単品スライド条項とは?

単品スライド条項とは?

積算の勉強を始めたばかりの方が、公共工事の契約書や関連資料の中で「単品スライド条項」という言葉を目にすることがあります。鋼材や燃料など資材価格の変動に関わる制度ですが、名前だけでは内容がイメージしづらいのではないでしょうか。この記事では、福島県が発注する公共工事を例に、単品スライド条項の基本を一次資料に基づいて解説します。

結論

単品スライド条項とは、鋼材や燃料油など特定の主要な工事材料の価格が契約後に著しく変動し、請負代金額が不適当となった場合に、発注者と受注者が協議のうえ契約金額を変更できる制度です。福島県が発注する工事では「福島県工事請負契約約款」第26条第5項に定められています。

制度の位置づけ(福島県工事請負契約約款第26条第5項)

福島県公式サイトに掲載されている「単品スライド条項運用マニュアル」によると、福島県が発注する工事では「福島県工事請負契約約款」第26条第5項に単品スライド条項が規定されています。公共工事は完成までに長期間を要するため、その間に主要な工事材料の価格が大きく変動すると、受注者だけがその負担を負うことになりかねません。そこで、通常合理的な範囲を超える価格変動分については、発注者と受注者の双方で負担を分け合うという考え方のもと、この条項が設けられています。

適用対象となる工事・要件

対象となる工事の要件

・残工期が2ヶ月以上ある全ての工事が対象

・品目ごとの変動額が請負代金額の1%を超える品目が対象(複数品目を合算せず、品目単位で判定)

対象となる工事材料は、運用マニュアルにおいて鋼材類(H形鋼、異形棒鋼、厚板、鋼矢板など)、燃料油(ガソリン、軽油、混合油、重油、灯油)、その他アスファルト類・コンクリート類等の主要な工事材料として示されています。

対象品目に該当するかどうか、実際の運用細目は福島県の運用マニュアルで定められています。個別の工事で適用できるかどうかは、必ず最新の一次資料で確認してください。

積算初心者が押さえておきたいポイント

単品スライド条項は、契約後に資材価格が急騰した場合の契約金額の精算に関わる制度です。入札前に発注者の予定価格を積算基準どおりに再現・推定する積算作業そのものに、この条項が直接影響するわけではありません。ただし、金抜設計書や特記仕様書の中でこの条項に触れられていることもあるため、制度の存在と大枠を理解しておくことは実務上役立ちます。

特に1億円から3億円規模の建築・電気・機械設備工事を受注する立場では、契約後の資材価格変動が利益に直結します。入札段階の積算そのものとは切り離した話ではありますが、どのような制度が用意されているかを事前に知っておくことで、契約後の資材価格上昇にも落ち着いて対応しやすくなります。

混同しやすい別制度への注意

単品スライド条項は、契約後の資材価格変動に対応する制度です。入札前の単価適用日の設定に関する運用基準とは別の制度であり、内容が異なりますので混同しないよう注意してください。

まとめ

単品スライド条項は、鋼材や燃料油といった主要な工事材料の価格が契約後に著しく変動した場合に、発注者と受注者の双方でリスクを分担するための制度です。福島県工事請負契約約款第26条第5項に基づき、残工期2ヶ月以上、かつ品目ごとの変動額が請負代金額の1%を超えることという要件のもとで運用されています。積算業務を進めるうえでは、この条項が契約後の精算に関する制度であることを理解し、他の運用基準と混同しないことが大切です。

参考:福島県ホームページ「『福島県工事請負契約約款』第26条第5項(単品スライド条項)運用マニュアル」

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