共通仮設費とは?公共建築工事積算における役割と計算方法

公共建築工事の積算において、共通仮設費は現場の土台を作る極めて重要な費用です。本記事では、初心者や実務担当者がまず押さえておくべき基本ポイントを解説します。

共通仮設費の定義

共通仮設費とは、直接工事費(材料費・職人の人件費など)とは異なり、工事を円滑に進めるために一時的に必要となる、特定の作業に限らない共通の仮設設備や準備のための費用を指します。
工事完了後は撤去されるため建物自体には残りませんが、安全で効率的な施工には不可欠な「準備」のコストです。

共通仮設費に含まれる主な項目

項目 主な内容
現場事務所・倉庫 監督員や作業員が使用する施設
仮囲い・工事用道路 現場の安全を確保し、車両を通すための設備
動力用水光熱費 工事中に使用する電気代・水道代
環境安全費 安全標識の設置、交通誘導員の配置、台風等の災害防止対策
情報システム費 BIMや遠隔臨場、情報共有システムの利用料
屋外整理清掃費 現場内および周辺の日常的な片付け

共通仮設費の計算方法

共通仮設費は、統計から導き出された「率」による計算と、実数で計算する「積み上げ」の2段構造になっています。

① 率による算定
直接工事費 × 共通仮設費率
  • 工事規模や工期が大きくなるほど効率化を考慮して率が変動する仕組み
② 積み上げによる算定
率に含まれない費用を別途加算
  • 躯体・仕上げ工事用の揚重機械器具(クレーン等)が代表例
  • 現場環境改善費や特殊な試行項目も対象

積算上の注意点:対象額からの「除外」ルール

共通仮設費率を乗じる計算ベース(直接工事費)から、必ず除外しなければならない項目があります。ここを誤ると経費が過大に計上されるため注意が必要です。

  • 除外 処分費 ― 産業廃棄物の場外搬出・処理費用は算定の対象額から除外します。
  • 除外 各種負担金 ― 電力や水道の本設のための負担金も算定対象には含みません。

まとめ

  • 共通仮設費とは、現場事務所・安全対策・工事用インフラなど、現場を安全かつ円滑に運営するための準備費用
  • 計算は「直接工事費 × 率」を基本に、クレーン代等の「積み上げ」を合算する2段構造
  • 率を乗じる対象額(直接工事費)から処分費・各種負担金を除外することが正確な積算の大前提