【いわき市金入設計書活用シリーズ】単価が合っているのに予定価格が合わない?工期Tと共通費の落とし穴
いわき市で公開される金入設計書は、発注者積算の答え合わせができる貴重な資料です。
単価と数量が合っているのに差額が残る場合、原因は共通費計算に使われる工期Tにあるかもしれません。
SEKISAN-PROの検証では、複合工事の約7〜8%で工種ごとに異なる工期Tが設定されていました。複合工事では工期Tにも目を向けてみるとよいでしょう。
実際には「工期Tが違うことが原因だった」というケースも存在します。特に建築・電気・機械が混在する複合工事では、一度確認してみると安心です。
- 単価が合っているのに差額が残るケースがある
- 原因のひとつとして工期Tが考えられる
- ほとんどの案件は統括情報表の工期をそのまま使う
- 複合工事では工種ごとに(同一敷地内であるにもかかわらず)工期Tが異なる場合がある
- こんな案件では工期Tにも目を向けたい
- 差額の原因が見えない場合は質疑で確認してみましょう
単価が合っているのに差額が残るケースがある
いわき市の金入設計書で単価を確認した結果、単価も数量もほぼ同じなのに予定価格との差額が残ることがあります。
このような場合、原因を単価の中に探し続けても見つからないことがあります。差額の原因が共通費の計算条件にある場合があるからです。
原因のひとつとして工期Tが考えられる
共通仮設費・現場管理費は、直接工事費や純工事費に一定の率を掛けて算出します。この率の計算に使われるのが工期Tです。
工期Tが違えば共通費率も変わり、総額に差が生じます。単価が同じでも、工期Tの設定が異なれば予定価格はなかなか一致しません。
共通費率は工期Tを含む算定式で計算されます。工期Tの設定が1か月ずれると、共通費の金額も大きく変わってきます。
ほとんどの案件は統括情報表の工期をそのまま使う
通常の工事では、統括情報表に記載された工期(か月)をすべての工種に一律で適用します。建築・電気設備・機械設備のすべてに同じTを使うのが基本です。
実際に差額分析をしてみると、ほとんどの案件は統括情報表の工期がそのまま全工種に使われています。つまり工期Tを意識する必要があるのは特殊なケースで、大半の工事では気にしなくて大丈夫です。
ただし、次章で取り上げる複合工事では例外が生じることがあります。
複合工事では工種ごとに工期Tが異なる場合がある
複合工事では、すべての工種に同じTが使われているとは限りません。
SEKISAN-PROのスタッフが複数案件を実際に検証したところ、複合工事の約7〜8%で工種ごとに異なる工期Tが設定されていました。
たとえば建築工事のTが10か月に対して、電気設備工事のTが3か月に設定されているケースがありました。付随的な工種に対して実態に合ったTを設定するという積算上の考え方によるものですが、金抜設計書を見ただけでは判断しづらいところです。
こんな案件では工期Tにも目を向けたい
以下のような案件では、工種ごとに異なる工期Tが設定されている可能性があります。気になった場合は確認してみるとよいでしょう。
- 建築・電気・機械が混在する複合工事
- 設備工事の比率が工事全体の中で小さい
- 電気工事が受変電設備のみなど、短期間で完了しそうな工種が含まれる
- 一部の工種だけ施工期間が明らかに短いと思われる
- 主工種と付随的な工種が明確に分かれている
差額の原因が見えない場合は質疑で確認してみましょう
工種ごとの工期Tは発注者が設計段階で決定しています。金抜設計書を見ただけでは、どの工種にどのTが設定されているかを外から判断するのは難しいところです。
差額の原因がどうしても見えない場合や、複合工事で工種間の施工期間に差がありそうな場合は、入札前に発注者へ確認しておくと積算精度を高めやすくなります。
質疑での確認文例です。
「金抜設計書の共通費計算における各工種の工期Tを教えてください。」
※本記事はいわき市が公表する金入設計書の活用方法に関する解説です。実際の積算にあたっては最新の発注図書・特記事項をご確認ください。
金入設計書で工期Tを確認する方法
シンプルです。共通仮設費や現場管理費の計算式を見ると、
算定式の中に 「loge」 が含まれています。loge(〇〇)
logeの後の数字が、計算に使用されている 工期 です。

上記例では、工期は3か月と読み取れます。

