【積算入門】歩掛(ふかかり)とは何か|電気設備工事の積算で使う基本を解説

歩掛(ぶかかり)とは何か|電気設備工事の積算で使う基本を解説

歩掛(ふかかり)とは何か|電気設備工事の積算で使う基本を解説

電気設備工事の積算を勉強し始めると、必ず出てくる言葉が「歩掛(ふかかり)」です。材料費は単価×数量で計算できますが、職人の作業費(労務費)はどうやって出すのか。その答えが歩掛です。概念から使い方、間違えるとどうなるかまで、基本を整理します。

歩掛とは何か

歩掛とは、工事の作業1単位あたりに必要な労働量を数値化したものです。

定義

歩掛(ふかかり)=ある作業を1単位(1m・1個・1台など)施工するために必要な職人の工数(人日)。国土交通省および各都道府県が「標準歩掛」として公表しており、公共工事の積算ではこの公表値を使用します。

たとえば「CV線を1m引き入れるのに職人0.02人分の作業が必要」というのが歩掛の考え方です。自分で決めるものではなく、公表されている標準値を使うのが公共工事の原則です。

なぜ歩掛が必要か

材料費の計算はシンプルです。ケーブル100mなら「単価×100m」で出せます。しかし職人の作業費はどう計算するか。「この現場では職人が何人・何日必要か」は目に見えません。

そこで使うのが歩掛です。歩掛を使うことで、労務費を客観的な数値として積算に組み込めます。

歩掛(人/単位)× 数量 × 労務単価(円/人)= 直接労務費
※労務単価は福島県が毎年公表する積算基準単価を使用します

この計算式が電気設備工事における直接労務費の基本です。歩掛・数量・労務単価の3つが揃って初めて労務費が出ます。

電気設備工事で使う歩掛の例

歩掛は作業の種類・条件によって細かく分かれています。電気設備工事で頻繁に使う作業の例を示します。

作業の種類 単位 歩掛のイメージ
CV線・ケーブル引き入れ m 条件により変動
照明器具取付(天井直付) 条件により変動
分電盤取付 容量・面数により変動
コンセント・スイッチ取付 条件により変動
金属管配管(露出) m 管径により変動

※具体的な歩掛の数値は「公共建築工事標準単価積算基準(国土交通省)」に掲載されています。条件(天井高・配管方法・器具種別など)によって使用する歩掛が変わるため、必ず該当する条件を確認してください。

歩掛を間違えるとどうなるか

歩掛のミスは積算全体に影響します。よくある間違いとその影響を整理します。

① 条件違いの歩掛を使う

同じ「照明器具取付」でも、天井直付・吊り下げ・埋込では歩掛が異なります。条件を確認せずに使うと労務費がズレます。

② 歩掛を過小に見積もる

積算上の労務費が低くなりすぎると、入札金額が最低制限価格を下回り失格になります。歩掛は「これくらいだろう」という感覚で選ぶのではなく、必ず標準歩掛の条件を確認してから使うことが重要です。

③ 歩掛を過大に見積もる

労務費が膨らみ、予定価格から大きく乖離した積算になります。入札金額が高くなりすぎて競合に負けることになります。

注意点

歩掛のミスは数量ミスと違い、発見が遅れやすいです。数量は図面を見れば確認できますが、歩掛の選択ミスは「どの条件の歩掛を使うべきか」を正確に把握していないと気づけません。積算のベテランでも条件の読み違いによる歩掛ミスは起きます。

まとめ

歩掛のポイント整理

  • 歩掛とは作業1単位あたりに必要な労働量(人日)を数値化したもの
  • 歩掛×数量×労務単価=直接労務費、がの基本計算式
  • 公共工事では国土交通省・各都道府県が公表する標準歩掛を使用する
  • 作業の種類・条件によって使う歩掛が変わるため、条件の確認が重要
  • 歩掛ミスは過小(赤字リスク)・過大(競合負け)のどちらも致命的
積算ソフトを使うと

歩掛は種類が多く、条件ごとの使い分けを手計算で管理するのは手間がかかります。積算ソフトでは、作業の条件を選択するだけで該当する歩掛が自動的に適用されます。歩掛の選択ミスを防ぎながら、積算作業を大幅に効率化できます。

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