福島県の公共営繕積算で考える積算ソフト選びの4つの判断基準
このようなお悩みはありませんか。
- 積算した金額が、開札後の金入設計書と毎回ずれる
- 単価を探すのに時間がかかりすぎる
- 今のソフトを使い続けていいのか判断できない
- 福島県内の同業者がどのソフトを使っているのか気になる
公共営繕の積算を続けていると、一度はぶつかる悩みだと思います。
- 積算ソフトを選ぶときの判断基準が4つに整理できます
- 単価の根拠をソフト上で確認する視点が身につきます
- 福島県で公共営繕の積算をしている立場からの率直な見解が読めます
結論:知名度ではなく、自社の受注案件と合っているかで選ぶ
積算ソフトに万能なものはありません。考えるべきは「どれが一番有名か」ではなく、自社が受注している案件の積算を、精度よく、短い時間で終えられるかです。
そのうえで、福島県で公共営繕積算に携わる方と情報交換をしていると、メビウス8を利用している会社は比較的多い印象があります。少なくとも比較候補には入れておく価値があると私は考えています。
積算ソフトは数年単位で使い続ける道具です。導入時の価格だけで決めてしまうと、合わない部分を人の手でカバーすることになり、結局コストが高くつきます。
以下では、ソフトを比較するときに私が見ている4つの判断基準を整理します。
判断基準① 建築・電気・機械のどこまで対応しているか
公共営繕の積算は、建築・電気設備・機械設備で考え方がそれぞれ異なります。同じ工事でも、適用する積算基準も参照する単価も別物です。
特に電気設備は、配線・配管・機器・市場単価と確認項目が多く、ソフトの対応範囲がそのまま作業効率に跳ね返ります。
見落とされがちな点
土木工事をメインに設計されたソフトでも、建築・設備の積算自体はできる場合があります。ただし営繕特有の基準や歩掛りへの対応度合いには差があるため、自社が受注する工種で実際に試すことが必要です。
建築だけ、電気だけという会社ならそこに特化したソフトでも問題ありません。一方で、建築・電気・機械を横断して受注している会社であれば、対応範囲は最優先の判断基準になります。
判断基準② 単価をストレスなく検索できるか
積算作業の時間を実際に食っているのは、計算ではなく単価を探す工程です。
名称から探すこともあれば、RIBCコードから逆引きすることもあります。検索性が悪いと、作業時間が延びるだけでなく、似た名称の単価を取り違える原因にもなります。
- 自社が普段使う材料を、実際に名称で検索してみる
- RIBCコードからの逆引きが何手で終わるか数える
- 単価の改定履歴や適用年度が画面上で判別できるか見る
カタログや機能一覧では差が分かりません。毎日触る部分だからこそ、自分の手で操作して確かめるべきところです。
判断基準③ 単価の根拠をソフト上で確認できるか
これが、意外と見落とされている基準です。画面に出てきた単価について、その数字がどこから来たのかをソフト上で追えるかという視点です。
その1 歩掛に分解できるか
積算の区分コードには、歩掛に分解できるものとできないものがあります。
| 区分 | 歩掛への分解 | 手計算での検証 |
|---|---|---|
| 標準・参考・協議など | 可能 | 積算基準書と物価本で検証できる |
| 市場・補市・市加 | 不可 | ソフトの計算結果に依存するしかない |
標準歩掛りであれば、どの材料が何必要で、どの職種の労務が何人工必要かを積算基準書で確認できます。不安な項目はエクセルで手計算して検証できます。
一方、市場単価方式は材料費・労務費・専門工事業者の諸経費を含んだ取引価格をそのまま単価として使う方式です。内訳が一体化しているため分解できません。手計算で検証する手段がない区分こそ、ソフトの精度が積算額に直結します。
だからこそ、分解できる項目についてはソフトが代価表の内訳を開いて見せてくれるかどうかを確認しておきたいところです。
その2 どの積算基準を参照した単価か確認できるか
同じ名称の単価でも、参照している基準が違えば金額は変わります。公共建築工事標準単価積算基準によるものか、積算研究会の参考歩掛りによるものか、協議会の資料によるものか。これが画面上で判別できないと、ずれたときに原因を追えません。
