複数敷地の工事を一括発注するときの共通費の計算方法
SEKISAN-PRO|積算実務
複数敷地の工事を一括発注するとき、共通費はどう計算する?
結論
| 費目 | 算定方法 |
|---|---|
| 共通仮設費率 | 敷地ごと |
| 現場管理費率 | 敷地ごと |
| 一般管理費等率 | 全敷地合計 |
こんな方向けの記事です
複数の敷地にまたがる工事(本庁舎と別棟、複数施設の同時発注など)を一括で受注し、共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の算定方法で迷ったことがある方
複数の敷地の工事を一括発注する案件では、共通仮設費率・現場管理費率・一般管理費等率の算定方法が、単一敷地の工事とは異なります。結論から言うと、3つの率すべてを同じルールで計算してはいけません。「敷地ごとに個別で見る率」と「合計額に対して一本で見る率」が混在しているため、ここを取り違えると算定そのものが誤ります。
1共通仮設費率・現場管理費率は「敷地ごと」に算定する
共通仮設費率と現場管理費率は、それぞれの敷地の工事ごとに対応する率を個別に算定します。合算した金額に一本の率をかけるのではなく、敷地A・敷地Bそれぞれで直接工事費(または純工事費)と工期に対応する率を求める、という考え方です。
| 費目 | 算定の基準 |
|---|---|
| 共通仮設費率 | 敷地ごとの直接工事費・工期に対応する率 |
| 現場管理費率 | 敷地ごとの純工事費・工期に対応する率 |
積み上げにより算定する共通仮設費・現場管理費についても同様で、それぞれの敷地の工事ごとに計上します。敷地をまたいでまとめて計上することはできません。
2一般管理費等だけは「合計額」に一本の率をかける
一方、一般管理費等はこの2つと考え方が異なります。それぞれの敷地の工事原価を合計したうえで、その合計額に対応する一般管理費等率を1本だけ算定して掛けます。敷地ごとに個別の率を出すわけではありません。
共通仮設費率・現場管理費率:敷地ごとに個別算定
一般管理費等:全敷地の工事原価の合計額に対して1本の率で算定
一般管理費等:全敷地の工事原価の合計額に対して1本の率で算定
この違いを取り違えると、一般管理費等を敷地ごとに別々の率で計算してしまい、工事価格全体で見たときに算定根拠がずれてしまいます。
3共通仮設費・現場管理費の計上も敷地ごとに区分する
算定した共通仮設費・現場管理費は、敷地の工事ごとに区分して計上します。積算ソフトへの入力段階でも、敷地単位で経費計算を分けて実行する必要があるということです。
実務上は、敷地ごとに直接工事費・純工事費・工期を整理したうえで、共通仮設費率・現場管理費率はそれぞれ個別に算定し、一般管理費等だけは全体の工事原価を合計してから1回だけ算定する、という手順を踏むと迷いにくくなります。
出典:令和8年改定「公共建築工事積算基準等資料」第3編 第1章 共通事項 4(敷地が異なる複数の工事を一括して発注する場合の算定)

