令和8年改定の共通費積算基準を解説|一般管理費等率の統一など主な変更点まとめ
積算担当の皆様、お疲れ様です。令和8年3月11日付けで公共建築工事共通費積算基準が改定されました。令和7年版からの変更点を新旧表をもとに整理します。令和7年版を使ってきた方は確認しておきましょう。
この記事のポイント:令和8年改定の主な変更点は2点。①一般管理費等率が工種別3本から全工種共通1本に統一、②表の記載内容の整理(建設業退職金共済の記載位置変更・試験研究償却費の削除等)。共通仮設費率・現場管理費率の算定式と係数の変更はない。
変更点1:一般管理費等率の統一
令和8年改定で最も大きな変更は、一般管理費等率の算定式が全工種で共通化されたことです。
| 項目 | 令和7年(改定前) | 令和8年(改定後) |
|---|---|---|
| 算定式の数 | 3本(別表15・16・17) | 1本(別表15) |
| 建築工事の算定式 | Gp=28.978-3.173×log10(Cp) (工事原価500万円以下は17.24%、30億円超は8.43%) |
Gp=32.597-3.591×log10(Cp) (工事原価300万円以下は20.11%、30億円超は9.34%) |
| 電気設備工事の算定式 | Gp=29.102-3.340×log10(Cp) | 全工種共通式に統一 |
| 機械・昇降機設備工事の算定式 | Gp=27.283-3.049×log10(Cp) | 全工種共通式に統一 |
注意:令和8年の算定式は令和7年とは係数が異なります。同じ工事原価Cpを代入しても、令和7年と令和8年では一般管理費等率Gpの計算結果が変わります。令和8年以降の積算には必ず新しい式を使用してください。
変更点2:表の記載内容の整理
新旧表(令和8年改定内容)を確認すると、費目の記載内容にも変更があります。
表-2(現場管理費)の変更
令和7年:法定福利費の中に「建設業退職金共済制度に基づく証紙購入代金」が含まれていた
令和8年:「建設業退職金共済 契約に係る掛金」として独立した項目に変更された
表-3(一般管理費)の変更
令和7年:「試験研究償却費」(新製品又は新技術の研究のための特別に支出した費用の償却額)が独立項目として記載されていた
令和8年:「試験研究償却費」の項目が削除された
表-5(建築工事の共通仮設費率に含む内容)の変更
令和7年(環境安全費):「安全標識、消火設備等の施設の設置、隣接物等の養生及び補償復旧に要する費用」
令和8年(環境安全費):「安全標識、消火設備等の施設の設置、安全用品等(墜落制止用器具(フルハーネス型)を含む)、隣接物等の養生及び補償復旧に要する費用」
→ 安全用品等(フルハーネス型含む)の記載が明示的に追加された
変更がなかった点
以下の点は令和7年から変更なし:
・共通仮設費率(Kr)の算定式(別表1〜7)および係数
・現場管理費率(Jo)の算定式(別表8〜14)および係数
・共通費の3区分の基本構造
・共通費算定の基本的な考え方(率による算定+積み上げ)
福島県での適用時期
福島県の公共営繕工事では、国交省基準の改定後に時間差を置いて適用されるのが一般的です。令和8年改定版の適用開始時期については、福島県の発注機関の通知を確認してください。
令和8年改定では一般管理費等率の算定式が大きく変わっています。積算ソフトの設定や手計算のシートが令和7年のままになっていないか確認しておきましょう。
