材料検査・段階確認とは?
結論
材料検査は、現場に搬入された材料が仕様書どおりの品質かを搬入時に監督員が確認する検査です。段階確認は、一つの工程の施工が完了した時点(または監督員から指示があった時点)で、その施工が設計図書に適合しているかを、後から確認できなくなる前に監督員が確認する行為です。どちらも、工事完成時に行われる完成検査(記事52)とは別に、施工途中の各段階で行われる品質確認の仕組みです。
材料検査とは何か
国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」1.4.2「材料の品質等」では、使用する材料は設計図書に定める品質及び性能を有する新品とすることが定められ、材質・仕上げの程度・色合い等については見本品等の提出により監督職員の承諾を受けることとされています。さらに1.4.4「材料の検査等」では、工事現場に搬入した材料は種別ごとに監督職員の検査を受けると規定されており、いったん合格した材料と同じ種別の材料は、以後は抽出検査とすることができるとされています。
福島県「建築関係工事共通仕様書」でも同様の枠組みがあり、1.5.2「見本品等の提出」で材質・仕上げ・色合い等について監督員の承諾を受けること、1.5.4「機材搬入の報告」で搬入した機材を監督員に報告すること、1.5.5「現場搬入機材の確認等」で搬入機材について監督員の確認を受けることが定められています。
段階確認とは何か
公共建築工事標準仕様書1.2.2(3)では、施工計画書に「一工程の施工の確認内容及びその確認を行う段階」をあらかじめ定めることが求められています。そのうえで1.5.4「一工程の施工の確認及び報告」により、一工程の施工を完了したとき、または工程の途中で監督職員の指示を受けたときは、施工が設計図書に適合していることを確認し監督職員に報告することとされ、1.5.5「施工の検査等」により、設計図書に定められた場合やこの報告を受けた場合は監督職員の検査を受けることとされています。
福島県の共通仕様書でも、1.7.2「一工程の施工の事前確認」で工程に入る前の事前確認、1.7.3「一工程の施工の確認及び報告」で完了後の確認・報告という二段階の仕組みが定められています。配筋や下地など、後工程に進むと目視で確認できなくなる部分の施工状況を、その時点で確認しておく点に意味があります。
材料検査と段階確認の違い
両者は、確認する対象とタイミングが異なります。材料検査が確認するのは「モノ」、つまり搬入された材料・機材そのものが仕様書どおりかどうかで、確認するタイミングは搬入時です。段階確認が確認するのは「工程」、つまり施工という行為が設計図書どおりに行われたかどうかで、確認するタイミングはその工程の完了時(または監督員の指示があった時)です。材料検査に合格した材料を使っていても、施工方法や仕上がりが設計図書に適合しなければ、段階確認では不適合となり得ます。
ポイント
段階確認の対象となる工程は、施工計画書の中であらかじめ受注者側が示し、監督員と共有しておく必要があります(1.2.2(3))。この段階の設定と共有を怠ると、監督員の確認待ちが発生し、後工程の着手が遅れる要因になり得ます。
完成検査との違い
材料検査・段階確認は、いずれも監督員が施工途中に行う確認・検査です。これに対し、福島県の共通仕様書1.9.2「中間検査」が「公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づき、工事中及び完成時の施工状況の確認並びに評価をするために、発注者又は検査員が行う検査」と定義しているとおり、完成検査(記事52)を含む正式な「検査」は発注者・検査員が実施主体となる点で、監督員が日常的に行う材料検査・段階確認とは性格が異なります。発注者・監督員・検査員の役割の違い自体は、別記事(発注者・監督員・検査員の役割の違いとは?)で整理していますので、あわせて確認してください。

