歩掛とは?公共工事の積算担当者向けにわかりやすく解説

歩掛とは?公共工事の積算担当者向けにわかりやすく解説

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歩掛とは?
公共工事の積算担当者向けにわかりやすく解説

積算基準を開くと必ず出てくる「歩掛」。その意味・使い方・実際の計算例を初心者向けに解説します。

こんな方向けの記事です

  • 「歩掛」という言葉の意味がわからない方
  • 積算基準を開いてみたが読み方がわからない方
  • 歩掛と単価の関係が理解できていない方

積算を勉強し始めると、必ずといっていいほど出てくる言葉が「歩掛(ぶっかけ)」です。積算基準にも、設計書の代価表にも、歩掛は登場します。

この記事では、歩掛の意味・使い方・実際の代価表を使った計算例をわかりやすく解説します。

歩掛とは

歩掛とは、「この工事をするために、どれくらい人手や材料がかかるかを示した数値」のことです。

たとえば、

  • 照明器具1台を取り付けるのに必要な電工の手間
  • 配管1mを施工するのに必要な材料の量

このような「作業1単位あたりに必要な量」を数値で定めたものが歩掛です。

歩掛とは、1単位の工事を施工するために必要な労務・材料・機械の量を定めた基準値です。公共工事の積算では、この歩掛に単価をかけて工事費を計算します。

人工(にんく)とは

歩掛を読むうえで欠かせない単位が「人工(にんく)」です。

1人工とは、1人が1日(8時間)働く量のことです。0.5人工なら半日、0.25人工なら約2時間の作業量を意味します。代価表にはこのような小数の人工が登場します。

なぜ歩掛が重要なのか

公共工事の積算では、歩掛が分からなければ工事費を計算できません。発注者の予定価格を推定するためには、発注者がどの歩掛を採用して積算しているかを理解することが重要です。

歩掛を使った計算の基本

積算における基本の計算式は次のとおりです。

複合単価 = 歩掛 × 単価 (複数の労務・材料・機械を合算したものが複合単価になります)

この複合単価に数量をかけると、その工種の工事費が算出できます。

工種の工事費 = 複合単価 × 数量 (数量は金抜設計書に記載されています)

具体的な計算例(LED照明器具 LSS9-4-30LN・令和7年度)

電気設備工事の代価表を例に、歩掛から複合単価が算出される流れを示します。

名称 数量 単位 乗率 単価 金額
LED照明器具 LSS9-4-30LN 1 1 10,885円 10,885円
電工 0.178 1.2 30,192円 6,449円
雑材料 5 % 1 10,885円 544円
その他 1 0.26 6,449円 1,677円
複合単価(合計・端数処理後) 19,600円/個

電工の乗率「1.2」は執務並行改修工事における補正です。歩掛(0.178人)にこの乗率をかけることで、通常より手間がかかる条件が単価に反映されます。

雑材料(5%)・その他(0.26式)は、器具取付に伴う消耗材・細かな付帯作業を一括で計上するもので、それぞれ材料費・労務費の一定率として設定されています。

注意:この計算例は令和7年度の単価を使用しています。福島県では令和8年10月15日以降に積算基準が改定される予定です。単価は適用日ごとに改定されますので、実際の積算では金抜設計書に記載された単価適用日の事業単価表を必ず参照してください。

歩掛はどこで確認するのか

公共建築工事標準単価積算基準

建築・電気・機械設備工事の主な歩掛は、国土交通省が公表する「公共建築工事標準単価積算基準」に収録されています。工種ごとに労務・材料・機械の歩掛が一覧になっています。

公共建築工事標準単価積算基準(国土交通省)

補足:積算基準は上記以外にも複数あります。各基準の違いと使い分けについては、別記事で詳しく解説する予定です。

初心者が歩掛でつまずくポイント

歩掛の単位がまちまちで混乱する

金抜設計書の数量の単位と積算基準の歩掛の単位が一致しているかを必ず確認してください。歩掛の単位は工種によって異なります(m・m²・m³・箇所・台・式など)。

材料の歩掛に「ロス率」が含まれている

材料の歩掛には、施工中の切り捨てや損耗分(ロス)が見込まれている場合があります。一方、代価表に計上される雑材料は、ビス・端子・結束材など取付に伴う細かな材料を一定率で見込んでいるものです。どちらも「材料費の一部」ですが、意味が異なります。

歩掛と積算全体のつながり

歩掛は積算の出発点ですが、工事費の計算はこれだけでは完結しません。各工種の工事費を合計した「純工事費」に対して、さらに共通仮設費・現場管理費・一般管理費等を加算して最終的な工事費が算出されます。

歩掛の意味が理解できると、金抜設計書の読み方・代価表の作り方・共通費の計算へと学習を進めやすくなります。また、歩掛と単価をかけ合わせた結果が「複合単価」であり、単位施工単価と複合単価の違いを学ぶ際にも、歩掛の理解が土台になります。

この記事のまとめ

  • 歩掛とは、1単位の工事に必要な労務・材料・機械の量を定めた基準値
  • 「複合単価 = 歩掛 × 単価」が積算計算の基本
  • 公共工事の歩掛は国交省の積算基準に収録されており、原則としてその値を使用する
  • 単位・ロス率・人工の意味を理解することが、歩掛読解の第一歩
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