いわき市の公共工事で予定価格に近づく会社と近づかない会社の違い|落札率と積算研究を解説

積算実務コラム

いわき市の公共工事で予定価格に近づく会社と近づかない会社の違い

こんな方におすすめの記事です

  • いわき市の公共営繕工事の落札率を高めたい方
  • 入札結果の記録・分析方法を知りたい方
  • 積算の精度をチームで底上げしたい方

目次

  1. 1.違い① 積算担当者と積算ソフト
  2. 2.違い② 金入設計書を研究しているか
  3. 3.違い③ 外した原因を分類しているか
  4. 4.違い④ 落札率を記録しているか
  5. 5.違い⑤ 競合会社の傾向を見ているか
  6. 6.まとめ

同じ積算ソフトを使い、同じ積算基準を見ていても、予定価格とのズレが小さい会社と大きい会社があります。その違いは積算ソフトそのものではなく、積算した後の研究量にあるのかもしれません。

1違い① 積算担当者と積算ソフト

まずは土台となる部分です。同じ積算ソフトを使っていても、担当者によって積算結果は変わります。ソフトの特性を理解しているか、補正条件を正しく確認しているかで差が生まれます。

ソフトの操作方法だけでなく、

  • 「なぜこの補正がかかるのか」
  • 「共通費計算で気を付けるポイントは何か」
  • 「処分費の設定は適切か」
  • 「代価表積算で見落としはないか」
  • 「自社の積算ソフトではどの積算基準でズレやすいのか」

を理解しているかどうかが積算精度を左右します。積算ソフトは優秀ですが、最終的に判断するのは人です。

2違い② 金入設計書を研究しているか

土台ができたら、次は単価の研究です。過去の金入設計書を見て終わりにするか、「なぜその単価になったのか」まで確認するかで差が出ます。

一般的な研究
金入設計書を確認するどの単価がどれくらいずれていたか確認する次回は注意しようと考える
研究が深い場合
金入設計書を確認するどの単価がどれくらいずれていたか確認する積算基準を確認する歩掛まで分解する補正条件を確認するヒューマンエラーなのか積算条件の違いなのかを確認する

結果を見るだけではなく、「なぜその差額が発生したのか」まで確認している会社は、少しずつ積算精度が向上していきます。

3違い③ 外した原因を分類しているか

研究を積み重ねると、次に見えてくるのが「外した原因」です。予定価格との差額が出たとき、その原因をどこまで分解しているかが重要になります。

金入設計書の備考欄には、採用された積算基準を示す記載が確認できる場合があります。

標準・市場・参考・資料・補市・市加・協議・協参・参資・独自

差額が出た項目について、どの積算基準の部分でズレたのかを分析すると、

  • 標準積算でズレた
  • 市場単価でズレた
  • 補正市場単価でズレた
  • 独自単価でズレた

といった傾向が見えてきます。さらに研究している会社では、そのズレが

  • 積算担当者の入力ミスだったのか
  • 条件設定の見落としだったのか
  • 積算ソフトの特性だったのか

まで分類しています。

例えば、「補正市場単価は高く出やすい」「独自単価は差額が大きくなりやすい」「市場単価は比較的近い」といった傾向が見えてくることがあります。自社の積算ソフトはどの積算基準でズレやすいのか、高く出やすいのか安く出やすいのかまで把握できるようになると、次の積算での判断材料になります。

4違い④ 落札率を記録しているか

ここまでの研究結果が、数字として表れる段階です。落札率とは、落札価格を予定価格で割った割合のことです。

落札率(%)=落札価格 ÷ 予定価格 × 100

いわき市の公共営繕工事では、実務上の感覚としておおむね92%〜94.5%程度の案件が多いという声があります。これは公式統計として公表されている数値ではなく、現場での体感的な傾向として捉えてください。

そのため、自社の積算結果だけを見ていても十分ではありません。過去の落札率を蓄積し、自社がどの価格帯で競争しているのかを把握することが重要になります。

記録が浅い場合
「落札した」「落札できなかった」という結果だけを見て終わる
記録が深い場合
予定価格・自社入札額・落札価格・落札率を案件ごとに記録し、蓄積していく

案件ごとに数字を残しておくと、自社の積算がどの程度のズレを持ちやすいのか、後から振り返ることができます。そして、この蓄積こそが札入れの最終判断材料になります。「予定価格の何%で入れるべきか」を考えるときに、勘ではなく過去の数字を根拠にできるかどうかは大きな差になります。

5違い⑤ 競合会社の傾向を見ているか

最後は競合分析です。入札は自社だけで完結するものではありません。どの会社が参加しそうなのか。どの会社が落札したのか。その会社はどの程度の落札率で落としているのか。こうした情報を継続的に見ている会社もあります。

例えば、参加会社・落札会社・落札率・工事規模・工種を記録していくと、「どの工事規模でどの会社が強いのか」という傾向が見えてくることがあります。もちろん毎回同じ結果になるわけではありません。しかし、「この案件なら、この会社が参加してくる可能性がある」という仮説を持てるだけでも、札入れの考え方は変わります。

強い会社は自社の分析だけではなく、競合会社の落札傾向も研究しています。

6まとめ

予定価格に近づく会社は、特別に優れた積算ソフトを使っている会社とは限りません。

  • 積算担当者が積算基準を理解している
  • 金入設計書を研究している
  • 外した原因を分類している
  • 落札率を記録している
  • 競合会社の傾向を分析している

こうした地道な積み重ねを続けています。積算力の差というより、研究量の差なのかもしれません。

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