【仙台市】公共積算の見積単価データベースを作る【無料Excelあり】

公共営繕積算

見積単価は記録しないと次に使えない
データベース化する方法

自社の見積単価と設計書の単価を1行ずつ残し、条件を揃えて比較できる形にするための項目を整理します。

入力用のエクセルを用意しました

この記事で整理する項目をそのまま列にしたエクセルです。差額と差率は数式が入っているので、自社見積単価と設計書単価を入れるだけで計算されます。

見積単価データベース_分析付(Excel)をダウンロード

このようなお悩みはありませんか。

  • 前にも似た品目を見積もった気がするが、いくらだったか思い出せない
  • 設計書の単価と自社の見積りが違っていたことは覚えているが、どれくらい違ったか記録がない
  • 案件ごとにバラバラのエクセルに残していて、後から探せない
  • 積算の精度を上げたいが、何を貯めればよいのか分からない

見積単価は、積算単価表にも刊行物にも載っていない品目で使う単価です。案件ごとに個別に動くため、自分で記録しない限り手元に残りません。そして記録がないまま次の案件を迎えると、また同じ精度で見積もることになります。

この記事を読むメリット

見積単価を残すときに最低限必要な項目が分かります。単価の数字だけを貯めても比較に使えない理由と、差額を見るときの注意点もあわせて整理します。

1結論:単価より「条件」を一緒に残す

単価だけの記録は使えない

「非常用照明器具 28,500円」とだけ残しても、次の案件では使えません。いつの単価か、どの地区の単価か、どんな規格かが分からないためです。記録として機能させるには、単価と同じ行に適用時期・地区・規格を並べておく必要があります。

これは発注者側の積算ルールからも説明がつきます。宮城県の運用では、適用する単価は公告または指名の通知を行う月の前月における単価とされ、刊行物の地区の採用順位も仙台市、東北、全国、東京の順と定められています。時期と地区が違えば、そもそも別の単価が適用されているということです。

条件を書き添えずに数字だけ並べると、比較しているつもりで別物を比べることになります。

2最低限、残しておく項目

項目を増やしすぎると入力が続きません。次の範囲に絞れば、1件あたり1分程度で記録できます。

項目残す理由
発注者発注機関ごとに単価の傾向が異なるため
工事種別建築・電気設備・機械設備で単価体系が分かれるため
適用時期いつの単価かが分からないと比較できないため
地区地区が違えば適用される単価が変わるため
メーカー同じ名称でもメーカーが違えば価格帯が変わるため
名称・規格後から同一品目を抽出するため。設計書の表記をそのまま転記する
数量数量による条件の違いを後から確認するため
自社見積単価比較の基準になるため
設計書単価開札後に金入設計書で確認できた単価
備考補正の有無や質疑回答など、数字に出ない事情を残すため

名称と規格は書き換えない

設計書の表記を自分の言い方に直してしまうと、後から検索しても引っかからなくなります。読みにくくても設計書どおりに転記し、補足は備考に書いてください。

入力用のエクセルを用意しました

上の項目をそのまま列にしたエクセルです。差額と差率は数式が入っているので、自社見積単価と設計書単価を入れるだけで計算されます。

見積単価データベース_分析付(Excel)をダウンロード

3差額と差率はセットで見る

自社見積単価と設計書単価が揃えば、差額と差率が出せます。

計算式

差額=設計書単価-自社見積単価
差率=設計書単価÷自社見積単価-1

自社30,000円に対して設計書が28,500円であれば、差額はマイナス1,500円、差率はマイナス5.0%です。

差額だけを見ていると、金額の大きい品目ばかりが目につきます。差率を並べると、単価そのものは小さくても割合として大きくずれている品目が見つかります。どちらか一方では傾向が見えません。

なお、差が出た理由までは数字からは分かりません。見積りが採用されなかったのか、採用されたうえで補正が入ったのか、そもそも別の単価が使われたのか。判断できた範囲を備考に残しておくと、件数が増えたときに意味を持ちます。

4比較するときに揃える3つ

記録が貯まってきたら、次の3つを揃えてから並べてください。

揃える条件

  • 工事種別 建築と設備で単価体系が違います
  • 地区 地区区分が違う単価を並べても比較になりません
  • 適用時期 時期が離れた単価は改定をまたいでいる可能性があります

この3つを揃えずに平均を取ると、条件の違う数字が混ざった平均が出てきます。件数が少ないうちは特に、傾向を断定せず、同じ条件の記録が複数集まってから判断してください。

5まとめ

この記事の要点

  • 単価の数字だけでは記録にならない。適用時期・地区・規格を同じ行に残す
  • 名称と規格は設計書の表記をそのまま転記する
  • 差額と差率は両方並べる。片方だけでは傾向が見えない
  • 比較するときは工事種別・地区・適用時期を揃える
  • 件数が少ないうちは傾向を断定しない

記録そのものは地味な作業ですが、案件をまたいで比較できる形で残っているかどうかで、次の積算の精度が変わります。まずは1案件分、10行でも構いませんので、同じ形式で書き出すところから始めてください。

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本記事は実務上の整理であり、単価の適用に関する記述は宮城県「宮城県公共建築工事積算単価・基準等の運用」令和8年3月改定に基づいています。運用は発注者により異なりますので、個別案件については発注者へご確認ください。

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