入札参加資格(県外業者)の格付けとは?
結論
この記事の結論
福島県の建設工事格付けは「客観点(経営事項審査)+主観点(工事成績など)」の総合点で決まりますが、主たる営業所が福島県外にある業者は主観点を持たず、客観点のみで格付けされます。理由は、主観点の柱である工事成績評定が「福島県発注工事の直近3年間の実績」に基づいて算定される仕組みだからです。福島県発注工事の実績がない県外業者は、そもそも主観点を算定できません。結果として、経審の総合評定値(P点)が格付けを事実上決定します。
なぜ県外業者は客観点のみになるのか
福島県公表資料「福島県の入札制度」によれば、格付けは「客観的事項及び主観的事項について評価方法により客観点及び主観点を算出し、これを合計した総合点」で行われます。このうち主観点の工事成績は「審査基準日の直前3年間に発注した県工事の工事種別ごとの工事成績について…主観点を付与する」と定義されています。つまり主観点の算定対象はあくまで「県工事」の施工実績です。
福島県発注工事の実績を持たない県外業者は、この主観点を得る手段がありません。そのため同資料では「県外に主たる営業所を有する業者については、客観点のみにより格付けを行うものとする」と明記されています。
客観点=経審の総合評定値(P点)とは
客観点は、建設業法第27条の23に基づく経営事項審査(経審)の結果によります。経審は国土交通省の全国統一基準により、経営規模(X1:完成工事高、X2:自己資本額・利払前税引前償却前利益)、経営状況(Y)、技術力(Z)、社会性等(W)の5要素を審査し、総合評定値(P点)を「0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W」の算式で算出します。この全国共通の数値が、県外業者の格付けの基礎になります。
県内業者との違い
ポイント
県内業者(主たる営業所が福島県内)は客観点と主観点の合計で格付けされ、既報のとおり一般土木・舗装・建築・電気・暖冷房衛生設備の5業種では客観点7割・主観点3割が基準です。一方、県外業者はこの5業種を含め全業種で客観点のみとなり、経審の点数がそのまま格付けを左右します。
言い換えると、県内業者は経審の点数が同じでも、工事成績や下請発注比率、優良工事の有無、ISO認証取得などの主観点によって等級が上下しますが、県外業者にはこの上下要因がなく、経審の結果だけで等級が固定される点が最大の違いです。
注意
福島県の資料には、前回の有資格者名簿でC・Dランクだった業者、および新規申請者についてはBランクを上限とする調整を行う旨の記載があります。県外から新規に参入する業者も、初回申請時は経審の点数が高くても最上位ランクには届かない場合があることに留意してください。
県外業者が格付けを上げるためにできること
県外業者にとって格付けを上げる直接的な手段は、経審の各評点を高めることです。具体的には、許可業種別の完成工事高を伸ばす(X1)、自己資本額や利益水準を改善する(X2)、負債抵抗力や収益性など財務内容を改善する(Y)、技術職員数や元請完成工事高を強化する(Z)、ISO認証や建設キャリアアップシステムの活用など社会性等の項目を積み上げる(W)といった取り組みが該当します。
一次資料で確認できなかった点
経審の各評点をどの程度改善すれば具体的に等級が何段階上がるかという等級ごとの基準点数(S・A・B・Cなどの区分点)は、確認できた資料が制度見直しの検討案段階のものにとどまり、現行の正式な基準数値としては確認できませんでした。最新の基準点数は福島県入札監理課への確認をおすすめします。
まとめ
県外業者が客観点のみで格付けされるのは、主観点の柱である工事成績評定が福島県発注工事の実績を前提とする仕組みだからです。県内業者のような主観点による加点・減点がない分、格付けを左右するのは経審の総合評定値(P点)のみとなります。県外から福島県の公共工事入札を狙う場合は、まず経審の各評点をどう高めるかが格付け対策の出発点になります。
SEKISAN-PRO|福島県公共営繕積算情報プラットフォーム

