積算はExcelでできるのか?実務経験から考えてみる
積算実務コラム
積算はExcelでできるのか?実務経験から考えてみる
こんな方におすすめの記事です
- 今も自社Excelで積算を続けている、または続けていた会社の方
- 積算ソフトとExcel、どちらが精度が高いのか気になる方
- 積算という作業が実際にどのような工程で成り立っているか知りたい方
目次
- 1.結論:Excelでも積算は可能
- 2.積算は単価を入力して終わりではない
- 3.1項目に30分程度かかることもある
- 4.当時はExcelの方が精度が高いケースもあった
- 5.Excelを使っていたのではなく、Excel上に積算ソフトを作っていた
- 6.最大の課題はメンテナンス
- 7.まとめ
1結論:Excelでも積算は可能
積算ソフトが普及した現在でも、「うちはまだExcelで積算している」という会社は存在します。特に15年から20年以上前に積算用Excelを構築した会社では、当時作り上げたシステムを改修しながら現在も運用しているケースがあります。
2積算は単価を入力して終わりではない
積算とは、数量に単価を掛けるだけの作業ではありません。公共営繕積算では、まず単価を確認し、その後に積算基準を確認しながら適用条件を判断していきます。1つの工事項目を積算する場合でも、次のような流れになります。
- 物価本で単価を確認する
- 歩掛を確認する
- 積算基準の注意事項を確認する
- 特殊条件の有無を確認する
- 週休2日補正を確認する
- 執務並行改修の適用有無を確認する
- 金額を算出する
積算担当者は計算しているのではなく、積算基準を読み解いていると言った方が実態に近いかもしれません。
まず物価本を確認する
最初に確認するのは単価です。標準単価や市場単価の対象であればそれらを確認し、物価資料に掲載されている単価を採用する場合もあります。15年から20年以上前は物価資料の更新も現在ほど頻繁ではなく、年4回程度の改定が一般的でした。そのため、単価データの管理は現在よりも比較的行いやすい環境でした。
次に歩掛を確認する
単価を確認した後は歩掛を確認します。歩掛を見ればすぐ積算できるように思えますが、実際はそう簡単ではありません。積算基準には適用条件・備考欄・注意事項が記載されており、場合によっては別歩掛を適用する、割増しを行う、特定条件のみ適用する、といった取り扱いが必要になります。積算担当者は基準書を確認しながら、その工事に適用できるかどうかを判断しています。
特殊条件を積算基準から読み解く
公共営繕積算で最も重要なのは、この部分かもしれません。積算基準の本文だけでなく、備考・注記・適用条件まで読み込む必要があります。「この条件では適用しない」「この場合は補正係数を乗じる」「この場合は別の扱いとする」という記載があることも珍しくなく、積算担当者は計算式を覚えているのではなく、積算基準を正しく解釈する能力が求められます。
週休2日補正や執務並行改修も確認する
現在話題になることが多い週休2日補正や執務並行改修ですが、こうした確認作業は昔から存在していました。工事項目ごとに補正の対象になるのか、対象外なのか、どの係数を採用するのかを確認しながら積算を進めます。積算担当者は条件を一つひとつ確認しながら積み上げていくため、実際の業務は非常に地道です。
31項目に30分程度かかることもある
工事に携わっていても、積算実務を担当したことがない方からすると驚かれるかもしれません。しかし実務では、単価確認・歩掛確認・特殊条件確認・補正条件確認・計算確認などを行うため、1つの工事項目に30分程度かかることもあります。特に設計変更案件や条件の多い案件では、計算より確認作業に時間がかかることがほとんどです。
4当時はExcelの方が精度が高いケースもあった
現在では積算ソフトが主流です。しかし15年から20年以上前は状況が少し違いました。当時の営繕積算ソフトは、現在ほど完成度が高くありませんでした。もちろん便利なソフトは存在しましたが、積算担当者の意図どおりに処理できない場面も少なくありませんでした。
一方で、積算基準を熟知した担当者が作り上げたExcelシステムは違います。物価本の単価体系を理解し、歩掛の適用条件を理解し、積算基準の注記や運用ルールまで理解したうえで構築されています。
5Excelを使っていたのではなく、Excel上に積算ソフトを作っていた
当時Excel積算を行っていた会社は、単なる表計算をしていたわけではありません。Excelの中には、次のようなものが組み込まれていました。
- 単価データ・歩掛データ
- 共通費計算・労務単価
- 補正係数
- VBAマクロ
さらに、物価本を確認する、歩掛を確認する、積算基準を確認する、特殊条件を読み解く、補正条件を反映する、という積算担当者の考え方までシステム化されていました。つまり、Excelを使っていたというより、Excelの中に独自の積算ソフトを作り上げていたと言った方が実態に近いでしょう。
6最大の課題はメンテナンス
現在でもExcel積算を続けている会社は存在します。しかし、そのExcelを本当に理解している担当者が退職した瞬間に運用が難しくなるケースも少なくありません。
7まとめ
- 積算はExcelでもできるが、単純な表計算ではない
- 単価・歩掛・補正条件・共通費計算・マクロを、積算基準を熟知した担当者が長年かけて構築・改良してきた結果である
- 一時期は、市販の営繕積算ソフトよりもベテラン担当者が作り上げたExcelシステムの方が精度が高い時代もあった
- その分、積算基準改定のたびに単価・歩掛・補正係数・マクロを更新し続ける維持管理の負担が大きい
公共入札の落札を増やしたい企業様へ
積算担当者が1件の積算に時間を取られてしまうと、検討できる入札案件の数も限られてしまいます。積算業務の効率化は、単なる作業時間の短縮ではありません。より多くの入札案件を検討し、公共入札の落札機会を増やすことにもつながります。
SEKISAN-PROでは、福島県の公共営繕工事に対応した積算ソフトの導入相談や運用サポートを行っています。
- Excel積算から移行したい
- 積算業務を効率化したい
- 公共入札の落札件数を増やしたい
- 積算担当者不足に備えたい
このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
▶ 福島県の公共営繕積算に関するご相談はこちら