監理技術者資格者証・監理技術者講習とは?

1億〜3億円規模の公共工事の入札公告を見ていると、「配置予定技術者」の欄に監理技術者資格者証の番号や監理技術者講習の修了年月日を記入させる様式が出てきます。積算の勉強を始めたばかりだと、この2つの制度が何を指しているのか分かりにくいところです。本記事では建設業法および国土交通省の一次資料に基づき、制度の根拠と実務上のポイントを整理します。

結論

監理技術者資格者証は、専任の監理技術者として配置される技術者本人であることと資格要件を証明する証明書で、有効期間は交付から5年間です。監理技術者講習は国土交通大臣登録の実施機関が行う法定講習で、専任の監理技術者として選任されるには、この講習を過去5年以内に受講している必要があります。公共工事の入札で専任配置が求められる案件に技術者を配置する場合、資格者証と講習修了のいずれか一方でも有効期間切れになっていると、その技術者を専任の監理技術者として配置できません。

監理技術者資格者証とは

建設業法第26条第4項・第5項および第27条の19により、公共性のある施設等に関する重要な工事で専任の監理技術者を置かなければならない場合、その専任の監理技術者は「監理技術者資格者証の交付を受けている者」であって、かつ国土交通大臣の登録を受けた講習を過去5年以内に受講した者のうちから選任しなければならないと定められています。

資格者証は、指定資格者証交付機関である一般財団法人建設業技術者センターが交付しており、本人であることのほか、所属建設業者や保有資格などが記載されます。有効期間は交付日から5年間です。専任の監理技術者は、当該工事に係る職務に従事しているときは常時資格者証を携帯し、発注者から請求があったときは提示しなければならないとされています。

なお平成28年6月1日以降は、資格者証の裏面に監理技術者講習の修了履歴を貼り付ける運用となっており、資格者証と講習修了証は実質的に1枚のカードで管理される形になっています。

監理技術者講習とは

監理技術者講習は、専任の監理技術者として選任されるための要件の一つとして受講が求められる法定講習です。国土交通大臣に登録された講習実施機関が実施しており、内容は1日で、建設工事に関する法律制度(1.5時間)、施工管理に関する技術的知識(2.5時間)、建設工事に関する最新の材料・資機材及び施工方法に関する事項(2.0時間)で構成されています。修了証は受講当日に交付されます。

講習の有効期間については、建設業法施行規則の改正により令和3年1月1日から取り扱いが変更されました。改正前は「受講日から5年以内」でしたが、改正後は「受講した年の翌年1月1日から5年以内」が有効期間となっています。この改正は、技術検定の合格発表時期に受講が集中する偏りを緩和する目的で行われたものです。

注意

資格者証の有効期間(交付から5年)と、講習の有効期間(受講した年の翌年1月1日から5年以内)は、起算点が異なる別々の期間です。専任配置が必要な工事に技術者を配置する際は、資格者証・講習修了のいずれも有効期間内であるかを個別に確認する必要があります。どちらか一方でも切れていると、専任の監理技術者としての要件を満たしません。

主任技術者との違い

建設業法上、資格者証の携帯と講習の受講が求められるのは専任の監理技術者としての選任要件であり、主任技術者の選任要件としては定められていません。監理技術者と主任技術者を混同して積算・入札の資料を読むと、必要な証明書類を取り違えることがあるため、案件ごとにどちらの技術者配置が求められているかをまず確認することが大切です。

入札に参加する企業が押さえておくべきポイント

1〜3億円規模の公共工事では、請負金額や下請代金の額によって専任の監理技術者の配置が求められる案件があります。専任配置が必要な案件に配置予定技術者を届け出る場合、その技術者が監理技術者資格者証を保有し、かつ監理技術者講習を有効期間内に受講済みであることが前提になります。資格者証・講習のいずれかが失効していると、その技術者を専任の監理技術者として配置できず、入札参加や契約手続きに支障が生じる可能性があります。

実務知識に基づく補足

資格者証・講習修了証の有効期間の管理は、更新手続きに一定の期間を要することがあるため、期限が近づいてから慌てないよう余裕を持って確認しておくことが望ましいと考えられます。具体的な更新手続きの方法や必要書類は、指定資格者証交付機関および登録講習実施機関の案内を直接確認してください。

参照した一次資料

資料 発行元
監理技術者資格者証および監理技術者講習(制度解説資料) 国土交通省 関東地方整備局
監理技術者資格者証について(指定資格者証交付機関に関する資料) 国土交通省
監理技術者資格者証の交付に代わる方策の検討(監理技術者制度と資格者証の概要) 国土交通省
監理技術者講習の実施機関一覧・講習内容 国土交通省
監理技術者講習の有効期間の取扱いの変更について(建設業法施行規則の一部改正) 国土交通省 不動産・建設経済局建設業課
技術者制度の概要(建設業法第26条、26条の3、26条の4に関する資料) 国土交通省

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