福島県の総合評価方式とは?6類型の違いと金額区分を解説
福島県基準の総合評価方式について、6つの類型と金額区分を整理します。市町村発注工事とは別のルールなので、混同しないよう押さえておきましょう。
目次
- 結論
- 各論①:総合評価方式の6つの類型
- 各論②:金額による適用区分
- 各論③:区分にまつわる注意点
- まとめ
1. 結論
福島県の総合評価方式は、標準型・簡易型・特別簡易型・地域密着型・復興型・復旧型の6類型で構成されています。
条件付一般競争入札では、3,600万円以上1億2,000万円未満は特別簡易型、3,600万円未満は地域密着型または復旧型が原則です。1億2,000万円以上6億円未満では標準型または簡易型が適用されますが、この区分は金額だけでなく工事内容や技術的工夫の余地によって決まります。
2. 各論①:総合評価方式の6つの類型
福島県の総合評価方式には、技術的工夫の余地と工事規模に応じて次の6つの類型があります。
| 類型 | 概要 |
|---|---|
| ①標準型 | 技術的工夫の余地が大きい工事において、簡易型の評価項目に加えて品質確保・向上、環境への影響の軽減等の施工上の提案による評価と入札価格とを総合的に評価 |
| ②簡易型 | 技術的工夫の余地が小さい一般的な工事において、簡易な施工計画や同種・類似工事の経験、工事成績などを評価項目とし、入札価格と総合的に評価 |
| ③特別簡易型 | 技術的工夫の余地が小さい一般的な工事において、同種・類似工事の経験、工事成績などを評価項目とし、入札価格と総合的に評価 |
| ④地域密着型 | 技術的工夫の余地が小さい比較的小規模な一般的な工事において、同種・類似工事の経験、工事成績などを評価項目とし、地域貢献の評価に重点を置いたもの |
| ⑤復興型 | 復興・再生事業等に係る工事において、品質確保等に支障がないと判断される場合に、特別簡易型と同一の評価項目で評価 |
| ⑥復旧型 | 災害査定を受けて発注する復旧工事で、工事実績と地域貢献の評価及び入札価格を総合的に評価 |
標準型に近づくほど施工計画や技術提案など「提案力」を問う項目が加わり、地域密着型・復旧型に近づくほど「実績」と「地域貢献」を中心に評価する、という違いがあります。
3. 各論②:金額による適用区分
類型の適用は、入札方式と設計金額によって次のように区分されています。
条件付一般競争入札の適用区分
・標準型・簡易型:1億2千万円以上6億円未満
・特別簡易型:3千6百万円以上1億2千万円未満
・地域密着型・復旧型:3千6百万円未満(400万円超から適用可)
・復興型:6千万円以上6億円未満の工事で適用可
ここで注意したいのが、1億2千万円以上6億円未満という同じ金額帯に「標準型」と「簡易型」の両方が存在する点です。福島県の総合評価方式は金額だけで機械的に決まるのではなく、技術的工夫の余地が大きい工事は標準型、技術的工夫の余地が小さい一般的な工事は簡易型という考え方が基本になっています。つまり同じ金額帯の工事であっても、施工上の提案を求めるかどうかで標準型か簡易型かが分かれる仕組みです。
一般競争入札(WTO対象)ではさらに大規模な工事が対象になり、30億2千万円以上は標準型、6億円以上30億2千万円未満は標準型または簡易型が適用されます。
4. 各論③:区分にまつわる注意点
金額区分はあくまで目安であり、工事の内容によって例外があります。
・1億2千万円未満の工事でも、施工計画の適切性を評価すべき場合は簡易型を適用することがあります。
・6億円未満の工事でも、技術提案を求めるべき場合は標準型を適用することがあります。
・学識経験者からの意見聴取で了承を得た上で、1億円以上の工事に特別簡易型を、6億円以上の工事に簡易型を適用する場合があります。
・農林水産部、土木部以外の部局では、3千6百万円以上の工事について上記区分により実施します。
「会津若松市基準」との違いに注意
この区分は福島県が発注する工事(会津若松建設事務所など県の出先機関を通じた発注を含む)に適用されるものです。会津若松市(市役所)が発注する工事の総合評価方式は、市独自の実施要綱に基づく別の基準(標準型は予定価格1億5,000万円以上など)であり、金額区分も評価項目も異なります。同じ「会津若松」の工事でも、発注者が県か市かで適用ルールが変わる点を押さえておきましょう。
5. まとめ
福島県の総合評価方式は、標準型・簡易型・特別簡易型・地域密着型・復興型・復旧型の6類型で構成されています。条件付一般競争入札では、3,600万円以上の工事で特別簡易型以上、3,600万円未満の工事で地域密着型または復旧型が適用されるのが原則です。1億2千万円以上6億円未満の金額帯では標準型と簡易型が重なりますが、ここは金額ではなく技術的工夫の余地の大小で使い分けられます。金額区分はあくまで目安で、工事内容によって例外的な適用もあります。県発注工事と市町村発注工事では基準が別物であることも忘れずに、入札公告ごとにどの類型が適用されているかを必ず確認しましょう。

