支給材料・貸与品とは?

支給材料・貸与品とは何か

公共工事では、発注者(福島県など)が工事に使う資材や機械の一部を自ら購入・調達し、受注者に無償で渡すことがあります。工事材料を渡す場合を「支給材料」、建設機械器具を貸し出す場合を「貸与品」と呼びます。受注者が自分で調達・購入するのが原則の建設資材の中で、これだけは発注者側が用意する例外的な仕組みです。

支給材料・貸与品は、発注者が自ら購入・調達して受注者に無償で渡す資材・機材の制度であり、工事で生じた廃棄物を処分する「処分費」や、金属くずなどを売却する「スクラップ有価物」とはまったく別の仕組みです。積算上も、支給材料を使う工事は現場管理費の算定方法が通常と異なる点に注意が必要です。

根拠となる条文:福島県工事請負契約約款第15条

福島県が発注する工事の契約条件を定める「福島県工事請負契約約款」第15条(支給材料及び貸与品)には、支給材料・貸与品の品名、数量、品質、規格または性能、引渡場所、引渡時期は設計図書に定めるところによると規定されています。あわせて、引渡し時の検査、受注者による善良な管理者としての注意義務、工事完成後の返還義務、亡失・き損した場合の損害賠償責任などが定められています。つまり支給材料・貸与品は発注者からの「貸し借り・支給」であって、受注者の所有物にはならないという点が契約上明確にされています。

現場での実務手続き

実務では、支給材料を受け取った受注者は引渡しの日から一定期間内に「支給品受領書」を監督職員に提出し、工事完成時には支給した数量と実際に使った数量を照合する「支給品精算書」を提出します。貸与品については「借用書」を提出して借り受け、使用終了後に「返納書」を提出して返還します。万一、支給材料・貸与品を亡失・き損した場合は速やかに監督職員へ報告する義務があります。

積算上の扱い:現場管理費への加算

支給材料は無償で受け取るため受注者の直接工事費には計上されませんが、積算上まったく無関係というわけではありません。国土交通省の公共建築工事積算基準等資料では、支給材(発注者側が購入・製作した資機材)を使用して施工する場合、その支給材を購入したと仮定した評価額の2%を現場管理費に加算すると定められています。ただし再利用資機材については、この加算の対象外とされています。

既存記事で解説した「処分費・スクラップ」は、共通費率計算のベースから除外される(率対象外)項目でした。一方、支給材料は発注者が用意し無償で支給・貸与する資材・機材という別制度であり、使用する場合は現場管理費側にその評価額の2%を加算する、という積算上の扱いを受けます。混同しないよう整理しておく必要があります。

なぜ「無償で受け取る」のに現場管理費が増えるのか

初心者がここで疑問に感じやすいのが、支給材料は無償なのに、なぜ現場管理費という費用側の項目が増えるのか、という点です。支給材料・貸与品を使う工事では、受注者はその資材・機材を自社で購入していなくても、受け取り・保管・使用管理・返還といった事務や管理の手間が発生します。国土交通省の積算基準が、支給材を評価額の2%分だけ現場管理費に加算するとしているのは、この管理の手間を費用として見込むためと理解できます。積算をする側としては、支給材料の有無と評価額を見落とすと、この2%加算分だけ予定価格の再現に差が出てしまう点に注意が必要です。

初心者が押さえておくべきポイント

支給材料・貸与品がある工事案件を積算する際は、設計図書で支給材料・貸与品の品目と評価額を確認し、現場管理費の2%加算の有無・再利用資機材への該当性を見落とさないことが重要です。処分費・スクラップの二重控除とは別の論点として、積算ソフトへの入力時に取り違えないよう注意してください。

SEKISAN-PRO|福島県公共営繕積算情報プラットフォーム

どの積算ソフトを選べばいいか迷っていませんか?

公共建築・公共土木・設備工事など、工事内容に合わせた積算ソフト選びをお手伝いします。
匿名OK・会社名不要です。

よろず相談箱はこちら →