【積算初心者シリーズ③】歩掛とは?積算ソフトが工事費を計算する仕組みを解説
積算担当者の皆様、お疲れ様です!
積算ソフトにRIBCコードを入力すると工事費が計算されます。しかし、積算ソフトは何を根拠に金額を計算しているのでしょうか。
その仕組みを理解するうえで欠かせないのが「歩掛(ぶがかり)」です。この記事では、歩掛の基本から工事価格ができるまでの流れを初心者向けに解説します。
こんな方にぴったりの記事です
- 積算ソフトがどうやって金額を計算しているか知りたい
- 「歩掛」という言葉を聞いたことがあるけど意味がわからない
- 歩掛と単価の違いがよくわからない
- 歩掛とは「ある工事に必要な材料・労務・機械の標準的な使用量」のこと
- 積算ソフトは歩掛をもとに直接工事費を計算している
- 直接工事費に共通費を加えて工事価格が決まる
歩掛を一言で言うと、工事に必要なレシピです。
料理のレシピが「この料理に必要な材料と分量」を示すように、歩掛は「この工事に必要な材料・労務・機械の量」を示したものです。
- LED照明器具 LSS9-4-30LN 1個 10,885円 ←材料単価(値)
- 電工 0.178人 ←歩掛
- 雑材料 5% ←歩掛
- その他 0.26式 ←歩掛
材料(LED照明器具本体)は「値」として単価がそのまま入ります。歩掛とは電工・雑材料・その他率の3つのことで、「この工事にどれだけの手間・材料・経費がかかるか」を示した基準です。
積算ソフトは「魔法の箱」ではありません。登録されている歩掛を使って、以下の流れで計算しているだけです。
コードを入力するだけで金額が出てくるように見えますが、裏側ではこの流れが動いています。
初心者が最も混乱するポイントがここです。歩掛と単価はまったく別のものです。
歩掛は「どれだけの手間・経費がかかるか」という数量の基準です。単価は別に設定されており、この2つが掛け合わさって初めて金額になります。
歩掛(必要な数量) × 単価(値段) = 金額
歩掛は「どれだけ必要か」、単価は「いくらか」です。この2つが揃って初めて金額が計算できます。
積算ソフトは、工事項目ごとに「歩掛×単価」を計算し、その金額を積み上げていきます。この合計が直接工事費です。
直接工事費は、工事に直接かかる費用(材料費・労務費・機械経費)の合計です。共通仮設費・現場管理費・一般管理費等はここに含まれません。
ここが公共工事積算の特徴です。直接工事費を求めたあと、さらに以下の費用を計算します。
- 共通仮設費
- 現場管理費
- 一般管理費等
これらをまとめて共通費と呼びます。直接工事費に共通費を加えることで、はじめて工事価格が決まります。
ここまでの流れをまとめると、工事価格は以下のように決まります。
積算担当者の仕事は、この流れが正しく計算されるように積算ソフトへ入力することです。入力する条件(統括情報表の設定や適用基準書)が変わると、共通費の金額も変わります。
積算ソフトを使うだけなら、歩掛を知らなくても入力はできます。しかし、
- なぜその金額になるのか
- なぜ設計書と自分の積算結果が違うのか
を理解することはできません。
「設計書と金額が合わない」というトラブルの多くは、歩掛や単価の設定ミスが原因です。歩掛の考え方を理解しておくと、トラブルの原因を素早く特定できるようになります。
積算担当者として成長するには、単価だけでなく歩掛の考え方も理解することが重要です。
- 歩掛は工事に必要な材料・労務・機械の基準量(工事のレシピ)
- 積算ソフトはRIBCコードから歩掛を呼び出して計算している
- 歩掛×単価で工事項目ごとの金額を算出し、積み上げたものが直接工事費
- 直接工事費に共通費を加えて工事価格が決まる
- 歩掛を理解すると「なぜその金額になるのか」が説明できるようになる
歩掛の仕組みが分かると、積算ソフトの動きが手に取るように理解できるようになります。ぜひ実際の設計書と照らし合わせながら確認してみてください!

