【住標歩掛とは?】福島県の営繕積算で出現率がUP。建築・電気積算では要注意
積算担当の皆様、お疲れ様です!SEKISAN-PRO編集部です。今回は、福島県の営繕積算(建築・電気)を担当していると最近見かけることが増えてきた、RIBCコードの備考欄の「住標」という表記について整理します。この表記を見落として普段の積算基準の歩掛りを参考にしてしまうと、積算単価を間違えます。入札が激化している昨今、ここでのミスがそのまま失注につながりかねない、実務上とても重要なポイントです。
「住標」=公共住宅事業者等連絡協議会が編集する公共住宅系積算基準(電気設備工事積算基準・機械設備工事積算基準等)の略称。RIBC積算で歩掛りの計算に使う表記で、通常の標準積算基準とは歩掛りが異なります。通常の標準積算基準を参考にすると積算単価を間違えます。福島県の建築・電気では出現率が3〜5%まで増えており、入札が厳しい今、この見落とし一つが失注の原因になり得ます。
「住標」とは何の略?
「住標」は公共住宅事業者等連絡協議会が編集する公共住宅系の積算基準(建築は「公共住宅建築工事積算基準」、設備は「公共住宅電気設備工事積算基準」「公共住宅機械設備工事積算基準」)を指す略称です。RIBC積算において、歩掛りの計算に使うための表記であり、該当する基準書には歩掛りそのものが掲載されています。
普段の官庁営繕積算で基準としている「公共建築工事標準単価積算基準」は、国土交通省大臣官房官庁営繕部が監修する基準です。一方の「住標」は発行元がまったく別の、公共住宅事業者等連絡協議会が編集する基準書であり、両者は同じ工種を扱っていても、掲載されている歩掛りの数値が異なる別々の書籍です。京都府・神戸市・大阪府などの公表資料でも、この2系統の基準が明確に区別されて案内されています。
なぜ普通の積算基準と歩掛りが違うのか
歩掛りが違う理由はシンプルです。発行元が別の団体だからです。
- 通常の歩掛り:国土交通省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準単価積算基準」
- 住標の歩掛り:公共住宅事業者等連絡協議会編集「公共住宅電気設備工事積算基準」「公共住宅機械設備工事積算基準」
同じ工種・同じような作業内容に見えても、算定の母体となる調査・協議会が異なるため、数値が一致しないのは自然なことです。RIBCコードの備考欄に「住標」と明記されているのは、その項目がどちらの基準に基づく歩掛りなのかを、利用者が一目で区別できるようにするための表記です。
福島県で出現率が上昇中、入札激化の今こそ要注意
福島県の建築・電気の積算では、この「住標」表記の出現率が3〜5%ほどまで上がってきています。数としては一部かもしれませんが、決して無視できる割合ではありません。
昨今の入札激化の中では、わずかな単価のズレが予定価格との乖離につながり、そのまま失注(負け)に直結します。「住標」表記の項目を見落として通常の標準積算基準の歩掛りで計算してしまうと、その工種だけ単価が合わず、積算全体の精度を落とす原因になります。件数は少なくても、影響は決して小さくありません。
RIBCコードの備考欄に「住標」とあれば、通常の標準積算基準の歩掛りではなく、公共住宅系の積算基準の歩掛りを参照してください。ここを取り違えると積算単価を間違えます。福島県の建築・電気では出現率が3〜5%まで増えており、入札が厳しい今、この見落とし一つが失注の原因になり得ます。
「住標」には何が書かれているのか
「住標」に該当する基準書には、公営住宅・県営住宅・市営住宅などの新営工事(共同住宅の新築工事)を対象とした、労務・材料・機械器具などの所要量、つまり歩掛りが規定されています。
官庁営繕が対象とする庁舎・学校・病院などの一般の公共建築物と、共同住宅である公営住宅とでは、設備の配置パターンや施工の条件がそもそも異なります。そのため、公共住宅事業者等連絡協議会では、住宅特有の施工条件を踏まえた歩掛りを別途整備して公表している、という位置づけになります。
「住標」は何に使うのか
公表資料を確認すると、都道府県・政令市の営繕担当部局では、公営住宅等の新営工事(新築工事)における複合単価の作成にあたり、通常の公共建築工事標準単価積算基準に加えて、この公共住宅系の基準(住標)を歩掛りの根拠として採用している例が複数確認できます。
さらに、自治体によっては、公営住宅の新築工事における共通費率の算定についても、通常の共通費積算基準ではなく、この公共住宅系の基準(公共住宅建築工事積算基準)を適用すると明記しているケースもあります。つまり「住標」が絡む案件では、歩掛りだけでなく共通費の考え方まで、通常の営繕案件とは別ルールになっている可能性がある、という点は押さえておきたいところです。
「住標」が適用される対象は、他県の公表資料を見る限り新営工事(新築)が中心です。改修工事など新築以外の工事では、通常どおり公共建築工事標準単価積算基準が適用される整理になっている自治体もあります。案件の種別によって扱いが変わりうる点に注意しましょう。
実務上気をつけたいこと
案件が公営住宅等の新営工事に該当するかどうかは、金入設計書・特記仕様書・発注図書等で必ず確認しましょう。「住標」表記のあるRIBCコードを見かけたら、通常の官庁営繕案件と同じ感覚で数量・単価を拾わず、対象工事の性質(新築の共同住宅かどうか)を意識することが大切です。
また、公共住宅系の基準にも年度改定があります。通常の標準単価積算基準と同様に、適用している版(年度)がずれていないかも、あわせて確認しておくと安心です。
「住標」は、公共住宅事業者等連絡協議会が編集する公共住宅系(電気・機械設備等)の積算基準の略称で、RIBC積算では歩掛りの計算に使います。通常の標準積算基準とは歩掛りが異なるため、そのまま参考にすると積算単価を間違えます。福島県の建築・電気では出現率が3〜5%まで増えており、入札が厳しい今こそ、RIBCコードの備考欄で「住標」を見かけたら立ち止まって確認する習慣をつけましょう!

