一般競争入札・指名競争入札・随意契約とは?

公共工事の入札に参加しようとすると、「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」という3つの言葉に必ず出会います。積算とは、発注者が積算基準に沿って算定した予定価格を再現・推定する作業ですが、その前提として、そもそもその工事がどの契約方式で発注されているかを理解しておく必要があります。本記事では、3つの契約方式の違いを公式資料に基づいて整理します。

結論

地方自治法上、公共工事の契約は「一般競争入札」が原則であり、「指名競争入札」と「随意契約」は政令で定める場合に限って認められる例外的な方式です。1〜3億円規模の建築・電気・機械設備工事の多くは、一般競争入札または指名競争入札で発注されます。随意契約は、入札不調時や緊急時など限られた場面でのみ用いられ、この金額帯の工事で最初から採用されることはほとんどありません。

3つの契約方式の法的な位置づけ

地方自治法第234条第1項は、契約の締結方法を「一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売り」の4種類と定めています。そのうえで第2項は、指名競争入札・随意契約・せり売りは「政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる」としており、一般競争入札が原則であることが法律上明記されています。指名競争入札・随意契約が使える具体的な場合は、地方自治法施行令で定められています。

一般競争入札とは

一般競争入札は、入札参加資格を満たす者であれば誰でも参加を申し込める方式です。国土交通省「公共工事の入札契約方式の適用に関するガイドライン」は、競争参加者の設定方法について「原則として一般競争入札を選択する」とし、その理由として「透明性、競争性、公正性及び経済性を確保することができる」ことを挙げています。福島県では「福島県工事等競争入札心得」第10条により、条件付一般競争入札では入札保証金の納付が免除されています。

指名競争入札とは

指名競争入札は、発注者が資力・信用等について適切と認めた特定多数の者を通知で指名し、その指名業者間のみで競争させる方式です。地方自治法第234条第2項、地方自治法施行令第167条・第167条の11・第167条の12を根拠とし、同ガイドラインでは「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で一般競争に付する必要がない場合」または「一般競争に付することが発注者に不利となる場合」に限って用いる方式とされています。福島県工事等競争入札心得第19条では、指名競争入札の入札保証金の納付等は「入札執行者の定めるところによる」とされ、案件ごとに個別に定められます。

随意契約とは

随意契約は、競争によらず発注者が任意に特定の相手方を選んで契約する方式です。地方自治法施行令第167条の2第1項は、随意契約が認められる場合を9号にわたって列挙しており、主な類型として「予定価格が規則で定める額を超えないとき」(少額随契)、「性質又は目的が競争入札に適しないとき」、「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」、「競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき」(いわゆる不落随契)などがあります。福島県入札監理課の資料でも、随意契約は「競争の方法によらないで、県が任意に特定の相手方を選択して契約を締結する方法」と説明されています。

少額随意契約の基準額は各自治体の財務規則で定められており、近年引き上げの動きもありますが、いずれにしても金額基準だけで1〜3億円規模の工事が随意契約の対象になることはありません。この金額帯で随意契約が使われるとすれば、入札が不調に終わった場合や、緊急性・特殊性が認められる限られたケースに限られます。

3方式の違いと積算実務への影響

契約方式 参加できる者 主な根拠
一般競争入札 資格要件を満たせば誰でも申込可 地方自治法第234条第1項(原則)
指名競争入札 発注者が指名した特定多数のみ 施行令第167条・167条の11・167条の12
随意契約 発注者が選定した特定の相手方のみ 施行令第167条の2各号

積算は、施工原価を自社で計算する「見積り」とは異なり、発注者が積算基準どおりに算定した予定価格を、金抜設計書をもとに再現・推定する作業です。どの契約方式で発注されているかによって、参加できるかどうか、準備すべき書類や手続の流れが変わってくるため、案件を見た時点でまず契約方式を確認する習慣をつけておくと、その後の積算作業をスムーズに進められます。

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