専門工事業者等の諸経費とは?従来の「その他」との違い

公共営繕積算・入門シリーズ

専門工事業者等の諸経費とは?従来の「その他」との違い

こんな方におすすめの記事です

・複合単価の中に出てくる「専門工事業者等の諸経費」の意味がわからない方

・積算基準の新旧対照表で「その他」という表記が消えていて戸惑った方

・専門工事業者等の諸経費が何にいくら含まれているのか知りたい方

1専門工事業者等の諸経費とは?

結論

専門工事業者等の諸経費とは、複合単価を構成する要素の一つで、専門工事業者等の現場管理費及び一般管理費等を指します。材料・労務・機械器具の各要素に一定の率を乗じ、その合計として算定されます。

公共建築工事標準単価積算基準では、複合単価は次の要素から構成されると定義されています。

  • 材料単価
  • 労務単価
  • 機械器具費
  • 仮設材費
  • 専門工事業者等の諸経費

つまり専門工事業者等の諸経費は、材料費や労務費と並ぶ「単価を構成する要素の一つ」として位置づけられているものです。材料費・労務費・機械器具費そのものではなく、それらに率を掛けて上乗せする形で計算されます。

2従来の「その他」との違い

国土交通省は令和8年3月11日、「雇用に伴う必要経費の確保に向けて」という趣旨で、公共建築工事積算基準類を改定しました。この改定では、実態調査の結果を踏まえて専門工事業者等の諸経費の率の見直しが行われています。

この改定に合わせて、複合単価の中でこの費用を指していた名称も変わりました。新潟県の公式サイトでは、令和8年3月改定基準について「複合単価における『その他』の率が改定され『専門業者等の諸経費』の率となった」と説明しています。

注意

名称は変わりましたが、費用の性格自体は同じです。改定前の積算基準では、この費用は「製造業者・専門工事業者の諸経費(下請経費)」という表記で説明されていました。つまり「その他」も「専門工事業者等の諸経費」も、実質的には元請業者から専門工事業者・下請業者に支払われる現場管理費・一般管理費等(いわゆる下請経費)を指す点は変わりません。

「その他」という曖昧な表記から、内容が伝わる名称に改められたことで、この費用が専門工事業者の雇用に伴う必要経費であることが積算基準上も明確になった形です。

3具体的に何が含まれるのか

専門工事業者等の諸経費は「現場管理費」と「一般管理費等」の2つで構成されます。積算基準ではそれぞれの内容が次のように示されています。

区分主な内容
現場管理費労務管理費(安全・衛生に要する費用を含む)、租税公課、保険料、従業員給料手当、退職金、法定福利費(雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料の事業主負担額)、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、小器材の消耗費 など
一般管理費等役員報酬、従業員給料手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、維持修繕費、事務用品費、通信交通費、動力用水光熱費、調査研究費、広告宣伝費、交際費、地代家賃、減価償却費、試験研究償却費、租税公課、保険料、雑費、付加利益

現場管理費は「工事施工に当たり現場で必要とする費用及び現場労働者に係る費用」、一般管理費等は「本店・支店の従業員に係る費用及び会社の継続運営に必要な費用」と整理されています。

4市場単価にも含まれている

ポイント

専門工事業者等の諸経費は、複合単価だけでなく市場単価にも含まれます。積算基準では、市場単価は「材料費、労務費、機械器具費等(専門工事業者の諸経費を含む。)」によって構成される価格であると定義されています。

市場単価は元請業者と下請の専門工事業者間の取引実態に基づく価格のため、専門工事業者等の諸経費がすでに単価の中に織り込まれています。複合単価のように率を別途乗じて計算する必要がない点が、複合単価との違いです。

まとめ

  • 専門工事業者等の諸経費は、複合単価を構成する要素の一つで、専門工事業者等の現場管理費及び一般管理費等を指す
  • 令和8年3月改定で、従来「その他」と表記されていた費用がこの名称に改められた
  • 名称は変わったが、含まれる費用の性格(いわゆる下請経費)自体は従来と同じ
  • 内容は「現場管理費」と「一般管理費等」の2区分で、それぞれ具体的な費目が積算基準に示されている
  • 市場単価にも専門工事業者等の諸経費はあらかじめ含まれている
出典:国土交通省「公共建築工事積算基準類の改定~雇用に伴う必要経費の確保に向けて~」(令和8年3月11日)、公共建築工事標準単価積算基準(令和8年改定)、新潟県土木部ホームページ、佐賀県公共建築工事標準単価積算基準ほか各都道府県公表資料
この記事の内容
  1. 専門工事業者等の諸経費とは?
  2. 従来の「その他」との違い
  3. 具体的に何が含まれるのか
  4. 市場単価にも含まれている

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