しく引き算する必要があります。
詰まり③
複合工事の工種ごとの算定
建築・電気・機械設備は、それぞれ別の係数テーブルを使います。複合工事では工種ごとに算定してから合算します。
建築・電気・機械設備は、それぞれ別の係数テーブルを使います。複合工事では工種ごとに算定してから合算します。
詰まり④
産業廃棄物税の取り扱い
産業廃棄物税は処分費とは別に「率対象外」として、共通仮設費率・現場管理費率・一般管理費等率の全てから除外します。処分費本体とは別枠の扱いです。
産業廃棄物税は処分費とは別に「率対象外」として、共通仮設費率・現場管理費率・一般管理費等率の全てから除外します。処分費本体とは別枠の扱いです。
3
無料ツールでできること
SEKISAN-PROでは、上記の複雑な計算をまとめて自動処理できる共通費算定ツール(無料)を公開しています。
対応工種
- →建築新営 / 建築改修
- →電気設備新営 / 電気設備改修
- →機械設備新営 / 機械設備改修
- →複合工事(6工種の合算)
対応する基準・補正
- →令和7年度対応(共通費積算基準)
- →前払金支出割合による補正
- →週休2日促進工事の補正
- →監理事務所を設けない場合の補正
- →契約保証費の加算
共通費算定ツールを使う(無料)
登録不要・ブラウザ上で動作します
4
ツールの使い方(3ステップ)
難しい操作はありません。順番に入力するだけで結果が出ます。
1
共通条件を設定する
前払金の有無・支出割合、契約保証の方式、週休2日の適用有無、基準年度を選択します。デフォルト設定のまま進んでも計算できます。
2
工種ごとに直接工事費Pと工期Tを入力する
建築・電気・機械の各カードに、直接工事費(円)と工期(か月)を入力します。処分費・スクラップ・産業廃棄物税がある場合はあわせて入力してください。使わない工種は0のままで構いません。
スクラップ有価物はマイナスの値で入力してください(例:-17,000)。プラスで入力しても自動でマイナスに変換されます。
3
結果を確認する
入力と同時にリアルタイムで計算されます。画面下部に「工事価格(消費税等相当額を含まない)」が表示されます。各費目の内訳も工種カードで確認できます。
5
よくある質問
Q. 積算ソフトがあれば共通費ツールは必要ないのでは?
積算ソフトは確かに自動計算してくれます。ただ、なぜその数字になるのかを理解して確認したいとき、ツールを使って照合するのが有効です。また、積算ソフトを持っていない方や、概算段階で素早く試算したい場面でも重宝します。
Q. 令和7年度基準とは何ですか?
令和7年度版の「公共建築工事共通費積算基準」に準拠した算定ツールです。共通仮設費率(Kr)・現場管理費率(Jo)・一般管理費等率(Gp)の3つを、工種別の算定式で自動計算します。詳しくは共通費計算の仕組みもあわせてご覧ください。
Q. 産業廃棄物税はどの欄に入れますか?
各工種カードの「産業廃棄物税(率対象外)」欄に入力してください。産業廃棄物の処分費本体(収集運搬・処分の実費)は「処分費」欄に、産業廃棄物税(条例による法定外目的税)のみをこの欄に入力します。ツール内の注意書きも確認してください。
Q. 計算結果は積算書にそのまま使えますか?
本ツールは公共建築工事共通費積算基準に基づいた算定を行っていますが、各自治体・発注機関の運用や特記事項により異なる場合があります。最終的な積算書への転記は、発注機関の積算基準書・特記仕様書を確認の上、ご自身の判断で行ってください。
まとめ
- 01共通費(共通仮設費・現場管理費・一般管理費等)は対数式を使う複雑な計算で、処分費・スクラップの除外ルールまで正確に押さえる必要がある。
- 02SEKISAN-PROの無料ツールは、建築・電気・機械6工種の複合工事に対応し、P・Tを入力するだけで共通費全体を自動算定できる。
- 03令和7年度基準に対応し、前払金補正・週休2日補正・契約保証費の加算にも対応。自分の工事条件に合わせて設定できる。
- 04積算ソフトの計算結果の照合や、概算段階の素早い試算にも活用できる。登録不要・無料で使える。

