福島県の公共積算|積算に入る前に確認したい金抜設計書のチェックポイントまとめ

金抜設計書を見たとき、すぐに積算ソフトを開いていませんか。

私も以前はそうしていましたが、設計書全体を把握しないまま積算を始めると、途中で設定のやり直しや確認作業が発生しやすくなります。

特に公共営繕工事では、工種区分・RIBCコード・前払率・率対象外項目など、最初に確認しておくだけで防げるミスも少なくありません。

この記事では、積算ソフトを開く前に金抜設計書をざっと確認し、工事の全体像を把握するためのポイントをまとめました。

この記事で確認できること
  • 設計書を受け取ったらまず何を見るか
  • 備考欄のRIBCコードが示す5つの情報
  • 工種(建新・建改・電新・電改・機新・機改)の見分け方
  • 統括情報表(前払率・契約保証・工期)の読み方
  • 積算ソフトを開く前に決めておくべき設定事項

設計書を受け取ったらまず表紙を見る

金抜設計書の表紙または最初のページには、工事の基本情報が記載されています。まずここで次の3点を確認します。

  • 工事種別:建築工事なのか、電気設備工事なのか、機械設備工事なのか、あるいは複合(建築+電気など)なのか
  • 新営か改修か:新しく建てる工事(新営)か、既存建物を直す工事(改修・改修工事)か
  • 工期:工事期間が何か月か(後で積算ソフトに入力する)

この3点は積算ソフトの設定に直接影響します。「建築工事・改修・工期8か月」といった基本情報を最初にメモしておくと、後の設定作業がスムーズになります。

統括情報表で経費設定の前提を確認する

設計書には「統括情報表」と呼ばれるページ(発注機関によって名称が異なる場合があります)があり、共通費の計算に使う設定情報が記載されています。積算を始める前に、ここで次の項目を確認します。

前払率

前払率とは、工事代金のうち着工前に受け取れる割合のことです。この数値が一般管理費等の補正係数に影響します。

前払率一般管理費等補正係数
0〜5%1.05
6〜15%1.04
16〜25%1.03
26〜35%1.01
36%以上1.00

前払率が高いほど補正係数は小さくなります。設計書または入札説明書に記載されていますが、記載がない場合は発注者に確認してください。

契約保証の種類

契約保証には大きく「金銭的補償」と「役務的保証」の2種類があり、種類によって一般管理費等の補正値が異なります。

  • 金銭的補償:+0.04%
  • 役務的保証:+0.09%

どちらが適用されるかは発注者に確認が必要です。分からないまま積算を進めると後で修正が必要になります。

工種(建新・建改・電新・電改・機新・機改)

共通費の計算には「工種区分」が必要です。設計書の表題部や単位欄に記された記号を確認します。

記号意味
建新建築工事・新営
建改建築工事・改修
電新電気設備工事・新営
電改電気設備工事・改修
機新機械設備工事・新営
機改機械設備工事・改修
「建新」と「建改」の取り違えに注意

新営と改修では共通費の計算式が変わります。設計書のタイトルに「改修」「改修工事」とあれば「建改」「電改」「機改」です。見た目が似ているため、特に複合工事では取り違えが起きやすい項目です。

備考欄のRIBCコードを全ページ確認する

金抜設計書の各ページには、項目ごとに「備考欄」があります。ここに印字されているのがRIBCコードです。RIBCコードは見た目は記号の羅列ですが、積算上の設定を決める重要な情報が5つ含まれています。

RIBCコードに含まれる5つの情報
記号意味確認ポイント
B / E / M工事種別(建築/電気設備/機械設備)設計書の工種と一致しているか
B・C(末尾)B=撤去再設置、C=撤去のみ付いている項目をすべて書き出す
+ / -+=執務並行、-=全館無人混在がないか確認する
0 / 月 / 2週休2日補正(0=なし、月・2=あり)補正ありの項目を把握する
基準書略称標準・市場・参考・補市・市加など※付きは内容を精査する

