市場単価に専門工事業者の諸経費は含まれている?積算初心者向けに解説

市場単価に専門工事業者の諸経費は含まれている?積算初心者向けに解説

公共建築工事の積算を始めたばかりの頃、「市場単価とは何か」「積み上げ積算との違いは何か」「専門工事業者の諸経費は別途加算するのか」といった点で迷うことがあります。

結論:市場単価には、専門工事業者の諸経費が含まれています。
そのため、市場単価を採用した工種では、専門工事業者の諸経費を別に加算する必要はありません。

市場単価とは

市場単価とは、元請業者と下請の専門工事業者間の取引についての調査結果に基づく、単位施工当たりの価格です。

「公共建築工事標準単価積算基準」(令和8年)では、次のように定義されています。

基準の定義
市場単価は、元請業者と下請の専門工事業者間の取引についての調査結果に基づく、単位施工当たりの価格であり、材料費、労務費、機械器具費等(専門工事業者の諸経費を含む。)によって構成される。

つまり、「この工事を専門業者に依頼したらだいたいこれくらいかかる」という実勢に近い価格であり、諸経費込みの単価です。

市場単価は「全部入り」の単価

積み上げ積算では、材料費・労務費・機械器具費を個別に計算したうえで、専門工事業者等の諸経費を別途加算します。

積み上げ積算の構成
材料費
+ 労務費
+ 機械器具費
+ 専門工事業者の諸経費

一方、市場単価はこれらが最初から一体化されています。

市場単価の構成
市場単価 = 材料費 + 労務費 + 機械器具費 + 専門工事業者の諸経費

市場単価を採用した後に専門工事業者の諸経費を別途加算すると、二重計上になります。

市場単価が使える工種は決まっている

市場単価はすべての工種に使えるわけではありません。公共建築工事標準単価積算基準では、対象工種が定められています。主な工種は以下のとおりです。

市場単価適用工種一覧(建築18工種38分類)

出典:国土交通省『営繕積算方式』活用マニュアル

対象外の工種は積み上げ積算で算定します。どの工種が市場単価の対象かは、標準単価積算基準の各編・各節の「一般事項」に記載があります。

令和8年改定との関係

令和8年の改定では、積み上げ積算における経費の名称が整理され、従来の「その他率」に代わって「専門工事業者等の諸経費」という考え方が明示されました。

積み上げ積算を行う場合は、材料費・労務費だけでなく、専門工事業者が実際に必要とする現場管理費や一般管理費等も計上する考え方になっています。

市場単価については、以前から専門工事業者の諸経費が含まれる単価として定義されており、今回の改定でこの点は変わっていません。

まとめ

市場単価は、材料費・労務費・機械器具費に専門工事業者の諸経費を含んだ「全部入りの単価」です。

市場単価を採用した工種では、専門工事業者の諸経費を別途加算しません。

積算初心者のうちは、
・市場単価=専門業者への発注価格に近い単価
・積み上げ積算=材料費や労務費を個別に計算する方式
と整理しておくと理解しやすいと思います。

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