変更設計・設計変更とは?

設計変更とは何か

公共工事の入札・施工に関わり始めると、「設計変更」「変更設計」という言葉を頻繁に耳にします。以前の記事「設計図書とは?」で確認したとおり、設計図書は公共工事標準請負契約約款第1条で定義される、図面・仕様書・現場説明書・質問回答書のセットです。設計変更とは、この設計図書の内容を、契約後に発注者が変更する手続きを指します。

発注者が積算した予定価格は、入札時点の設計図書をもとに算出されています。ところが実際の施工では、設計図書どおりに工事が進まない場面が出てきます。そのときに設計図書を書き換え、それに応じて工期や請負代金額を見直すのが設計変更です。

結論
設計変更とは、契約後に発注者が設計図書の内容を変更する手続きです。福島県工事請負契約約款では、第18条「条件変更等」と第19条「設計図書の変更」に規定されており、これに基づいて工期や請負代金額が見直されます。積算を学ぶ側にとっては、「予定価格=固定」ではなく、施工条件の変化に応じて金額が変わり得る仕組みだと理解しておくことが重要です。

福島県工事請負契約約款上の根拠条文

福島県工事請負契約約款(平成8年3月29日付け8財第175号総務部長依命通達、最終改正 令和3年3月26日)には、設計変更に関わる規定として以下の条文があります。

  • 第18条(条件変更等):受注者は、工事の施工にあたり、図面の不一致、設計図書の誤謬・脱漏、表示の不明確、施工条件と実際の現場の相違などに該当する事実を発見したときは、直ちに監督員に通知し、確認を請求しなければならないと定めています。
  • 第19条(設計図書の変更):発注者は、第18条第4項の規定による場合のほか、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができると定めています。

つまり、設計変更が発生する経路は大きく2つあります。1つは、施工中に受注者が現場の相違などを発見し、監督員への通知・確認を経て設計図書が訂正・変更される経路(第18条)。もう1つは、発注者側の判断で設計図書を変更する経路(第19条)です。

関連条文
設計変更に伴い工期や請負代金額を見直す場合は、福島県工事請負契約約款第24条(工期の変更方法)・第25条(請負代金額の変更方法等)の規定に基づいて協議されます。

設計変更が発生する典型的な場面

福島県が公表している設計変更等ガイドライン(土木工事編・建築工事編)では、第18条「条件変更等」に該当する場面として、次のようなケースが挙げられています。

  • 設計図書に誤謬・脱漏がある場合
  • 設計図書の表示が不明確な場合
  • 設計図書に示された施工条件と、実際の工事現場の状態が一致しない場合
  • 予期することのできない特別な状態が生じた場合(地中障害物、埋蔵文化財の発見など)

これらの事実が確認された結果、発注者が必要と判断すれば、第19条に基づき設計図書そのものが変更されます。設計図書が変わるということは、数量・仕様・施工範囲が変わるということであり、それに応じて請負代金額も見直しの対象になります。

初心者が誤解しやすい点
設計変更は「現場で自由に仕様を変えてよい」という意味ではありません。福島県工事請負契約約款上、まず監督員への通知・確認(第18条)、または発注者からの通知(第19条)という手続きを経る必要があります。受注者の独断による施工内容の変更は、この条文が想定する設計変更には当たりません。

積算を学ぶうえでの位置づけ

本サイトのテーマである積算は、発注者側が予定価格を積算基準どおりに再現・推定する作業です。入札段階の積算は、あくまで入札時点の設計図書に基づいて行われます。しかし工事は生き物であり、地中障害物の発見や施工条件の相違など、契約後に設計図書が変更されるケースは珍しくありません。

つまり、積算を理解するということは、入札時の金額の作られ方だけでなく、契約後に設計図書と金額がどのような手続き(第18条・第19条、そして第24条・第25条)で見直されるのかという、公共工事全体の枠組みを理解することでもあります。

SEKISAN-PRO|福島県公共営繕積算情報プラットフォーム

どの積算ソフトを選べばいいか迷っていませんか?

公共建築・公共土木・設備工事など、工事内容に合わせた積算ソフト選びをお手伝いします。
匿名OK・会社名不要です。

よろず相談箱はこちら →