令和8年積算改定|ベース単価・シフト単価・補正市場単価の違いを電気設備工事積算で解説
電気設備工事の積算をしていると、
- ベース単価
- シフト単価
- 補正市場単価
という似た言葉が出てきます。
令和8年改定では絶縁ケーブルに単位施工単価が導入され、これらの違いを理解していないと単価表が読みにくくなりました。
この記事では、まず金額例でイメージをつかみ、その後で制度の仕組みを解説します。
ベース単価・シフト単価・補正市場単価の違い
ベース単価 → 基準となる単価
シフト単価 → ベース単価に係数を掛けた単価
補正市場単価 → 市場単価に補正係数を掛けた単価
金額例で理解するシフト単価
例えば、ベース単価が1,000円/mだったとします。
シフト単価は「ベース単価を起点として算定する単価」です。積み上げ計算をやり直す必要はなく、ベース単価に決まった係数を掛けるだけで求められます。
令和8年改定の実例:絶縁ケーブル(EM-EEF)
令和8年改定では、電気設備工事の絶縁ケーブル(600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形、EM-EEF)に単位施工単価が新たに導入されました。
単位施工単価では、代表規格をベース単価として算定し、その他の規格や施工方法はシフト単価として展開します。つまり、ベース単価を基準に係数を掛けて他の単価を求める仕組みです。
同じEM-EEFでも、
- ころがし配線
- 管内配線
- ケーブルラック配線
- コンクリート面サドル止め
では施工の手間が違うため、単価も変わります。
| 施工方法 | 係数 | 金額(ベース単価1,000円の場合) |
|---|---|---|
| 管内配線 | 1.2 | 1,200円 |
| ころがし配線 | 1.4 | 1,400円 |
| PF管内配線 | 1.5 | 1,500円 |
| コンクリート面サドル止め | 2.0 | 2,000円 |
ここで使った1,000円・係数1.2〜2.0はあくまで計算の仕組みを理解するための仮の数値です。実際の単価・係数は最新の単価表・附表を確認してください。
実際の単位施工単価では、代表規格となるベース単価を算定したうえで、他の規格や施工方法についてはシフト単価として展開します。算定の考え方は次のとおりです。
シフト単価 = ベース単価 × 係数
ベース単価とは?
ベース単価とは、代表規格を歩掛りから積み上げて算定した単価です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 材料費 | 500円 |
| 労務費 | 300円 |
| 雑材料費 | 50円 |
| 諸経費 | 150円 |
| ベース単価 | 1,000円 |
であれば、ベース単価=1,000円になります。ここがすべての基準になります。
シフト単価とは?
シフト単価は、別の規格や施工条件について、取引実態調査を反映して補正した単価です。算定式は
シフト単価 = ベース単価 × 係数
と考えると理解しやすいです。
ベース単価・シフト単価・補正市場単価の違い一覧
ベース単価・シフト単価・補正市場単価の違いを一覧で整理します。
| 項目 | ベース単価 | シフト単価 | 補正市場単価 |
|---|---|---|---|
| 基準 | 歩掛り積み上げ | ベース単価 | 市場単価 |
| 用途 | 基準規格 | 他規格への展開 | 条件補正 |
| 計算方法 | 積み上げ | 係数乗算 | 補正係数乗算 |
| 令和8年改定 | EM-EEFで導入 | EM-EEFで導入 | 附表整理 |
補正市場単価との違い
ここが一番混乱しやすいポイントです。
似ていますが、基準となる単価が違います。シフト単価はベース単価(単位施工単価の体系)が起点、補正市場単価は市場単価(元請・下請間の取引調査に基づく材工一式の単価)が起点です。
令和8年改定のポイント
ポイント①
電気設備工事の補正市場単価算定式を整理
ポイント②
絶縁ケーブル(EM-EEF)に単位施工単価を新設
ポイント③
労務費の内訳が分かる単価体系へ移行
積算実務ではどう使う?
実際の積算作業では、次の順番で単価表を読み進めます。
単価表を見たときは、市場単価なのか単位施工単価なのかを最初に確認することが重要です。単位施工単価の場合は、ベース単価を基準としてシフト係数を適用することで対象規格の単価を算定できます。
まとめ
ベース単価は積み上げ計算で求める基準単価
シフト単価はベース単価×係数
補正市場単価は市場単価×補正係数
令和8年改定で絶縁ケーブルに単位施工単価を導入
単価表を見るときは「市場単価」か「単位施工単価」かを最初に確認する

