一般管理費等の前払金補正と契約保証費を解説|金入設計書で確認すべきポイント【令和8年版】
積算担当の皆様、お疲れ様です。一般管理費等には、基本の率による算定のほかに「前払金支出割合による補正」と「契約保証費の加算」という2つの処理が関わります。金入設計書を読む際に関係してくる部分なので、今回まとめて整理します。
この記事のポイント:前払金支出割合が35%以下の場合は一般管理費等率に補正係数を乗じて増額する。契約保証費は保証の方法によって工事原価に0.04%または0.09%を乗じて加算する。
前払金支出割合による補正
公共建築工事積算基準等資料(令和8年改定)第4章1(1)イ(イ)によると、前払金支出割合が35%以下の場合の一般管理費等率は、補正係数を一般管理費等率に乗じて得た率とされています。
| 前払金支出割合区分(%) | 補正係数 |
|---|---|
| 0から5以下 | 1.05 |
| 5を超え15以下 | 1.04 |
| 15を超え25以下 | 1.03 |
| 25を超え35以下 | 1.01 |
注意:前払金の保証がない工事は、この補正の対象外とされています。また、前払金支出割合が35%を超える場合も補正の対象外です。
契約保証費の加算
基準等資料では、契約保証費は工事原価に契約保証費率を乗じて算出した金額を一般管理費等に加算するとされています。
| 保証の方法 | 契約保証費率 |
|---|---|
| 保証の方法1:発注者が金銭的保証を必要とする場合(工事請負契約書第4条を採用する場合) | 0.04% |
| 保証の方法2:発注者が役務的保証を必要とする場合 | 0.09% |
| 保証の方法3:上記以外の場合 | 補正しない |
保証の方法3の具体例として、基準等資料では「予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号の規定により、工事請負契約書の作成を省略できる工事請負契約である場合」が挙げられています。
金入設計書での確認ポイント
金入設計書の統括情報表には前払率の記載があります。この前払率が前払金支出割合の判定に使われます。
前払率の記載がある工事 → 前払金支出割合区分を確認し、補正係数を適用
前払金の保証がない工事 → 補正の対象外
確認の手順:
① 金入設計書の統括情報表で前払率を確認する
② 前払金支出割合区分に対応する補正係数を選ぶ
③ 算定式で求めたGpに補正係数を乗じる
④ 保証の方法に応じて契約保証費を工事原価に乗じて加算する
設計変更における契約保証費の扱い
基準等資料では、設計変更については契約保証費にかかる補正を行わないと定めています。当初積算時に計上した契約保証費率は、設計変更では変更しません。
前払金補正と契約保証費は、基本の一般管理費等率に加えて確認が必要な処理です。金入設計書の読み込みの際に、これらの補正が適切に反映されているかを確認する習慣をつけましょう。
