低入札価格調査における事情聴取とは?

事情聴取は「失格基準に該当しないケース」で行われる審査

福島県の低入札価格調査では、入札額が調査基準価格を下回った場合、まず別記3の失格基準(直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費の算入率)に照らして自動的な失格判定が行われます。この失格基準に該当しなかった場合に進むのが、本記事で扱う「事情聴取」です。事情聴取は、失格基準という機械的な足切りを通過した入札者について、入札価格で実際に契約内容どおりの履行ができるかどうかを、工事執行権者が個別に確認する手続きです。

結論
事情聴取は、書類の再提出を求めるだけの形式的な手続きではありません。工事執行権者が指定した調査担当者が、価格の内訳・手持ち工事・資材調達・労務者確保・過去の施工実績・経営状況などを個別に確認し、その入札価格で契約内容に適合した履行が可能かどうかを実質的に判断する審査です。

事情聴取に進むまでの流れ

福島県の低入札価格調査事務処理要領では、次の順で手続きが進みます。まず入札執行権者が、調査基準価格を下回る入札を行った落札候補者に対し、別に定める調査様式(様式第1号「低入札価格調査票」等)及びその他必要と認める書類の提出を求めます(第5条第5項)。提出された調査様式等は入札執行権者から工事執行権者へ送付され(第6条第1項)、工事執行権者は、提出書類に基づく最低価格入札者からの事情聴取や関係機関への照会などにより、別記2の内容について調査を行います(第6条第2項)。この調査を実際に行う担当者は工事執行権者が指定し、調査結果は低入札価格調査票に記載されます(第6条第3項)。

事情聴取で確認される内容

別記2「低入札価格調査の調査内容」では、事情聴取を通じて確認すべき事項が列挙されています。具体的には、その価格で入札した理由、共通仮設費・現場管理費・一般管理費など諸経費の詳細な内訳、施工地付近における手持ち工事の状況、施工地と入札者の事業所・資機材保管場所等との地理的な関連、手持ち資材の状況、資材の購入先及び購入先との関係、手持ち機械・設備の状況、労務者の確保や配置の内容、過去に施工した公共工事の名称及び施工成績、経営状況・信用状況といった項目が対象となります。

ポイント
これらは別記3の失格基準のように数値で自動判定されるものではありません。工事執行権者が個別の説明内容を突き合わせ、価格の実現可能性を総合的に判断するための材料として位置づけられています。

事情聴取後の判断プロセス

総合評価方式以外の入札で、第6条の調査の結果、契約の内容に適合した履行がなされると認めたときは、入札執行権者はそのまま最低価格入札者を落札者として決定します(第7条)。一方、履行がなされないおそれがあると認めたときは、工事執行権者は低入札価格調査票に参考資料を添付して予算を主管する課長に報告し(第8条第1項)、入札監理課長が本庁入札参加条件等審査委員会に対し、契約の内容に適合した履行がされないおそれが認められるか否かを諮ります(第8条第3項)。審議の結果、履行がされないと認めたときは、入札執行権者は他の入札者のうち最低価格の者又は評価値が最も高い入札者(次順位者)を落札者と決定します(第8条第8項)。

事情聴取での説明と契約後の履行が食い違った場合

注意
契約締結後、事情聴取で対象者が説明した内容どおりの履行がなされない場合、虚偽の説明を行ったものとみなされ、工事等の請負契約に係る入札参加制限を受けることがあります(別記2)。事情聴取での回答は、その場限りの説明ではなく、契約履行段階まで拘束力を持つ点に注意が必要です。

まとめ

事情聴取は、調査基準価格を下回った入札者のうち、別記3の失格基準に該当しなかった者を対象に、工事執行権者が指定した担当者が価格の内訳・手持ち工事・資材や労務者の確保状況・過去の実績・経営状況などを個別に確認し、入札価格での履行可能性を判断する手続きです。履行可能と判断されればそのまま落札者となりますが、履行が困難と判断されれば本庁入札参加条件等審査委員会の審議を経て次順位者に繰り上がります。数値基準による自動失格とは異なる、個別事情を踏まえた実質判断であることを理解しておく必要があります。

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