最低制限価格の算出ツールを無料公開しています。全国対応です。
最低制限価格の算出ツールを無料公開しています。全国対応です。
直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等を入力するだけで、最低制限価格等と予定価格に対する割合が表示されます。登録や費用は不要です。
入札に参加するとき、最低制限価格がいくらに設定されているのかが気になります。事前公表されない以上、予定価格の何パーセント付近なのかを自分で見積もるしかありません。
ところが算定式は自治体ごとに少しずつ違います。このようなお悩みはありませんか。
- 自治体によって最低制限価格の水準が違う理由が分からない
- 算定式に自然対数が出てきて電卓で計算できない
- ランダム係数があると聞いたが、何にどう効くのか分からない
結論からお伝えすると、最低制限価格の算定は全国どこでも中央公契連モデルが土台になっており、自治体ごとの違いは「下限値」「独自係数」「ランダム係数」の3点にほぼ集約されます。
費目に掛ける係数そのものは共通です。土台を押さえたうえで、自分が応札する自治体がこの3点をどう設定しているかを確認すれば、水準は十分に見積もれます。
この記事を読むメリット
- 全国共通の土台である中央公契連モデルの計算式が分かります
- 自治体ごとに違いが出る3つの要素が分かります
- 費目を入力するだけで計算できる無料ツールが使えます
結論|違いは下限値・独自係数・ランダム係数の3点
最低制限価格の算定式を自治体ごとに比べると、構造はほとんど同じです。直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等にそれぞれ係数を掛けて合計し、予定価格に対する一定の範囲に収める、という流れは共通しています。
違いが出るのは次の3点です。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 下限値 | 国は予定価格の75%。自治体はこれより高い水準に引き上げている例がある |
| 独自係数 | 工事規模に応じて最終額を補正する係数を設けている自治体がある |
| ランダム係数 | 算定額に一定範囲の係数を乗じて確定させる自治体がある |
全国共通の土台は中央公契連モデル
土台になるのは中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル、いわゆる中央公契連モデルです。令和4年3月の最終改正で、計算式は次のようになっています。
- 直接工事費の額に10分の9.7を乗じて得た額
- 共通仮設費の額に10分の9を乗じて得た額
- 現場管理費の額に10分の9を乗じて得た額
- 一般管理費等の額に10分の6.8を乗じて得た額
この合計額が、予定価格に10分の9.2を乗じた額を超える場合は10分の9.2を乗じた額、10分の7.5を乗じた額に満たない場合は10分の7.5を乗じた額とされています。つまり上限92%・下限75%の範囲に収める仕組みです。
この改正では、一般管理費等の参入率が10分の5.5から10分の6.8に引き上げられました。企業として継続するために必要な経費の対象を考慮した結果とされています。
総務省と国土交通省は、地方公共団体に対しても、この見直しを踏まえて調査基準価格と最低制限価格の算定水準を適切に見直すよう要請しています。各自治体の算定式が中央公契連モデルを土台にしているのはこのためです。
自治体ごとに違う3つの要素
下限値の引き上げ
国の下限は75%ですが、自治体がこれより高く設定している例があります。たとえば福島県は、算定式の下限を0.87とし、最低制限価格等の範囲を予定価格の87%から92%までとしています。ダンピング対策として水準を引き上げている形です。
工事規模に応じた独自係数
中央公契連モデル式に、自治体独自の係数を乗じて最終額を出す方式もあります。福島県の場合は、A=−0.02×log(工事価格)+1.3765という式で求めた係数を乗じます。logは自然対数です。
この形の係数は、工事規模が小さいほど1を上回り、大きいほど1を下回ります。規模の大きい工事ほど最低制限価格の水準が下がる、という設計になります。電卓では計算しにくいのはこの部分です。
最後に乗じるランダム係数
算定した最低制限価格に、一定範囲の係数を無作為に乗じて確定させる自治体があります。くじ引きによる落札を避けることが目的です。
背景には、最低制限価格を事前公表すると入札が近傍価格に誘導され、同額の入札者によるくじ引き落札が増える、という問題があります。この点は総務省と国土交通省の通知でも指摘されており、事前公表を速やかに取りやめるよう要請されています。ランダム係数は、価格が1点に集中することを防ぐ運用上の工夫といえます。
係数の範囲や、予定価格と最低制限価格のどちらに乗じるかは自治体によって異なります。ここは各自治体の要綱や入札公告によるため、一般的な運用をもとに整理しています。応札前にご自身で確認されることをおすすめします。
最低制限価格は事前公表されません。本ツールの計算結果は、公表されている算定式に基づく参考値としてお取り扱いください。ランダム係数を採用している自治体では、計算結果にその自治体の係数を個別に乗じる必要があります。
算定式の解釈や、自社の積算と設計書の差額についてのご相談はよろず相談箱へお寄せください。
計算ツールの使い方
操作手順
- 算定方式を選びます。独自係数のない自治体は「中央公契連モデル」を選びます
- 直接工事費・共通仮設費・現場管理費・一般管理費等を税抜金額で入力します
- 「計算する」を押すと、最低制限価格等と予定価格に対する割合が表示されます
- ランダム係数のある自治体は、表示された金額にその係数を乗じます
内訳表には、費目ごとの控除後の額と、上限下限のどちらが適用されたかが表示されます。どの段階で頭打ちになったのかが分かるため、自治体ごとの設定を比較する用途にも使えます。
まとめ
最低制限価格の算定は、全国どこでも中央公契連モデルが土台です。費目に掛ける係数は共通で、違いが出るのは下限値・独自係数・ランダム係数の3点に絞られます。
そして、この計算を正確にできたとしても、入力する費目の金額そのものが発注者の設計書とずれていれば意味がありません。最低制限価格の水準より、予定価格をどれだけ正確に再現できるかのほうが落札を左右します。金抜設計書から積算基準どおりに積み上げられているかどうかが、最終的な精度を決めます。
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出典:総務省・国土交通省「ダンピング対策の更なる徹底に向けた低入札価格調査基準及び最低制限価格の見直し等について」(令和4年3月9日)別添「工事請負契約に係る低入札価格調査基準中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」/福島県入札監理課「福島県の最低制限価格等の算定式について」(令和6年11月18日)
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