工事費内訳書とは?

工事費内訳書とは何か

工事費内訳書とは、工事価格がどのような費用の積み上げでできているかを示す書類です。国土交通省の公共建築工事積算基準では、工事費を「直接工事費、共通費及び消費税等相当額」に区分して積算すると定めています。数量調書を自ら作って積み上げる作業ではなく、発注者が公表する金抜設計書をもとに発注者側の積算結果(予定価格)を積算基準どおりに再現・推定するのが、この読者層にとっての積算業務です。自社の施工費を計算する見積りとは目的が異なりますが、どちらの作業でも工事費全体がどんな費目で構成されているかという"地図"を先に持っておくことが出発点になります。個々の共通費の計算方法(共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の内訳)は別記事「共通費とは?」で扱っているため、本記事では内訳書全体がどのように積み上がっているかという構造に絞って整理します。

全体構造ー直接工事費・共通費・消費税等相当額の積み上げ

公共建築工事内訳書標準書式(建築工事編)は、工事費内訳書を「直接工事費と共通費を加算した工事価格に、消費税等相当額を加算することにより工事費を算出するようにまとめたもの」と説明しています。つまり積み上げは二段階です。まず直接工事費に共通費(共通仮設費・現場管理費・一般管理費等の合計)を加えて工事価格(税抜き)を求め、次に工事価格へ消費税等相当額を加えて工事費(総額)を算出します。

結論:内訳書の全体構造は「直接工事費+共通費=工事価格(税抜き)」「工事価格+消費税等相当額=工事費(総額)」という二段階の積み上げです。まずこの式を押さえておけば、内訳書のどの項目が最終金額のどこに効いてくるかが見えるようになります。

内訳書の階層ー種目別内訳書から細目別内訳書まで

公共建築工事内訳書標準書式では、内訳書自体も階層構造を持ちます。工事全体を示す「種目別内訳書」を最上位に、工事種目を主要な構成に従って区分する「科目別内訳書」、必要に応じて科目をさらに区分する「中科目別内訳書」(省略も可)、そして各科目・中科目に属する項目ごとに数量・単価・金額を記載する「細目別内訳書」へと、上から下に細かくなっていきます。この標準書式は建築工事編と設備工事編がそれぞれ定められており、電気設備工事・機械設備工事の入札に参加する場合も、基本となる階層の考え方は建築工事編と共通です。工種の呼び方や区分の粒度は工事の種類によって変わりますが、「種目→科目→(中科目)→細目」という上から下への流れ自体は変わりません。

注意:資料によって「工事価格」を税抜き総額の意味で使う場合と、「工事費」という言葉で工事全体を指す場合があります。積算基準を読む際は、その数値が消費税等相当額を含む前か後かを、その都度確認する習慣をつけてください。

初心者がまず内訳書のどこに注目すべきか

金抜設計書と内訳書を突き合わせる作業を始めたばかりであれば、最初に見るべきは最上位の種目別内訳書です。工事全体がどの工種に分かれ、それぞれいくらの規模かをまず把握します。次に科目別・細目別内訳書で直接工事費の中身(数量・単価・金額)を確認し、最後に共通費の欄を見ます。共通費は直接工事費に対する比率で算定される部分が多いため、直接工事費の集計が固まって初めて意味を持つ数字だからです。そして共通費まで積み上がった工事価格に消費税等相当額を加えたものが、最終的な工事費(総額)になります。共通費の率の内訳や計算式までは本記事では扱いませんので、詳細は別記事「共通費とは?」を参照してください。

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