経営事項審査とは?

経営事項審査(経審)とは何か

経営事項審査(経審)とは、公共性のある施設・工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が、建設業法に基づき必ず受けなければならない審査です。国や地方公共団体が発注する工事に元請として入札参加するための、いわば「会社の格付け」を決める審査であり、建設業許可を受けた事業者が対象になります。

ここで整理しておきたいのが、本シリーズで扱う「積算」との違いです。積算は、発注者が公表する金抜設計書をもとに、発注者側の予定価格を積算基準どおりに再現・推定する作業です。一方、経審は自社が入札に参加する資格(格付け)を得るための会社単位の審査であり、個々の工事の価格を計算する作業ではありません。両者は目的も対象もまったく異なる制度です。

経審は「工事ごとの価格」を決めるものではなく、「自社が入札に参加できるかどうか」を決める会社単位の審査です。積算(予定価格の再現)とは別の制度として理解してください。

経審の評価項目の概要

国土交通省の説明によれば、経審は「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項(経営規模等評価)」の2つを数値で評価する仕組みです。経営規模等評価はさらに、経営規模(X)、技術力(Z)、社会性等(W)の3要素で構成され、国土交通大臣が登録した専門機関が行う経営状況分析の結果(Y)と合わせて、総合評定値(P点)が算出されます。

計算式としては「経営状況分析結果(Y)+経営規模等評価結果(X・Z・W)=総合評定値(P)」という構成です。平成16年の法改正以降、総合評定値の請求自体は制度上「任意」とされていますが、公共工事の発注者が入札参加資格の審査でP点の提出を求めるケースが多いため、実務上は取得が前提になります。

経審の結果と入札参加資格・格付けの関係

福島県が公表する資料によると、県の入札参加資格における格付けは、経営事項審査の結果に基づく「客観点」と、工事成績・優良工事の実績・ISO認証取得状況など福島県独自の基準による「主観点」を合算した「総合点」によって等級(一般土木工事ではS・A・B・C、建築工事ではA・B・C・Dなど)を決定する仕組みです。経審の点数がそのまま格付けに反映されるわけではなく、県独自の加点要素も合わせて評価される点に注意が必要です。

また、格付け等級ごとに入札参加できる工事の発注標準金額(設計金額の範囲)が定められています。1億?3億円規模の工事に参加するには、上位の等級に対応する経審の点数(総合評定値)が必要になるのが一般的です。発注標準金額の基準は物価動向等に応じて改定されるため、最新の基準は福島県の入札監理課の公表資料で必ず確認してください。

福島県のホームページでは、経営事項審査の有効期限が切れた場合、入札参加資格そのものを失うと明記されています。有効期限は審査基準日から1年7か月に限られるため、毎年の決算後、期限に余裕を持って更新申請することが必須です。

初心者がまず確認すべきこと

積算業務を担当する方がまず確認すべきは、自社が現在どの等級で格付けされており、その等級で1億?3億円規模の案件に入札参加できるかどうかです。格付けの現状は、自社の経審の総合評定値通知書と、福島県が公表する格付基準点数の資料を突き合わせれば把握できます。経審の点数を上げること自体は、社会保険加入状況や技術者数、工事成績など経営そのものに関わる話であり、本シリーズが扱う積算の技術とは別の経営課題です。まずは自社の入札参加資格の有効期限と格付け等級を確認し、参加したい規模の工事に届いているかを把握することから始めてください。

経審や格付けは会社として一度整えれば、その後は毎年の更新管理が中心になります。積算の学習と並行して、経審の有効期限だけは必ずカレンダーで管理しておくと安心です。

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