指名停止措置とは?

指名停止措置とは何か

国が定める「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(建設省厚第91号、最終改正令和2年12月25日国会公契第22号)は、地方整備局等の発注機関が、有資格業者が別表に掲げる措置要件に該当した場合、情状に応じて期間を定めて指名停止を行うことを定めたものです。指名停止を受けた業者は、その期間中は指名されなくなり、既に指名されている場合は指名が取り消されます。

結論
指名停止措置とは、発注者が受注者の不正行為や事故等を理由に、一定期間、入札参加資格を制限する措置です。国は「指名停止等の措置要領」で仕組みを定め、地方公共団体はこれを参考にした独自の要綱を運用しています。福島県では「福島県建設工事等入札参加資格制限措置要綱」に基づき、贈賄・談合・粗雑工事等の行為類型ごとに制限期間が定められ、該当すると県発注のすべての競争入札に参加できなくなります。

全国の地方公共団体が参考にするモデル

地方公共団体向けには、中央公共工事契約制度運用連絡協議会が昭和59年3月23日に採択し、平成6年4月20日に全部改正した同名の「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(モデル)があります。都道府県・市区町村は、このモデルを参考にそれぞれ独自の要綱を制定し、指名停止(参加資格制限)制度を運用しています。

福島県の制度―建設工事等入札参加資格制限措置要綱

福島県では「福島県建設工事等入札参加資格制限措置要綱」(平成19年3月30日総務部長依命通達制定、現行版は令和7年6月1日適用)に基づき運用されています。第1条は、有資格業者名簿に登録された業者が別表の措置要件に該当した場合、一定期間、県発注建設工事等のすべての競争入札への参加を制限すると規定。第2条により、知事が事実を認定したときは、情状に応じて別表措置基準により期間を定めて制限を行い、対象業者は入札参加者や落札候補者・落札者からも除外されます(第2条第2項)。

注意(用語の違い)
福島県の要綱本文では「参加資格制限」という用語が使われ、「指名停止」の語は用いられていません。一方で県公式サイトの案内ページは「入札参加資格制限(指名停止)情報」として両者を同義に扱っています。条文を調べる際は「参加資格制限」で検索してください。

対象となる行為類型(別表第1・第2)

別表第1(事故等)は、虚偽記載、過失等による粗雑工事、契約違反、公衆損害事故、工事関係者事故を規定しています。別表第2(贈賄及び不正行為等)は、贈賄、独占禁止法違反行為、公契約関係競売等妨害等(談合)、建設業法違反行為、廃棄物処理法違反行為、労働安全衛生法違反行為、暴力的不法行為等、不正又は不誠実な行為、代表役員等の刑事事件を規定しています。

制限期間の目安

虚偽記載や粗雑工事、建設業法違反行為等は1か月以上12か月以内、独占禁止法違反行為は12か月以上24か月以内、贈賄や公契約関係競売等妨害等(談合)は18か月以上24か月以内と、行為の悪質性に応じて期間の幅が設定されています。1つの事案が複数の措置要件に該当する場合は、最も長い期間のもので措置されます(第4条第1項)。また知事は特別な事由があれば、短期の2分の1まで短縮、長期の2倍まで延長することができます。

入札参加資格への影響

制限期間中は、県が発注するすべての競争入札に参加できなくなるほか(第2条第2項)、随意契約の相手方となることも認められません(第10条)。さらに、他の元請業者の下請をし、若しくは受託し、又は完成保証人となることも認められません(第11条)。指名停止(参加資格制限)は、有資格業者名簿への登録の有無にかかわらず、登録業者が一定期間、受注機会そのものを失う重い措置です。

ポイント
指名停止措置は、国の措置要領を土台に、都道府県・市区町村が独自の要綱で運用する仕組みです。福島県の場合、要綱の別表にある対象行為類型と制限期間の目安をあらかじめ把握しておくことで、自社の契約履行や下請管理上、どのような行為が指名停止につながるのかを判断しやすくなります。
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