【令和8年共通費】一般管理費等率はどれだけ増えた?工事原価1,000万円~5,000万円で新旧比較

一般管理費等率はどれだけ増えた?工事原価1,000万円~5,000万円で新旧比較

令和8年の公共建築工事積算基準改定により、一般管理費等率の算定式が見直されました。これまで建築・電気設備・機械設備で別々だった算定式が全工種共通に一本化され、全工種で率が上昇しています。実際に試算すると、工事原価5,000万円の場合は建築工事で約82万円、電気設備工事で約116万円、機械設備工事で約138万円の増加となりました。本記事では、令和8年改定の内容と工事原価1,000万円〜5,000万円における一般管理費等の新旧比較を解説します。

一般管理費等率改定でいくら増える?工事原価別に試算

まずは差額だけを一覧で確認します。

工事原価 建築 電気設備 機械設備
1,000万円 +19.4万円 +24.9万円 +31.4万円
2,000万円 +36.4万円 +48.2万円 +59.6万円
3,000万円 +52.5万円 +71.1万円 +86.7万円
5,000万円 +82.5万円 +115.5万円 +138.0万円

改定前は電気設備・機械設備の一般管理費等率が建築より低く設定されていたため、今回の一本化によって設備工事の増額幅が大きくなっています。特に工事原価5,000万円の機械設備工事では約138万円の増額となります。

増額幅の目安
  • 工事原価1,000万円:約20〜31万円増
  • 工事原価3,000万円:約53〜87万円増
  • 工事原価5,000万円:約83〜138万円増

改定の概要:算定式が一本化された

令和8年3月11日の改定により、公共建築工事共通費積算基準の一般管理費等率が見直されました。改定前は別表-15(建築工事)・別表-16(電気設備工事)・別表-17(機械設備工事・昇降機設備工事)の3本立てでしたが、改定後は別表-15の1本に統一されています。

適用対象は令和8年4月1日以降に入札手続を開始する工事です。

一般管理費等は工事原価(純工事費+共通仮設費+現場管理費)を基礎として算定します。請負金額ベースの数字とは異なります。

新旧の算定式

改定後(全工種共通)

Gp = 32.597 − 3.591 × log10(Cp) Gp:一般管理費等率(%) Cp:工事原価(千円)
適用範囲:工事原価300万円超〜30億円以下 下限:300万円以下20.11% 上限:30億円超9.34%

改定前(工種別3本立て)

工種 算定式 下限
建築 Gp = 28.978 − 3.173 × log10(Cp) 500万円以下:17.24%
電気設備 Gp = 29.102 − 3.340 × log10(Cp) 300万円以下:17.49%
機械・昇降機 Gp = 27.283 − 3.049 × log10(Cp) 300万円以下:16.68%

工事原価別の新旧比較

工事原価 1,000万円の場合

工種旧率旧額新率新額差額
建築16.29%162.9万円18.23%182.3万円+19.4万円
電気15.74%157.4万円18.23%182.3万円+24.9万円
機械15.09%150.9万円18.23%182.3万円+31.4万円

工事原価 2,000万円の場合

工種旧率旧額新率新額差額
建築15.33%306.6万円17.15%343.0万円+36.4万円
電気14.74%294.8万円17.15%343.0万円+48.2万円
機械14.17%283.4万円17.15%343.0万円+59.6万円

工事原価 3,000万円の場合

工種旧率旧額新率新額差額
建築14.77%443.1万円16.52%495.6万円+52.5万円
電気14.15%424.5万円16.52%495.6万円+71.1万円
機械13.63%408.9万円16.52%495.6万円+86.7万円

工事原価 5,000万円の場合

工種旧率旧額新率新額差額
建築14.07%703.5万円15.72%786.0万円+82.5万円
電気13.41%670.5万円15.72%786.0万円+115.5万円
機械12.96%648.0万円15.72%786.0万円+138.0万円

積算担当者が押さえておきたいポイント

今回の改定で最も影響を受けるのは電気設備工事と機械設備工事です。工事原価が大きくなるほど差額も拡大し、3,000万円規模で50〜87万円、5,000万円規模で82〜138万円の増加となります。

過去案件と比較する際や、予定価格の傾向を分析する際は、一般管理費等率の改定を考慮しないと正しい比較ができません。特に設備工事の案件を扱う場合は注意が必要です。

まとめ

まとめ
  • 令和8年改定で一般管理費等率の算定式が全工種共通の1本に統一された
  • 建築工事で約20〜82万円増、電気設備で約25〜116万円増、機械設備で約31〜138万円増(工事原価1,000〜5,000万円の範囲)
  • 改定前に率が低かった電気・機械設備工事ほど増額幅が大きい
  • 工事原価5,000万円の機械設備工事では差額が約138万円に達する
  • 適用は令和8年4月1日以降に入札手続を開始する工事から

よくある質問

一般管理費等率の改定はいつから適用されますか?
令和8年4月1日以降に入札手続を開始する公共建築工事から適用されます。
一般管理費等は何を基準に計算しますか?
一般管理費等は請負金額ではなく、工事原価(純工事費+共通仮設費+現場管理費)を基礎として算定します。
今回の改定で最も影響が大きい工種は?
電気設備工事と機械設備工事です。従来の一般管理費等率が建築工事より低かったため、一本化による増額効果が大きくなっています。
出典:公共建築工事共通費積算基準(令和8年3月11日国営積第16号最終改定)/ 一次資料:国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事積算基準等資料(令和8年改定)」新旧対照表 | SEKISAN-PRO

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