全ページのRIBCコードを一度ざっと見渡して、上の5点を把握しておくと、積算ソフトの設定作業がスムーズになります。

+と-の混在を最初に確認する

執務並行(+)と全館無人(-)は、適用する乗率が異なります。工事種別ごとに、+と-がひとつの設計書に混在する場合があります。積算前に確認しましょう。混在している場合は、工種ごとに設定を分けて経費計算を行う必要があります。

B(撤去再設置)・C(撤去のみ)を書き出す

B記号が付いた項目は、撤去歩掛(0.3〜0.4)と新設歩掛の両方を計上します。C記号が付いた項目は撤去専用歩掛のみです。最初に「Bが付く項目の一覧」「Cが付く項目の一覧」を作っておくと、後の積算作業で計上漏れを防ぎやすくなります。

福島県独自コード(B1・E1・M1)

通常は工事種別記号の末尾が「0」(B0・E0・M0)ですが、「1」になっているもの(B1・E1・M1)は福島県が独自に設定した単価です。材料単価のみで歩掛は別途必要になる場合があるため、建築関係事業単価表と照合して確認してください。

率対象外項目と有価物を見つけておく

設計書の中には、共通費(共通仮設費・現場管理費・一般管理費等)の率計算のベースに含めない「率対象外項目」があります。これを最初に把握しておかないと、経費が過大に計算されます。

代表的な率対象外項目は次のとおりです。

  • 産業廃棄物処分費・ナゲット処分費
  • ラフテレーンクレーン(賃料)
  • 役務費・支給品費・補償費
  • 申請手数料・加入金・システム費・保険料・保証費
  • 仮囲い・工事用道路・歩道構台・交通誘導警備員・除雪 など

また、設計書にスクラップ(有価物)がマイナスで計上されている場合があります。これも率対象外ですが、設計書にすでにマイナス計上済みの場合があるため、積算ソフトで二重控除にならないよう確認が必要です。

共通仮設費(積上)ページの有無も確認する

「共通仮設費(積上)」のページがある場合は、率計算とは別に積上計算が含まれています。見落としやすいページのため、最初に存在の有無を確認しておきましょう。

備考欄の文言でわかる計上方法の違い

各項目の備考欄には「材料」「手間のみ」「材工共」などの文言が書かれていることがあります。この文言によって計上方法が変わります。

備考欄の文言計上方法
材料(または材料のみ)材料単価のみ計上。歩掛は計上しない
手間のみ歩掛のみ計上。材料単価は削除する
材工共材料・労務の両方を計上する
撤去仮設置・撤去再取付・取外し再取付撤去歩掛+新設歩掛の両方を計上する

全ページを確認するのは大変ですが、最初に「備考欄に特別な文言がある項目」をまとめてリストアップしておくと、積算作業中の確認がしやすくなります。

積算ソフトを開く前に決めておくこと

設計書の確認が終わったら、積算ソフトを開く前に次の項目を手元にそろえておきます。これらは積算ソフトの初期設定や経費計算に使う情報です。

  1. 工事種別と新営・改修の区別(建新・建改・電新・電改・機新・機改)
  2. 工期(月数)(共通仮設費率の計算に使用)
  3. 前払率(一般管理費等補正係数に影響)
  4. 契約保証の種類(金銭的補償か役務的保証か、不明なら発注者に確認)
  5. 執務並行(+)・全館無人(-)の有無と対象工種
  6. 率対象外項目の一覧
  7. 質疑応答書の内容(変更や追加指示があれば反映が必要)
  8. 会津地方の場合は市場単価の適用地区(新潟 or 仙台。不明なら発注者に確認)

これらが手元にそろった状態で積算ソフトを開くと、設定のやり直しや確認のための行き来が少なくなります。

まとめ

金抜設計書を見たら、積算ソフトを開く前にまず次の項目を確認しましょう。

  • 工事種別
  • 新営か改修か
  • 工期
  • 前払率
  • 契約保証
  • RIBCコード(+と-の混在・B/C記号・B1/E1/M1)
  • 率対象外項目

私は積算ソフトを開く前に設計書を5〜10分ほど眺めて全体像を把握するようにしています。

遠回りに見えますが、このひと手間で設定ミスや確認漏れを減らしやすくなると思います。

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