みらいちゃんと学ぶ公共営繕積算|統括情報表の入力項目をわかりやすく解説

誠さん!積算はじめるときの統括情報表って、それぞれの項目がどういう意味なのか教えてほしいんです!設計書を見ながら入力するんですよね?
よいところに気がついたのじゃ。統括情報表は共通費(共通仮設費・現場管理費・一般管理費等)の計算条件を決める大事な画面でな、ここの設定がずれると積算金額全体がずれてしまうのじゃよ。一つひとつ確認していこうではないか。
「前払率:40%」って書いてあるんですけど、これって積算に関係あるんですか?
大ありじゃよ!前払率は一般管理費等率の補正に直結するのじゃ。前払金が少ないと受注者は資金を借入に頼らざるを得なくて、その金利負担分を一般管理費等に上乗せして認めるという考え方じゃな。
前払率が35%を超えていれば補正なしじゃ。40%なら何もしなくてよい。ところが35%以下になると補正係数が乗って一般管理費等率が割増しされるのじゃよ。
| 前払金支出割合 | 補正係数 |
|---|---|
| 35%超(40%など) | 補正なし(1.00) |
| 25%超35%以下 | 1.01 |
| 15%超25%以下 | 1.03 |
| 5%超15%以下 | 1.04 |
| 0超5%以下 | 1.05 |
40%なら補正なしでそのまま使えばいいんですね!前払率って設計書のどこを見ればわかりますか?
金抜設計書の1ページ目にある統括情報表(工事概要欄)に記載されておるのじゃ。発注機関によって設定が違うこともあるので、必ず確認してから入力するのじゃよ。
「契約保証補正:金銭的保証」って書いてあるんですけど、「保証」と「補償」で漢字も違うし、もうわけわかんないです!
確かに紛らわしいのじゃな。これは「受注者が工事をちゃんと完成させます」と発注者に約束するための契約保証の種類を選ぶ項目じゃよ。
保証には2種類あってな。金銭的保証は保証会社に保証してもらう方法、役務的保証は「万が一のとき保証会社が代わりに工事を完成させる」という方法じゃ。どちらを選ぶかで積算に乗せる率が変わるのじゃよ。
| 保証の種類 | 契約保証費率 | 計算先 |
|---|---|---|
| 金銭的保証 | 工事原価 × 0.04% | 一般管理費等に加算 |
| 役務的保証 | 工事原価 × 0.09% | 一般管理費等に加算 |
| 上記以外 | 補正しない | ― |
どっちを選べばいいかって、どこを見ればわかりますか?
設計書の特記仕様書か工事請負契約書に保証の種別が書いてあるはずじゃ。福島県の公共営繕では金銭的保証(0.04%)が一般的じゃが、必ず設計書で確認してからソフトに入力するのじゃよ。
「管理事務所設置:なし」ってどういう意味ですか?事務所を作らないってことですか?
そうじゃ。発注者の監督員が現場に常駐するための事務所(監督職員事務所)を設けるかどうかの設定じゃな。「設ける」にすると共通仮設費率をそのまま使い、「設けない」にすると共通仮設費率に減額補正係数が乗るのじゃよ。
共通仮設費が下がると純工事費が下がり、現場管理費・一般管理費等も連鎖的に減額されてな、最終的な工事価格にじわじわ影響してくるのじゃ。
| 直接工事費の規模 | 補正係数(概算) |
|---|---|
| 1,000万円未満 | 0.887 |
| 1,000万円以上50億円以下 | 0.738 + 0.0162 × logeP |
じゃあ福島県の工事は基本「なし」でいいんですか?
福島県の公共営繕工事ではほぼ「なし」が標準じゃよ。ただし「設ける」と「設けない」では数万円〜の差が出ることもあるのでな、積算の最終確認で必ずここをチェックするクセをつけるのじゃ。
「主たる工事区分:改修電気設備工事」って、建築と電気が両方ある工事だとどっちを選べばいいかわからなくなりそうです!
