公共営繕積算で失敗しないための共通費設定5つのポイント【初心者向け】

みらい

みらいちゃん

公共営繕部門に配属されたばかりの新人職員。積算経験はほぼゼロで、素朴な疑問をどんどん誠さんにぶつける読者の代表です。

誠さん

誠さん

公共営繕歴20年以上のベテランおじいちゃん。独特の口調で、後輩に積算のいろはを丁寧に教えてくれます。

まず結論

  • 共通費は「新営・改修」×「建築・電気・機械設備」の工事種別によって計算式が変わるため、必ず正しい工種を選ぶ
  • 処分費とスクラップは自動で入らないので、必ず個別に設定する
  • 共通仮設費には「率計算」と「積み上げ計算」の2種類があり、どちらを使うかで金額が変わる
みらい

みらいちゃん

誠さん、共通費の計算って積算ソフトが自動でやってくれますよね?工事種別とか、あまり気にしなくても大丈夫ですか?

誠さん

そこが落とし穴なのじゃよ。自動で計算してくれるのは確かじゃが、その計算の元になる「工事種別」を入力するのはみらいちゃん自身じゃ。ここを間違えると、数字は出るのに中身が間違っておるという、一番怖いパターンになるのじゃよ。

誠さん

① 工事種別は必ず正しく選ぶ

誠さん

共通費の計算式はな、「新営」か「改修」か、そして「建築」「電気設備」「機械設備」のどれかによって変わるのじゃ。組み合わせると全部で6パターンあるのじゃよ。

同じ金額の工事でも、新営として計算するのと改修として計算するのとでは、共通仮設費率も現場管理費率も違ってくる。工種を取り違えると、工事費全体がズレてしまうのじゃ。

誠さん
工事区分 対象部門
新営建築 / 電気設備 / 機械設備
改修建築 / 電気設備 / 機械設備
みらい

みらいちゃん

6パターンもあるんですね…!入力する前に、金抜設計書のどこを見て工事種別を判断すればいいんですか?

誠さん

工事件名や特記仕様書に「新営」「改修」の別が書かれておるはずじゃ。迷ったら設計書全体を見て、既存建物に手を入れる工事なら改修、更地に新しく建てる工事なら新営、と判断するのじゃよ。入力前に必ず確認する癖をつけるのじゃ。

誠さん

② 処分費とスクラップは個別設定が必要

みらい

みらいちゃん

あと、改修工事だと解体で出たものの処分とかもありますよね。それも自動で計算されるんですか?

誠さん

そこも自動ではないのじゃ。処分費スクラップ(有価物)は、どちらも積算ソフト側で個別に設定してやらんと反映されんのじゃよ。

処分費を入れ忘れると、廃材を出しっぱなしの工事費になってしまう。逆にスクラップの控除を忘れると、実態より高い工事費になってしまうのじゃ。どちらも改修工事では必ずチェックする項目じゃな。

誠さん

注意

処分費・スクラップは工事種別を選んだだけでは自動計上されません。改修工事・解体を伴う工事では、必ず個別項目として設定できているかを確認してください。

③ 共通仮設費は「率計算」と「積み上げ」の2種類

みらい

みらいちゃん

共通仮設費も、工事種別を選べば自動で数字が出ますよね?

誠さん

共通仮設費には2通りの出し方があるのじゃよ。ひとつは直接工事費に率を掛けて求める率計算。もうひとつは、仮設物や機械の項目をひとつひとつ積み上げて求める積み上げ計算じゃ。

金抜設計書でどちらの方式が使われているかを確認したうえで、積算ソフト側の設定も合わせてやらんと、共通仮設費だけ実態とズレた金額になってしまうのじゃよ。

誠さん
率計算と積み上げ計算の使い分け(詳細を見る)

率計算:直接工事費の規模に応じた率を掛けて算出する方法。工事全体の規模感から共通仮設費を概算したい場合に使われることが多いのじゃ。

積み上げ計算:仮設物・機械器具・共通の仮設材料などを項目ごとに数量計算して積み上げる方法。特殊な現場条件や、率計算になじまない大規模・特殊工事で用いられることが多いのじゃよ。

どちらを採用するかは金抜設計書側で決まっておるので、積算ソフトの設定を勝手に変えてはいけないのじゃ。

④ 共通仮設費のあとは自動で計算される

みらい

みらいちゃん

共通仮設費まで設定できたら、そのあとの現場管理費や一般管理費等も自分で計算するんですか…?

誠さん

そこは安心してよいのじゃ。共通仮設費まで正しく設定できれば、あとは積算ソフトが自動で連鎖計算してくれるのじゃよ。

直接工事費に共通仮設費を足して純工事費、そこに現場管理費率を掛けて現場管理費、さらに一般管理費等率を掛けて一般管理費等…という具合に、順番に積み上がっていくのじゃ。

誠さん

計算の流れ

直接工事費 + 共通仮設費 = 純工事費(ここまでは自分で条件を設定)

純工事費 → 現場管理費 → 一般管理費等(ここから先は積算ソフトが自動計算)

みらい

みらいちゃん

じゃあ、共通仮設費まではしっかり自分で確認して、そこから先はソフトを信じていいってことですね!

誠さん

そのとおりじゃ。ただし自動計算といっても、元になる条件(工事種別、監理事務所の有無、前払率など)が間違っておれば、その間違いごと連鎖的に計算されてしまう。だからこそ、共通仮設費までの入力が一番大事なのじゃよ。

誠さん

⑤ 新人がやりがちな失敗例

みらい

みらいちゃん

誠さん、正直まだ自信ないです…。実際に新人がやってしまいがちなミスって、どんなものがあるんですか?

誠さん

正直に聞いてくれてよいのじゃよ。わしがこれまで見てきた中でも、特に多いのはこの4つじゃ。ひとつずつ見ていこう。

誠さん

検証:新人がやりがちな失敗例

失敗例① 改修工事を新営工事として設定した

→ 共通仮設費率・現場管理費率が本来と異なる基準で計算され、工事費全体がズレる。

失敗例② 処分費の入力を忘れた

→ 廃材処分にかかる費用が計上されず、実態より安い工事費になってしまう。

失敗例③ スクラップ控除を忘れた

→ 有価物の控除がされないまま、実態より高い工事費になってしまう。

みらい

みらいちゃん

どれも「入力した気になっているけど、実は違っていた」というパターンですね…。気をつけます!

入力前チェックリスト

誠さん

不安なうちは、確定させる前にこのチェックリストを上から順に見返すとよいのじゃ。全部埋まってから確定ボタンを押す、それだけで失敗はぐっと減るのじゃよ。

誠さん
  • ☐ 工事種別(新営・改修)を確認した
  • ☐ 建築・電気設備・機械設備のどの部門かを確認した
  • ☐ 処分費を設定した
  • ☐ スクラップ(有価物)控除を設定した
  • ☐ 共通仮設費の計算方式(率計算/積み上げ計算)を金抜設計書と照合した
  • ☐ 入力後、画面表示の工事種別を目視で再確認した

まとめ

  • 共通費は「新営・改修」×「建築・電気・機械設備」で計算式が変わるため、工事種別を必ず正しく選ぶ
  • 処分費・スクラップは自動計上されないので、改修工事では個別に設定を確認する
  • 共通仮設費は「率計算」と「積み上げ計算」があり、金抜設計書の方式に合わせて設定する
  • 共通仮設費までを正しく設定すれば、現場管理費・一般管理費等は積算ソフトが自動で連鎖計算する
  • 入力前チェックリストを毎回見返すことが、失敗を防ぐ一番の近道

福島県公共営繕積算 SEKISAN-PRO

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