- 単価ごとに区分コード(標準・市場・補市・参考など)が表示されるか
- その区分がどの積算基準を出典としているか分かるか
- 分解できる区分について、代価表の内訳を画面で開けるか
- 適用している基準の改定年度が確認できるか
金入設計書とずれたとき、「どの単価が違うか」までは誰でも分かります。しかし「なぜ違うか」は、出典まで遡れないと特定できません。ここを確認できるソフトかどうかで、検証にかかる手間がまったく変わります。
判断基準④ 金入設計書との照合が続けられるか
積算精度を上げる方法は、実はシンプルです。開札後に金入設計書を入手し、自社の積算結果と突き合わせる。これを案件ごとに積み重ねるしかありません。
- どの単価が違っていたか
- どの費目で差が出たか
- 共通費の率は合っていたか
- 工期や補正の設定が発注者側と一致していたか
ここで効いてくるのが、ソフトが内訳をどう出せるかです。費目ごとの集計や代価表を取り出しやすいソフトは照合が回りますが、そうでないと毎回エクセルに手で打ち直すことになり、検証そのものが続きません。
積算ソフトは入力ツールであると同時に、検証ツールでもあります。この視点で選んでいる会社は、意外と少ない印象です。
積算ソフト選びで失敗しやすい3つのパターン
1 同業者の評判だけで決めてしまう
「あの会社が使っているから」は判断材料になりません。受注している工種も規模も違えば、必要な機能も変わります。
2 長く使っているという理由だけで変えない
導入当時と今では、受注する工事の内容も積算基準も変わっているはずです。使い慣れていることと、業務に合っていることは別の問題です。
3 ずれの原因を担当者の力量だけに求める
実際には、操作方法の理解不足、契約していないデータ、ソフトの対応範囲外の工種といった要因が絡んでいることがあります。原因を切り分けないまま人を責めても精度は上がりません。
私がメビウス8を比較候補に挙げる理由
ここまでの4つの判断基準で考えたとき、福島県の公共営繕を中心に受注している会社であれば、メビウス8は検討対象に入れておいて損はないと思っています。
建築・電気設備・機械設備を営繕の基準に沿って扱える点、単価の検索性、区分や内訳の確認のしやすさ。このあたりが、日常の積算と開札後の検証を回すうえで強みの一つだと私は考えています。
ただし、すべての会社に最適とは限りません。
受注している工種の構成、社内で積算を担当する人数、既存データの引き継ぎの有無によって、最適な選択は変わります。この記事は一般的な利用傾向や実務上の認識をもとに整理したもので、特定の製品を推奨することを目的としたものではありません。導入を検討する際は、必ず自社の過去案件でデモ比較を行ってください。
デモで見るべきは、画面のきれいさではありません。過去に積算した案件を実際に入力し、金入設計書とどこまで一致するかです。ここを確認せずに決めると、導入後に同じ悩みが残ります。
まとめ
- 積算ソフトは知名度ではなく、自社の受注案件に合っているかで選ぶ
- 判断基準① 建築・電気・機械の対応範囲
- 判断基準② 単価の検索性
- 判断基準③ 歩掛に分解できるか、どの積算基準を参照した単価かをソフト上で確認できること
- 判断基準④ 金入設計書との照合のしやすさ
- 最終判断は、必ず自社の過去案件でのデモ比較で行う
積算が合わない状態を放置すると、入札のたびに判断材料が不足したままになります。まずは直近の1件で、自社の積算結果と金入設計書を突き合わせるところから始めてみてください。
メビウス8が自社に合うかどうかは、受注している工種や案件によって変わります。私自身、福島県の公共営繕積算に携わる中でメビウス8の利用者と情報交換する機会もあります。
メビウス8を含めて積算ソフトを比較したい方は、積算よろず相談箱からご連絡ください。現在利用している積算ソフト名が分かると、比較のポイントを整理しやすくなります。
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