【令和8年】複合単価・市場単価・単位施工単価の違いとは?積算担当者向けにわかりやすく解説

複合単価・市場単価・単位施工単価の違い

積算担当の皆様、お疲れ様です!

公共建築工事の積算をしていると、必ず出てくる3つの単価があります。複合単価・市場単価・単位施工単価です。

「なんとなく使っているけど、違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、公共建築工事標準単価積算基準(令和7年12月改定・令和8年度適用)をもとに、この3つの違いをわかりやすく整理します。

公共建築工事の積算では、「複合単価・市場単価・単位施工単価」の違いを理解しておくことが重要です。単価の考え方を理解していないと、積算根拠の説明や設計変更時の対応で苦労することがあります。

この記事でわかること

  • 複合単価・市場単価・単位施工単価それぞれの定義
  • 3つの単価の「作られ方」の違い
  • どの場面でどの単価を使うかの判断基準

1. まず「単価の種類」を整理しよう

公共建築工事標準単価積算基準(令和7年12月改定・令和8年度適用)の第1編「総則」には、積算で使う単価の種類が明記されています。

大きく分けると次の4種類です。

単価の種類 一言で言うと 根拠
複合単価 歩掛りから積み上げて計算する単価 標準歩掛り表
市場単価 実際の取引価格を調査した単価 物価資料
単位施工単価 複合単価と市場調査を組み合わせた単価 ベース単価+シフト単価
その他の単価 見積価格等を参考に定める単価 製造業者等の見積り

2. 複合単価とは

複合単価は、材料・労務・機械器具・諸経費などの各要素を「歩掛り」で積み上げて計算する単価です。

基準では次のように定義されています。

基準より(第1編 総則)

複合単価は、材料、労務、機械器具、専門工事業者等の諸経費等の各要素と単位施工当たりに必要とされる数量(所要量)から構成される歩掛りに、各種単価等を乗じて算定する。

要するに、こういう計算をします。

複合単価の計算イメージ

材料単価 × 材料の所要量

+ 労務単価 × 労務の所要量

+ 機械器具費 × 機械の所要量

+ 専門工事業者等の諸経費

= 複合単価(1単位当たりの施工費)

材料単価は物価資料、労務単価は「公共工事設計労務単価」を使います。歩掛り表は第2編〜第4編に工種ごとに掲載されています。

3. 市場単価とは

市場単価は、元請業者と下請の専門工事業者間の取引を調査した結果に基づく単価です。

基準より(第1編 総則)

市場単価は、元請業者と下請の専門工事業者間の取引についての調査結果に基づく、単位施工当たりの価格であり、材料費、労務費、機械器具費等(専門工事業者の諸経費を含む。)によって構成される。

複合単価が「計算で積み上げる」のに対して、市場単価は「実際の取引実態を調査して決める」点が大きな違いです。

市場単価の特徴

  • 材料費・労務費・諸経費がすべて込みの「パッケージ価格」
  • 物価資料(建設物価・積算資料など)に掲載されている
  • 電気設備の電線管や配管など、取引が多い工種に適用されることが多い
  • 掲載都市以外は近隣都市の単価を準用できる

市場単価の大きなメリットは、個別に材料・労務を拾わなくていい点です。ただし、内訳が見えにくくなる面もあります。

4. 単位施工単価とは

単位施工単価は、複合単価の積み上げ方式と市場取引調査結果を組み合わせて算定する単価です。

基準より(第1編 総則)

単位施工単価は、複合単価の算定方法と元請業者と下請の専門工事業者間の取引についての調査結果を組み合わせることにより求められる価格であり、市場における取引実態を反映しつつも、単位施工当たりに必要とされる標準的な材料費、労務費等の内訳を把握できるようにした単価である。

単位施工単価には「ベース単価」と「シフト単価」の2種類があります。

ベース単価

細目工種を代表する規格・仕様について、複合単価の算定方法で求めた単価。工事場所の材料単価・労務単価を使って算定するのが基本。

シフト単価

ベース単価以外の規格・仕様について、市場調査結果を使ってベース単価から調整した単価。物価資料の掲載価格が基本。

つまり単位施工単価は、内訳の把握ができる積み上げ方式の利点を持ちながら、市場の取引実態も反映させた単価です。

5. 3つの単価の使い分けまとめ

実務では、工種ごとにどの単価を使うかが基準で決まっています。各編の「一般事項」に必ず記載されているので確認しましょう。

単価の種類 内訳の把握 市場実態の反映 主な適用場面
複合単価 仮設・土工・コンクリート等
市場単価 配管・ダクト等
単位施工単価 鉄筋・ガス圧接・型枠・絶縁ケーブル等

実務のポイント

どの単価を使うかは、各編・各節の冒頭「一般事項」に「○○の細目工種は標準歩掛りを適用する」「○○の細目工種は市場単価を適用する」と明記されています。積算前に必ず確認しましょう。

まとめ

  • 複合単価:歩掛りから積み上げる。材料・労務・機械器具・諸経費を個別に計算。
  • 市場単価:取引調査に基づくパッケージ価格。内訳は見えにくいが手間が省ける。
  • 単位施工単価:複合単価の積み上げ方式と市場調査結果の組み合わせ。内訳も把握でき市場実態も反映。
  • どれを使うかは各節の「一般事項」で必ず確認する。

3つの単価の違いを理解すると、「なぜこの数字になるのか」を説明できるようになります。積算の精度も信頼性も上がりますので、ぜひ基準書の総則を一度じっくり読んでみましょう!

出典:公共建築工事標準単価積算基準(令和7年12月改定・令和8年度適用)第1編 総則 / 国土交通省大臣官房官庁営繕部

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