【福島県】補正市場単価の算出って、市場単価に改修補正率を掛けるのではないの?
補正市場単価について調べていると、
「補正市場単価って、市場単価に改修補正率(単純に1.08や1.1など)を掛けたものではないの?」
と思うことがあります。実際、積算実務では補正市場単価や改修補正率、少量割増など、さまざまな補正を使うため混同しやすいところです。に改修工事では、最終的な単価に改修補正率を掛ける場面もあるため、「補正市場単価=市場単価×改修補正率」のように理解してしまうのも無理はありません。
しかし実際には、補正市場単価と改修補正率は目的が異なります。
補正市場単価は「掲載されていない仕様の単価を作るため」のものであり、改修補正率は「改修工事特有の施工条件を反映するため」のものです。
今回は、補正市場単価・改修補正率・少量割増の違いを整理しながら、市場単価から最終的な単価が決まるまでの流れをシンプルに確認してみます。
市場単価を使った積算では、単価に複数の補正を重ねるケースがあります。「補正市場単価」と「改修補正率」は名称が似ているため混同されがちですが、目的も適用するタイミングも異なります。本記事では、市場単価から最終適用単価が決まるまでの流れを3段階に整理します。
※ 以下は市場単価方式を使用する工事での代表的なイメージです。工種によってはすべての補正が適用されるわけではありません。
- 仕様の補正(補正市場単価):型枠の種類・施工場所など「仕様の差」を補正する
- 環境の補正(改修補正率):居ながら施工(執務並行)による「施工条件の差」を補正する
- 数量の補正(少量割増):100㎡以下など「小規模施工の手間の差」を補正する
単価ができるまでの3段階
物価資料に掲載されていない規格(例:打放し型枠・地下5m)を積算する場合、掲載されている類似単価に補正係数を掛けて単価そのものを新しく作ります。この操作で出来上がるのが「補正市場単価」です。
この段階では、改修や小規模施工の要素はまだ含まれていません。
STEP 1で作った補正市場単価を、建物内に職員や利用者がいる状態(執務並行)で施工する場合、作業制限や安全配慮による効率低下分を改修補正率として掛けます。
施工数量が少量(例:100㎡以下)の場合、片付けや段取りの割合が大きくなるため、小規模補正の割増係数をさらに重ねて掛けます。
数字で確認するシミュレーション
ベース単価を 10,000円/㎡ として、3つのステップでどう変化するかを確認します(補正係数の値はあくまで例示です)。
| ステップ | 補正の内容 | 計算式 | 算出金額 |
|---|---|---|---|
| ベース | 類似の市場単価 | ― | 10,000円/㎡ |
| STEP 1 | 仕様差補正(係数 1.035) | 10,000 × 1.035 | 10,350円/㎡ (= 補正市場単価) |
| STEP 2 | 執務並行補正(改修補正率 1.08) | 10,350 × 1.08 | 11,178円/㎡ |
| STEP 3 | 少量割増補正(係数 1.30) | 11,178 × 1.30 | 14,531円/㎡ |
「補正市場単価」はあくまで仕様(モノ)の差を補正した単価です。改修工事や小規模施工に適用する場合は、その後に「改修補正率」や「少量割増」を正しい順番で掛けているかを確認してください。
まとめ
補正市場単価・改修補正率・少量割増の3つは、それぞれ異なる目的で単価を補正するものです。名称が似ているために混同しやすい部分ですが、何の理由で補正するのかを意識することで、適用もれや二重補正を防ぐことができます。
