共通費積み上げとは?公共営繕積算で使われる考え方を初心者向けに解説
共通費の「積み上げ」とは?
お疲れ様です!今回は「共通費の積み上げ」という言葉について、初心者向けにシンプルに整理します。用語の意味を押さえておけば十分な内容です。
共通費は基本的に「率」で計算する
共通仮設費・現場管理費は、直接工事費(または純工事費)に決められた「率」を掛けて算定するのが基本です。一般管理費等も工事原価に対する率のみで算定します(積み上げは基本的に発生しません)。
結論
「積み上げ」とは、共通仮設費率・現場管理費率に含まれない特別な費用を、率とは別に個別に金額を計算して加算する方法のことです。
「積み上げ」が必要になる項目一覧【詳細版】
共通仮設費には、費目全体を示す「表-1」と、そのうち率でカバーされる範囲を示す「表-5・表-6」があります。表-1にはあるのに表-5・表-6には含まれていない内容が、率の対象外=積み上げが必要な項目です。
| 費目 | 積み上げが必要な内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 準備費 | 敷地測量費・仮設用借地料 | 率対象は敷地整理・道路占有準備等のみ |
| 仮設建物費 | 宿舎 | 率対象は監理事務所・現場事務所・倉庫等のみ |
| 工事施設費 | 仮囲い・工事用道路・歩道構台 | 率対象は場内通信設備等のみ |
| 環境安全費 | 交通誘導・安全管理等の要員 | 率対象の記載なし |
| 環境安全費 | 大規模な台風等災害防止対策 | 率対象は「一般的なもの」のみ |
| 屋外整理清掃費 | 除雪費用 | 率対象に除雪の記載なし |
| 機械器具費 | 揚重機械器具(クレーン等) | 率対象は測量機器・雑機械器具のみ |
| 情報システム費 | 情報共有・遠隔臨場・BIM等 | 率対象の項目自体が存在しない |
| その他 | 材料・製品の大規模な品質管理試験費 | 率対象は軽微な試験費のみ |
これに加えて、基準本文に明記された次の3項目も積み上げ対象です。
| 区分 | 積み上げが必要な内容 |
|---|---|
| 共通仮設費 | 現場環境改善費 |
| 共通仮設費 | 工事場所以外の屋外整理清掃費 |
| 共通仮設費 | 新たな施策等の試行による特別な費用 |
| 現場管理費 | 現場管理費率に含まれない特記事項(該当する場合) |
| 一般管理費等 | 契約保証費(必要に応じて別途加算) |
これらの項目は率計算の対象外なので、該当する場合は別途積み上げで金額を計算し、率で算定した金額に加算します。一般管理費等は基本的に率のみですが、契約保証費だけは例外的に別途加算する扱いです。
出典:公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)/国土交通省
設計変更のときのルール
当初、積み上げで計算した部分は設計変更でも積み上げのまま、率で計算した部分は率のまま計算します。積み上げと率を途中で混ぜて計算し直すことはできません。
実務での考え方
積算ソフトを正しく設定していれば、この判定・計算は基本的に自動で処理されます。特記仕様書に該当項目がある場合だけ意識すれば十分で、普段の見積り作業で複雑に考える必要はありません。
「共通費=率計算が基本、例外だけ積み上げ」と覚えておきましょう!

