入札の無効事由とは?
結論
公共工事の入札は、価格の高低以前に「有効な入札書」として成立していなければ審査の対象になりません。入札の無効事由は大きく分けて、地方自治法施行令第167条の4に定める入札参加資格の欠如と、福島県工事等競争入札心得に定める入札書の記載不備・代理人不備・談合の事実確認の3系統があります。積算実務に入る前に、まず「自社の入札書が無効にならないか」を確認できることが、入札担当者の最低限の前提知識です。
入札の無効とは何か
入札の無効とは、提出された入札そのものが、開札の対象から除外され、たとえ最低価格であっても落札者となる資格を失うことをいいます。積算は発注者側の予定価格を積算基準どおりに再現・推定する作業ですが、その推定精度がどれほど高くても、入札書自体が無効と判定されれば審査の土俵に乗りません。無効事由は、入札に参加する者が満たすべき資格に関するものと、提出された入札書の様式・記載内容に関するものの2種類に大別されます。
地方自治法施行令第167条の4に基づく参加資格の欠如
一般競争入札の参加者資格については、地方自治法施行令第167条の4第1項に定めがあります。同項は、普通地方公共団体が特別の理由がある場合を除き、次の各号のいずれかに該当する者を一般競争入札に参加させることができないと規定しています。
- 当該入札に係る契約を締結する能力を有しない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第32条第1項各号に掲げる者
これらに該当する者が行った入札は、参加資格を欠く者による入札として、発注者側の入札心得等の定めにより無効として扱われます。同条第2項には、契約履行時の粗雑な行為や入札の公正を害する行為があった者などについて、3年以内の期間を定めて入札参加をさせないことができる旨の定めもあります。
福島県工事等競争入札心得における入札書の無効事由(第6条)
福島県が発注する工事等の入札については、福島県工事等競争入札心得の第6条「入札書の無効等」に、入札書自体を無効とする事由が定められています。共通の無効事由として確認できる主な項目は次のとおりです。
- 入札に参加する資格のない者が提出した入札書
- 金額の記入がない、金額を訂正した、または金額が判読できない入札書
- あて先、商号または名称、押印のいずれかを欠く入札書
同条には、これら以外にも日付や工事名の記載不備など複数の形式的無効事由が定められています。さらに同条には、福島県入札制度等監視委員会において談合の事実が確認された場合には、当該入札書を無効とする旨の定めもあります。
注意
談合の事実が確認された場合の無効は、価格の妥当性とは無関係に、入札制度の公正性を理由として入札書そのものが無効とされる点に注意が必要です。金額の記載自体に不備がなくても無効になり得ます。
指名競争入札特有の無効事由(第23条・代理人関連)
指名競争入札については、福島県工事等競争入札心得の第23条「指名競争入札の入札書の無効等」に、第6条の事由に加えて次のような代理人に関する無効事由が定められています。
- 委任状を持参しない代理人が提出した入札書
- 同一事項の入札について他人の代理人を兼ね、または2人以上の代理人をした者が提出した入札書
社長本人ではなく従業員等が代理で入札会場に赴く場合、委任状の持参と、1つの入札について1人1者の代理に限られる点を必ず確認してください。
ポイント
積算で予定価格を精緻に推定できても、入札書の様式不備や委任状の不備で無効になれば意味がありません。入札書の作成・提出は、積算作業と並んで、社内でダブルチェック体制を組むべき工程です。
まとめ
入札の無効事由は、地方自治法施行令第167条の4に基づく参加資格の欠如と、福島県工事等競争入札心得第6条に定める入札書の記載不備・談合事実の確認、そして指名競争入札における第23条の代理人不備という、性質の異なる複数の規定から成り立っています。積算の精度を上げる前提として、まず自社の入札書がこれらの無効事由に該当しないかを、提出前に必ずチェックする体制を整えてください。
