共通仮設費率の算定式を読む|新営建築工事のKr計算とExcel入力方法【令和8年版】
積算担当の皆様、お疲れ様です。今回は共通仮設費率の中でも最も使用頻度が高い、新営建築工事の算定式を取り上げます。式の読み方とExcelでの入力方法を整理します。
この記事のポイント:新営建築工事の共通仮設費率はKr=Exp(3.346-0.282×logeP+0.625×logeT)で算定する。PとTの単位・処理方法に注意が必要。
算定式の全体像
公共建築工事共通費積算基準(令和8年改定)別表-1に定められた新営建築工事の共通仮設費率の算定式は次のとおりです。
Exp( )は指数関数e( )を表し、eはネイピア数(自然対数の底)です。logeは自然対数を意味します。
Pの入力方法:単位は「千円」
算定式に代入するP(直接工事費)は千円単位です。
例:直接工事費が165,520,850円の場合
算定式に代入するP = 165,520.850(千円単位、小数点以下3桁)
円をそのまま入力するのではなく、1,000で割った値を使います。この点はミスが起きやすいので注意してください。
Tの入力方法:工期(か月)の求め方
Tは工期(か月)ですが、積算時点では工期が未確定のため、次の方法で算定します。
T(か月)=「開札予定日から工期末の期間」-「開札予定日から契約締結までの準備期間7日」を月換算したもの
Tの値は小数点以下第2位を四捨五入して1位止めとします。
注意:工期は「契約締結の翌日から工期末まで」ですが、積算時点では工期が未確定のため、上記の方法で月換算した値を使います。Tの丸め処理(1位止め)はKrの丸め処理(2位止め)と異なります。混同しないよう注意してください。
Krの丸め処理
算定式で求めたKrの値は、小数点以下第3位を四捨五入して2位止めとします。
例:計算結果が4.124…→ Kr = 4.12(%)
Excelでの計算方法
Excel入力式:
Kr = EXP(3.346-0.282*LN(P)+0.625*LN(T))
※P・Tにはそれぞれのセルやかの数値を直接入力します。EXP関数(指数関数)とLN関数(自然対数)を使います。
Pの適用範囲に注意
別表-1の注3には、直接工事費(P)が以下の範囲を外れる場合は共通仮設費を別途定めることができると記載されています。
| 工種 | Pの適用範囲 |
|---|---|
| 新営建築工事 | 10,000千円 ≦ P ≦ 5,000,000千円 (1,000万円以上50億円以下) |
福島県の公共営繕工事で一般的に扱う規模(1億〜3億円程度)はこの範囲内に収まります。範囲外の工事では別途定めることができます。
算定例で確認する
国土交通省官庁営繕部の算定例(令和8年)をもとに確認します。
直接工事費:165,520,850円(P=165,520.850千円) / 工期:10.3か月
Kr = Exp(3.346 - 0.282 × loge(165,520.850) + 0.625 × loge(10.3))
= 4.12(%)
算定式・単位・丸め処理の3点を正確に押さえれば、Excelで確実に再現できます。次回は工種別・新営改修別で算定式がどう変わるかを解説します。
