図解で分かる!令和8年度積算基準改定の背景|なぜ今見直しが行われたのか
この記事について
令和8年度の積算基準改定は、単なる数字や歩掛の見直しではありません。その背景には、建設業界の担い手不足、働き方改革への対応、相次ぐ災害対応、そして現場実態と積算基準とのズレといった課題があります。
本記事では、令和8年度積算基準改定が行われた理由を図解を交えながら分かりやすく解説します。積算担当者として押さえておきたい改定の目的とポイントを見ていきましょう。
令和8年度積算基準改定とは?
改定の背景と理由を図解で分かりやすく解説
令和8年度の積算基準改定は、単なる数字や歩掛の見直しではありません。
その背景には、建設業界の担い手不足、働き方改革への対応、相次ぐ災害対応、そして現場実態と積算基準とのズレといった課題があります。
本記事では、改定が行われた理由を図解を交えながら分かりやすく解説します。
積算担当の皆様、お疲れ様です!
令和8年度から積算基準が大幅に改定されましたが、「どの数値が変わったか」だけを追っていませんか? 改定の目的と背景を理解しておくと、発注者への説明や今後の基準改定への対応が格段にスムーズになります。さっそく見ていきましょう。
令和8年度積算基準改定とは
国土交通省が令和8年度から適用する積算基準の改定です。担い手確保・生産性向上・労働環境改善が大きなテーマとなっており、第三次担い手3法の全面施行も背景にあります。
図解で分かる改定の背景
今回の改定は「ひとつの課題への対応」ではなく、複数の課題が積み重なって生じた必然的な見直しです。
令和8年度改定は、これらの課題を積算面から解決するために実施されました。以降で各背景を詳しく見ていきます。
背景① 建設業界の担い手不足が深刻化している
技能労働者の高齢化
建設業界では高齢化が進み、多くの熟練技能者が引退時期を迎えています。経験豊富な職人の離職が相次ぐ一方、後継者育成が追いついていない現場も少なくありません。
若手人材の確保が難しい
休日の少なさや給与水準への不安から、若年層の入職者確保が業界全体の課題となっています。他業種と比べた「魅力の見えにくさ」が若手離れに拍車をかけています。
積算基準にも求められた役割
適正な利潤や経費を確保しなければ、企業が人材確保・育成に投資できません。そのため今回の改定では一般管理費等率の見直しなどが行われました。積算基準が「人材確保の土台」を支える重要な役割を担っています。
背景② 建設業にも本格的な働き方改革が求められている
週休2日の定着
国土交通省の取組により週休2日工事は大きく普及しました。完全週休2日を前提とすると、従来の歩掛・工期設定では現場が回らなくなります。
時間外労働規制への対応
令和6年4月からの時間外労働上限規制(年960時間)により、従来のような長時間労働を前提とした施工体制は難しくなっています。工期の適正化と歩掛の見直しが一体で求められています。
多様な働き方への対応
地域特性や気候条件に応じた柔軟な働き方が必要となり、積算もそれに合わせて見直されています。変形労働時間制の適用なども今後の現場運営に影響します。
背景③ 猛暑対策など労働環境改善の重要性が高まっている
夏季施工の負担増加
近年の猛暑により、現場の熱中症リスクは大きな課題となっています。WBGT値(暑さ指数)による作業中断が義務化される現場も増えており、実作業時間が構造的に削られる状況が常態化しています。
現場環境改善費の見直し
熱中症対策や防寒対策への支援強化が図られました。これまで経費として計上しにくかった暑熱対策費用が、積算上も適切に反映されるよう改定されています。
快適トイレ制度の拡充
現場環境改善を進めるため、計上上限額の見直しが実施されています。働く環境の整備が、担い手確保にも直結するという考え方が浸透しています。
背景④ 現場実態と積算基準のズレが大きくなっていた
ここが今回の改定の中核です。歩掛の前提となっていた「1日あたりの作業量」が、現実の現場と大きく乖離していました。
【従前の前提】旧来の歩掛が基づいていた1日
準備
片付
実作業時間:約7時間(旧来の前提)
【令和8年の実態】新しい歩掛が反映する1日
資材積込
作業休止
作業休止
日々回送
実作業時間:大幅に減少(移動・休止・回送が常態化)
※国土交通省が示す改定趣旨をもとに、現場実態をイメージ化した図です。
移動時間の増加
資材置場から現場までの移動時間が施工効率に影響しています。朝の現場移動・資材積込だけで1時間以上かかるケースも珍しくありません。
作業中断時間の増加
安全対策や猛暑対策による作業休止が増加しています。午前・午後それぞれに休止が入ると、実作業時間はさらに圧縮されます。
小規模工事への対応
維持修繕工事などでは標準歩掛が合わないケースも増えていました。これらを受けて歩掛改定や小規模施工への対応が進められました。
積算担当者が注目すべき3つのポイント
- 今後は単価や歩掛の変更だけを見るのではなく、なぜ改定されたのかを理解することが重要
- 現場の何を改善しようとしているのかを把握することで、発注者への説明力が上がる
- 発注者は何を重視しているのかを読み解くことが、今後の積算実務で差になる
改定の背景を理解することは、積算担当者としての「説明力」と「先読み力」を高める第一歩です。ぜひ現場の実態と照らし合わせながら、今回の改定内容を自分のものにしていきましょう!
まとめ 積算基準改定の背景とは?