設計書の発注工種名を見て判断するのじゃ。「改修電気設備工事」として発注されておれば「改修電気設備工事」、「建築工事」なら「建築工事」を選ぶのじゃよ。
現場管理費率の算定に関わる区分じゃからな、発注工種名とちゃんと一致させることが大事じゃ。
建築・電気設備・機械設備・昇降機設備はそれぞれ別の算定式が定められています。設計書の発注工種名を確認してから選択してください。迷ったら発注者に確認するのが確実です。
「共通仮設費区分:率併用方式」ってどういう意味ですか?他にも選べるものがあるってことですか?
共通仮設費の計算方法を選ぶ項目じゃな。大きく3種類あってな。
①率のみ方式:直接工事費に率をかけるだけ。②積み上げのみ方式:実費を一つひとつ積み上げる。③率併用方式:率で計算できる部分は率計算して、率に含まれない費用は別途積み上げる方式じゃ。公共建築工事の標準はこの「率併用方式」じゃよ。
- 現場事務所・倉庫・下小屋などの仮設建物
- 安全標識・消火設備・隣接物の養生
- 工事用電気・給排水設備と使用料
- 屋外整理清掃・発生材処分
- 測量機器・雑機械器具
- 交通誘導警備員
- 仮囲い・工事用道路・歩道構台
- 除雪費
- 敷地測量・仮設用借地料
- 荷揚用揚重機械器具(新営工事)
「労務費の比率:普通」って何の比率ですか?「普通」じゃないパターンってあるんですか?
現場管理費率の計算に使う補助パラメータでな、直接工事費のうち労務費の占める割合が「普通・多い・少ない」で区分されておるのじゃ。
とはいえ公共建築工事ではほぼすべて「普通」でOKじゃよ。労務費が極端に多い・少ない特殊な工種でない限り、ここは気にしなくて大丈夫じゃ。
「週休2日補正:改修電気設備工事」って書いてあります…これって週休2日と工事区分がなんで一緒になってるんですか?!
積算ソフトによって表示の仕方が違うのじゃが、これは「改修電気設備工事に週休2日補正を適用する」という意味じゃな。工種を指定した上で補正をかける設定になっておるのじゃよ。
週休2日補正を選ぶと労務費に1.02の補正係数が乗るのじゃ。4週8休でも完全週休2日でも、すべて1.02と覚えておくがよい。
| 週休2日の区分 | 労務費補正係数 |
|---|---|
| 4週8休(月単位) | 1.02 |
| 4週8休(工期全体) | 1.02 |
| 週休2日(完全) | 1.02 |
週休2日補正は発注者によって適用の有無が分かれます。金抜設計書に記載があるかを確認し、記載がない場合は発注者に問い合わせましょう。補正なしの場合は「補正なし」を選択します。
工期は設計書に「6か月」って書いてあったら、そのまま「6」って入力すればいいですか?
そうじゃ!積算ソフトにそのまま打ち込めばOKじゃよ。工期は共通仮設費率と現場管理費率の計算式に使われるのでな、金抜設計書の工期と必ず照合してから入力するのじゃ。
工期が1か月ずれると共通仮設費と現場管理費が両方ずれ、数万円単位で金額が変わります。必ず金抜設計書の工期を確認してから確定させましょう。
- 前払率:35%超なら補正なし。35%以下は補正係数を確認して一般管理費等率に乗じる
- 契約保証補正:設計書で種別確認(金銭的保証 → 0.04% / 役務的保証 → 0.09%)
- 管理事務所設置:福島県公共営繕はほぼ「なし」。最終確認で必ずチェック
- 主たる工事区分:設計書の発注工種名を確認して選択
- 共通仮設費区分:通常は「率併用方式」。積み上げ項目(警備員・仮囲いなど)は別途計上
- 労務費の比率:特殊工事でなければ「普通」でOK
- 週休2日補正:すべて1.02。自治体によって適用の有無が異なるので金抜設計書で確認
- 工期:設計書の工期をそのままソフトに入力。必ず金抜設計書と照合

