共通費とは?公共建築工事における3区分と工事費の構成を解説

公共建築工事の共通費とは?3つの区分と工事費の構成を解説

積算担当の皆様、お疲れ様です。公共建築工事の工事費を構成する「共通費」について、基本から整理します。金入設計書を読む際に共通費の構造を理解しておくと、予定価格の推定精度が上がります。

この記事のポイント:工事費は直接工事費・共通費・消費税等相当額で構成される。共通費は「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費等」の3つに区分される。

工事費の構成を確認する

公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)によると、工事費は次の構成になっています。

直接工事費
共通仮設費
現場管理費
一般管理費等
工事価格(税抜)
消費税等相当額
工事費

この構成の中で、「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費等」の3つをまとめて共通費と呼びます。

共通費の3区分と計算の順序

共通費は3段階で積み上がります。それぞれ計算の基礎となる費目が異なることが重要なポイントです。

区分 計算の基礎 計算方法
共通仮設費 直接工事費(P) 共通仮設費率(Kr)による算定+必要に応じ積み上げ
現場管理費 純工事費(Np)
※直接工事費+共通仮設費
現場管理費率(Jo)による算定+必要に応じ積み上げ
一般管理費等 工事原価(Cp)
※純工事費+現場管理費
一般管理費等率(Gp)による算定

計算の基礎となる費目が段階的に変わることに注目してください。直接工事費が増えると、それに連動して共通仮設費も増え、純工事費も増え、さらに現場管理費・一般管理費等も増えるという連鎖構造になっています。

各区分に含まれる費用の内容

共通仮設費とは

工事全体に共通して必要な仮設工事の費用です。基準の表-1では、準備費・仮設建物費・工事施設費・環境安全費・動力用水光熱費・屋外整理清掃費・機械器具費・情報システム費などが列挙されています。

仮設建物費には「監理事務所、現場事務所、倉庫、下小屋、宿舎、作業員施設等に要する費用」が含まれます。なお、共通仮設費率に含まれない費用(揚重機械器具など)は、別途積み上げにより算定して加算します。

現場管理費とは

現場の施工管理に要する費用です。基準の表-2では、労務管理費・租税公課・保険料・従業員給料手当・施工図等作成費・法定福利費・補償費などが含まれます。

一般管理費等とは

企業の本社・支店の運営に要する費用と付加利益等です。基準の表-3(一般管理費)と表-4(付加利益等)の内容を一式として計上します。役員報酬・従業員給料手当・修繕維持費・調査研究費・法人税等が含まれます。

共通費算定の際の重要な注意点

注意:共通費を算定する場合の直接工事費には、本設のための電力・水道等の各種負担金は含まないものとされています(基準 第1編)。また、共通仮設費率・現場管理費率を算定する場合の直接工事費・純工事費には、処分費を含まないものとされています。

金入設計書に記載されている共通費の額は、この構造に基づいて算定されています。各費目の数値と基礎となる費目の関係を理解することで、設計書の読み方が変わります。次回以降、各率の算定式の詳細を解説していきます。

出典:公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)国土交通省大臣官房官庁営繕部

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