物価本とは?公共工事の積算担当者向けにわかりやすく解説
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物価本とは?
公共工事の積算担当者向けにわかりやすく解説
「歩掛に単価をかける」というけれど、その単価はどこから来るのか。積算の土台となる「物価本」を初心者向けに解説します。
こんな方向けの記事です
- 歩掛はわかったが、単価の根拠がわからない方
- 「物価本」「建設物価」「積算資料」という言葉を初めて聞いた方
- 材料単価がどのように決まっているか知りたい方
歩掛の記事で「電工0.178人 × 単価30,192円」という計算例を紹介しました。ここで疑問に思うのが、「その単価はどこから来るのか」です。
答えは、「物価本」と呼ばれる資料です。この記事では、物価本の意味と、公共工事の積算でどう使われているかを解説します。
物価本とは
物価本とは、建設資材や仮設材などの価格を毎月調査してまとめた専門の刊行物のことです。積算実務では「物価資料」とも呼ばれます。
公共工事の材料単価は、物価本に掲載された価格をもとに決められています。
公共工事の積算基準では、材料単価を「積算時の最新の現場渡し価格」とし、物価資料の掲載価格を参照することが定められています。歩掛に掛け合わせる単価の多くは、この物価本から来ています。
物価本には2種類ある
公共工事の積算で使われる物価本は、主に次の2誌です。
| 誌名 | 発行元 |
|---|---|
| 建設物価 | 一般財団法人 建設物価調査会 |
| 積算資料 | 一般財団法人 経済調査会 |
この2誌は発行元が異なる別々の調査機関で、同じ資材でも掲載されている価格が完全には一致しません。
なぜ2誌の平均値を使うのか
国土交通省が定める「公共建築工事積算基準等資料」には、材料単価・仮設材費について次のように定められています。
材料単価及び仮設材費は、積算資料(経済調査会発行)、建設物価(建設物価調査会発行)等の価格の平均値を採用する。
1誌だけの価格に頼らず2誌の平均値を採用することで、単価の偏りを抑えるしくみになっています。公共建築工事積算基準等資料(国土交通省・令和8年改定)
また、市場単価(建築工事市場単価)についても、経済調査会の「建築施工単価」と建設物価調査会の「建築コスト情報」に掲載された価格の平均値を採用することが同資料に定められています。
労務単価は物価本ではない
歩掛の記事で紹介した「電工 30,192円」のような労務単価は、物価本からは来ていません。
労務単価には、農林水産省・国土交通省が毎年公表する「公共工事設計労務単価」が使用されます。電工・配管工・普通作業員など職種ごと、都道府県ごとに単価が定められており、毎年3月に改定されます。
材料単価 → 建設物価・積算資料などの物価本
労務単価 → 公共工事設計労務単価(国土交通省・農林水産省が公表)
積算では、単価の種類によって参照する資料が異なります。この区別は積算を進めるうえで最初に押さえておきたいポイントです。
物価本に掲載されていない資材はどうするか
すべての資材が物価本に掲載されているわけではありません。公共建築工事標準単価積算基準では、物価本に掲載価格がない場合について次のように定めています。
物価本に掲載されていない単価及び価格は、専門工事業者等の諸経費を考慮のうえ、製造業者・専門工事業者の見積価格等を参考として定める。
補足:本記事で紹介した2誌平均の取り扱いは、国土交通省が定める全国共通の基準に基づくものです。福島県での具体的な運用については、別記事で詳しく解説する予定です。
この記事のまとめ
- 物価本とは、建設資材や仮設材の価格を毎月調査してまとめた専門の刊行物
- 公共工事では主に「建設物価」「積算資料」の2誌が使われる
- 材料単価・市場単価は、2誌の平均値を採用することが国の基準で定められている
- 物価本に掲載がない資材は、専門工事業者等の見積価格を参考に単価を定める
- 労務単価は物価本ではなく「公共工事設計労務単価」(国・都道府県が毎年公表)を使用する

