【福島県版】積算ソフトもExcelも使わずに積算する方法|金入設計書を活用した積算研究

積算実務コラム

【福島県版】積算ソフトもExcelも使わずに積算する方法

こんな方におすすめの記事です

  • 福島県の公共営繕工事を受注したい方
  • 積算精度を高めたい方
  • 発注者積算を研究したい方
  • 金入設計書を活用した積算手法に興味がある方

目次

  1. 1.積算ソフトも使わず、Excelも使わずに積算する方法はあるのか?
  2. 2.やっていることは単純です
  3. 3.福島県ではこの方法がやりやすい
  4. 4.SEKISAN-PROでも実際に検証してみた
  5. 5.なぜ意外と外れないのか
  6. 6.この方法の注意点
  7. 7.まとめ

1積算ソフトも使わず、Excelも使わずに積算する方法はあるのか?

普通に考えれば無理だと思うかもしれません。公共営繕積算といえば、積算ソフトで積算するのが一般的です。もし積算担当者に「積算ソフトも使わず、Excelも使わずに積算してください」と言ったら、多くの方は困ってしまうのではないでしょうか。

ところがSEKISAN-PROでは、少し変わった検証を行いました。過去の金入設計書だけを利用して積算を行ったところ、次のような結果が得られました。

予定価格がおおむね2,000万円から2,500万円程度の工事において、予定価格との差額が約3万円から10万円程度に収まるケースを確認できました。もちろん案件数は限定的であり、全ての工事に当てはまるとは限りません。

しかし、積算ソフトなし・Excelなし・歩掛計算なし・市場単価確認なしという条件を考えると、非常に興味深い結果ではないでしょうか。では、どのような方法なのでしょうか。

2やっていることは単純です

例えば過去の金入設計書に、

E0-●●●●●●+2 補市 1,890円

と記載されていたとします。そして今回積算しようとしている項目も、同じRIBCコード・同じ執務並行条件・同じ週休2日条件・同じような施工条件であれば、単価をそのまま1,890円で採用します。

歩掛計算は行いません。市場単価も確認しません。補正市場単価の計算もしません。積算ソフトも使用しません。やっていることは非常にシンプルです。過去の発注者積算を利用しているだけです。

3福島県ではこの方法がやりやすい

この方法は全国どこでも実践しやすいわけではありません。福島県だからこそ成立しやすい側面があります。理由は、福島市やいわき市で公開されている金入設計書の内容です。

福島県の公共営繕工事では、RIBCコード・積算根拠・積算条件などを確認できる案件があります。さらに備考欄には、標準・市場・参考・資料・補市・市加・協議・協参・参資・独自などの情報が記載されていることがあります。つまり、単価だけではなく、どのような積算条件でその単価になったのかまで追跡できます。

例えば「E0-●●●●●●+2 補市 執務並行あり 週休2日あり」といった情報が確認できれば、今から積算する案件との比較がしやすくなります。ここが福島県の大きな強みです。

4SEKISAN-PROでも実際に検証してみた

SEKISAN-PROでは、実際にこの方法で検証を行いました。積算ソフトによる単価計算は行わず、過去の金入設計書から同条件のRIBCコードを探し、発注者が採用した単価を利用して工事費を組み立てました。同じRIBCコード・同じような施工条件・同じような補正条件を探し、発注者が採用していた単価をそのまま利用しています。

その結果、予定価格2,000万円から2,500万円規模の工事において、予定価格との差額が約3万円から10万円程度に収まるケースを確認しました。もちろん正式な積算作業を省略しているため、常に同じ結果になるわけではありません。しかし、「積算ソフトなし」「Excelなし」という前提で考えると十分興味深い結果だと思います。

5なぜ意外と外れないのか

理由は簡単です。この方法は、過去の発注者積算を利用しているからです。一般的な積算は、次のような流れになります。

積算基準歩掛単価補正積算結果

一方、この方法は、次のような流れになります。

過去の発注者積算同条件案件を探す採用単価を利用する積算結果

つまり、発注者が以前採用した答えを参考にしているだけです。発注者積算に近付くことを目的とするのであれば、意外と合理的な方法と言えるかもしれません。

考えてみれば当然かもしれません。発注者自身が実際に採用した単価を利用しているのですから、大きくずれること自体が考えにくいのです。この点はSEKISAN-PROとしても、あらためて検証してみて驚いた部分でした。さらに、資材単価が上昇傾向にある局面では、採用単価に10円程度を上乗せして積算すると、より予定価格に近づく可能性もあります。

6この方法の注意点

当然ながら万能ではありません。特に注意したいのは、積算基準改定・労務単価改定です。例えば2026年10月に予定されている新基準へ移行した場合、それ以前の金入設計書は参考価値が下がる可能性があります。ただし、新基準の金入設計書が蓄積されれば、再び研究材料として利用できます。また、労務単価改定後であっても、過去の実績が完全に無価値になるわけではありません。発注者が採用している価格帯を把握する資料として活用できるからです。ただし、2026年10月に予定されている積算基準改定後は、新基準の金入設計書を収集し直す必要があります。特にこの手法は最新の金入設計書ほど価値が高く、情報の鮮度が積算精度に直結します。

7まとめ

積算ソフトも使わず、Excelも使わずに積算する方法はあります。その方法とは、過去の金入設計書を利用することです。

福島県では、福島市・いわき市などで金入設計書が公開されており、RIBCコード・積算根拠・積算条件・採用単価を確認できる案件があります。そのため、同じRIBCコード、同じような施工条件の案件を探し、発注者が過去に採用した単価を利用することが可能です。

もちろん正式な積算手法ではありません。しかし、「発注者が実際に採用した結果を利用する」という意味では、非常に実践的な研究手法です。積算ソフトを見る前に、まず過去の金入設計書を見る。

福島県では、そんな積算の進め方もできるのかもしれません。

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