専門工事業者等の諸経費とは?令和8年改定で変わった諸経費率を解説
公共建築工事積算基準の令和8年改定で、「専門工事業者等の諸経費」の考え方が大きく見直されました。積算ソフトを使用していると自動計算されるため、普段あまり意識する機会はないかもしれません。しかし、複合単価の算定に直接影響する改定であり、令和8年版へ切り替わることで積算結果も変わります。この記事では、専門工事業者等の諸経費とは何か、令和8年改定の変更内容、積算担当者が押さえておきたいポイントを解説します。
- 専門工事業者等の諸経費とは
- 令和8年改定で何が変わったのか
- なぜ見直しが行われたのか
- 積算担当者への影響
- よくある質問
- まとめ
1. 専門工事業者等の諸経費とは
専門工事業者等の諸経費とは、専門工事業者が施工を行うために必要となる経費です。
公共建築工事の積算では、複合単価を次の3つで構成しています。
複合単価の構成
① 材料費
② 労務費
③ 専門工事業者等の諸経費
電気設備工事・機械設備工事の多くの歩掛では、材料費・労務費に加え、専門工事業者が事業を継続するために必要な経費も考慮されています。そのため、専門工事業者等の諸経費が変わると、複合単価も変わります。
2. 令和8年改定で何が変わったのか
令和8年改定では、諸経費率の考え方が以下のように変更されました。
(「その他」率)
改定後の諸経費率は次のとおりです。
| 費目区分 | 諸経費率の範囲 | 中間値(標準) |
|---|---|---|
| 労務費(労) | 42〜52% | 47% |
| 材料費・消耗材料費等(労以外) | 9〜13% | 11% |
中間値(労務費47%・材料費等11%)が標準として使用されます。
今回の大きな特徴は、労務費部分に対する諸経費が明確に区分された点です。従来は工種別の単一率でまとめられていた経費が、費目ごとに整理されています。
3. なぜ見直しが行われたのか
近年は人手不足や労務費上昇が続いています。専門工事業者が負担している経費を積算へ適切に反映することが求められる状況が背景にあります。
令和8年改定では、「労務費に伴って発生する経費」をより明確に評価する考え方が取り入れられています。積算担当者が直接計算する場面は少ないものの、発注者積算の考え方として理解しておきたい改定です。
4. 積算担当者への影響
複合単価が変わる
諸経費率の考え方が変更されたため、令和7年版と令和8年版では複合単価が異なる場合があります。旧基準と新基準で積算結果を比較すると金額差が生じることがあります。
積算ソフトの基準年度を確認する
実務では積算ソフトが諸経費率を含めて自動計算していることがほとんどです。重要なのは自分で計算することではなく、令和8年版データになっているか確認することです。
歩掛だけでなく、専門工事業者等の諸経費率の変更も積算ソフト側で反映される必要があります。基準年度を必ず確認してください。
福島県での適用時期
福島県の建築関係工事積算基準では、令和8年10月1日以降に起工する工事から令和8年版が適用されています。設計書を作成する際は、起工日に応じた基準年度になっているか確認しておきましょう。
5. よくある質問
6. まとめ
- 専門工事業者等の諸経費は複合単価を構成する要素の一つ(共通費とは別)
- 令和8年改定で「工種別の単一率」から「労務費・材料費等の二区分」へ変更
- 改定後の率:労務費 42〜52%(中間値47%)、材料費等 9〜13%(中間値11%)
- 積算ソフトが令和8年版データに更新されているか確認することが実務上の要点
- 福島県では令和8年10月1日起工分から適用
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