福島県で使われている「営繕積算システム等開発利用協議会歩掛り【協議】」とは?

積算入門|資料の読み方

営繕積算システム等開発利用協議会歩掛りとは?
標準歩掛りとの違いを解説

お疲れ様です!公共営繕の積算実務では、「標準歩掛りだけでは項目が見つからない」という場面によく出会います。そんなときに参照することになるのが、今回取り上げる「営繕積算システム等開発利用協議会歩掛り」です。この記事では、令和8年版の資料そのものをもとに、何に使うのか、何が書かれているのかを整理します。

こんな人におすすめ

  • 積算ソフトの候補一覧に出てくる「協議会歩掛り」が何なのか知りたい人
  • 標準歩掛りに載っていない項目の積算方法を調べている人
  • 公共営繕積算を初めて担当することになった人

1協議会歩掛りとは何か

今回の資料の正式名称は「営繕積算システム等開発利用協議会歩掛り 令和8年版」です。目次は建築工事編・電気設備工事編・機械設備工事編の3編に分かれており、それぞれ独立したページ番号(建築はA、電気はE、機械はM)が振られています。

結論

協議会歩掛りは、建築・電気設備・機械設備の3工事について、材料の所要量や労務量(歩掛り)を工種ごとにまとめた資料です。令和8年版として改定・発行されています。

2何に使う歩掛りなのか

資料の本文を見ていくと、各項目の説明欄に「標準歩掛り(〇〇)を準用する」という記述が非常に多く登場します。例えば以下のような形です。

  • 「打放し面補修 コーン処理」→「標準歩掛り(打放し面補修 A種 コーン処理)を準用する」
  • 「600Vポリエチレンケーブル(EM-CET、CVT)」→「標準歩掛り(600Vポリエチレンケーブル 3C)を準用する」
  • 「オイルストレーナ 単式」→「標準歩掛り(地下オイルタンク用附属品 複式ストレーナ(油用))を準用する」

ポイント

資料内に「標準歩掛りを準用する」という記述が繰り返し出てくることから、この協議会歩掛りは、標準歩掛りだけでは対応しきれない工種・仕様(線ぴ類、耐震スリット、保温化粧ケース、点検口、グレーチングふた、ガス設備機器など)を補う位置づけの歩掛り集であることが読み取れます。

実務知識に基づく補足

RIBC設計書の備考欄などで「協議」と表示される項目は、この協議会歩掛りを参照して積算しているケースがあります。この対応関係自体は今回の資料本文には記載がなく、実務上の運用として知られているものです。

3標準歩掛り・協議会歩掛り・参考歩掛りの違い

公共営繕積算では、似た名称の歩掛り資料が複数あります。整理すると次のようになります。

資料位置付け
公共建築工事標準単価積算基準(標準歩掛り)基本となる歩掛り
営繕積算システム等開発利用協議会歩掛り標準歩掛りを補完する歩掛り
公共建築工事積算研究会参考歩掛り標準歩掛りや協議会歩掛りにもない場合に参照する参考資料

実務知識に基づく補足

「公共建築工事積算研究会参考歩掛り」の位置付けについては、今回確認した協議会歩掛り(令和8年版)の資料本文には記載がなく、別資料についての実務上の整理です。実務では、標準歩掛り→協議会歩掛り→参考歩掛りの順で確認すると整理しやすくなります。

4何が書かれているか(3編構成)

建築工事編(A-1〜A-30)

仮設(ガードフェンス・単管足場・養生防護棚)、土工、地業、型枠(耐震スリット・スリーブ)、鉄骨、既製コンクリート、タイル、屋根及びとい、金属(トラフふた・マンホールふた・グレーチングふた・便所手すり・見切縁)、内外装(カーペット・化粧シート)、仕上ユニット(カーテンレール・掲示板・フェンス)、排水(側溝・街きょ)、構内舗装、植栽(伐採・抜根)まで、幅広い工種が収録されています。

電気設備工事編(E-1〜E-17)

共通工事として配管工事(線ぴ類)、配線工事(各種ケーブル)、接地工事、塗装工事(電線管防錆)を収録。さらに電力設備工事(誘導灯信号装置・高圧進相コンデンサ)、通信・情報設備工事(インターホン・テレビ共同受信・火災報知設備)が続きます。

機械設備工事編(M-1〜M-19)

配管工事(各種ライニング鋼管・ポリエチレン管)、配管附属品、保温工事、土工事、ポンプ類のほか、空気調和設備工事(冷却塔・全熱交換器・レンジフード)、給排水衛生設備工事(トラップ・グリース阻集器・給湯機器)、ガス設備工事まで収録され、末尾には「改修工事」の章もあります。

注意

機械設備工事編の改修工事の章には「改修における配管工事には、新設歩掛り中の『はつり補修』を適用しない」という注記があります。新設と改修で歩掛りの適用範囲が異なる項目があるため、該当箇所を使う際は本文の注記まで確認する必要があります。

5歩掛り表の見方

各項目の歩掛り表は、おおむね「名称/摘要/単位/所要量(または労務量)」の列と、「率を乗ずる歩掛りの区分」の列で構成されています。この区分欄には「労」「労以外」といった表記が入ります。

表の主な列内容の例
名称・摘要材料名や仕様(例:耐震スリット、線ぴ、ケーブル種別)
単位m・個・㎡・式など
所要量/人工材料の必要数量や、電工・配管工・とび工などの人工数
率を乗ずる歩掛りの区分「労」「労以外」の表記

実務知識に基づく補足

「労」「労以外」の区分は、積算基準における共通費(現場管理費・一般管理費等)の算定で、労務費と労務費以外(材料費等)で異なる率を掛けて計算する実務上の仕組みに対応するものです。この区分自体の計算方法までは今回の資料本文には記載がないため、共通費の算定ルールは別途、積算基準本体を確認してください。

まとめ

営繕積算システム等開発利用協議会歩掛り(令和8年版)は、建築・電気設備・機械設備の3編構成で、標準歩掛りに掲載のない工種・仕様を補完する位置づけの歩掛り集です。「標準歩掛り(〇〇)を準用する」という記述が随所にあり、標準歩掛りとセットで使う資料であることが読み取れます。項目を探す際は、まず標準歩掛りで見つからないかを確認し、見つからない場合にこの協議会歩掛りをあたる、という順番で使うと迷いにくいでしょう。

公共営繕積算では、まず標準歩掛りを確認し、見つからない場合に協議会歩掛りを確認するのが基本です。

基準書の詳細は、国土交通省「公共建築工事積算基準等の資料・運用」のページもあわせてご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/gobuild/shiryou_sekisan_unnyou.htm

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